提督の憂鬱 作:sognathus
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初めて提督に求婚した時の様に加賀は突然切り出します。
提督「何だこれ」
加賀「指輪です。大佐」
提督「そんなのは見れば分かる」
提督「俺が知りたいのは、どうしてわざわざ二つ並べて指輪が机に置いてあるのかというということなんだが」
加賀「分りませんか?」
提督「......さてな」
加賀「中佐、意地悪しないで下さい」
提督「ふっ、久しぶりに降格したな」
加賀「当り前です」ブス
提督「怒っているか?」
加賀「とても気分を害しました。賠償として可及的速やかに結婚を申し込みます」
提督「日本語がおかしいぞ。賠償は普通請求するものだぞ」
加賀「大事なプロポーズを請求なんかしたくありません」プイ
提督「そうだな。悪かった、加賀」
加賀「......抱きしめて下さい」
ギュ
提督「......他には?」
......加賀「もっと強くです」
ギュッ
提督「どうだ?」
加賀「最高です。次は頭撫でて下さい」
提督「了解」
ナデ
提督「相変わらず撫で心地が良いな」
加賀「それは私も同じです。ん......♪」
提督「まだあるか?」
加賀「当然です。次はキ――」
チュ
提督「......」
加賀「......ん......」
提督「......ふ」
加賀「......初めてですね。貴方からキスをしてくれたのは」
提督「そうだったか?」
加賀「はい。私、感情表現が......今、これでもとっても幸せです」
提督「久しぶりに聞く言葉だ。確かお前が初めて俺に告白した時の言葉だな」
加賀「憶えていたのですか?」
提督「当り前だ。お前をここに迎え入れて、次の日にいきなり受けた言葉だぞ?」
加賀「......そういえば、そうでしたね」
提督「あの時の俺は、その時の答えを保留にする事しか考えられなかった。それでもお前はそう言ったな。何故だ?」
加賀「断わられると思ってましたから......。『検討しておく』という貴方の言葉にどれだけ希望を持ったことか」
提督「それであの言葉か。 ハッキリ言ってあんなことを言われた時の俺のあの時の気持ちは、半分脅迫されたような心地だったぞ」
加賀「ふふ......それが狙いでもありましたから」
提督「なぁ」
加賀「はい」
提督「何で俺なんかを好きになった?」
加賀「艦娘だからなのかもしれませんが、一目惚れです」
提督「......そうか」
加賀「驚きました?」
提督「......いや、その......初めてじゃないからな」
加賀「他にも私と同じような子が?」
提督「いや、お前たちじゃなくて前に来た彼女だ」
加賀「ああ......あの人もだったんですか」
提督「そうだ。......それにしても一目惚れなんてのは半信半疑だったんだがな。流石に2回もそうだと言われると」
加賀「信じざるを得なくなりました?」
提督「正直言ってそうだ」
加賀「ふふ。でもやっとこうして今、ずっと願い続けていた想いが叶いそうです」
提督「と言うと?」
加賀「私に言わせる気ですか?」ムッ
提督「なるほど......そうだな」
加賀「言われたいんです。いくらでも言う事はできますが、偶には......」
提督「結婚してくれるか?」
加賀「......もう少しムードを考えて欲しかったですね。あまりにも唐突です」
提督「......すまん」
加賀「ふふふ、いいですよ。気にしてませんから。だから好きなんです」
提督「......返事は?」
加賀「愚問です。断わると思いますか?」
提督「いや、で――」
加賀「んっ......!」
提督「っ......ん......」
加賀「ふぅ......」
提督「加賀......」
加賀「ありがとう。愛してます!」
加賀とケッコンしました。
初めてSSを書いてから2カ月ちょっと......ようやく達成です。
いやぁ、感無量です。