■ Orange-98 ■ YMO レコーディング・サンプラー ■ PC9801拡張ボード仕様 ■ | |
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| ■ Orange-98 ■ YMO レコーディング・サンプラー ■ PC9801版 拡張ボード仕様 ■ 出品物の説明が難し商品となりますが、出品者は1980年代にYMO(イエローマジック・オーケストラ)で、 シンセサイザー関係のエンジニアをしておりました。 その当時、YMOやJ-POP系の音楽制作の現場では、現在で言うサンプラーとかサンプリング・マシンと呼ば れるようになったレコーディング機材が求められておりました。 現在では珍しくありませんが、当時はまだ単体の録音機材としてはサンプラーが生まれていない時代でした。 その時代に当時の東芝EMIが自社スタジオのレコーディング機材としてサンプラーを開発しました。 YMOファンの方であればご存知かと思われますが、それがLMD649と呼ばれたサンプリング・マシンでした。 LMD649はYMOのアルバム「BGM」や「テクノデリック」の録音で多用された画期的な機材でした。 □□□ LMD649は当時、私の所属する事務所が東芝EMIから借り受けて使用管理していたのですが、80年代の音楽業界 ではレコード会社やアーティスト契約の権利関係などの障壁が厳しく、系列関係を越えた仕事は難し時代でした。 具体的にはYMOはアルファレコードの所属アーティストだったので、その利益はアルファレコードに還元される のが当然ですが、その音楽制作に用いる録音機材のLMD649が、同業他社の東芝EMIから借り受けた機材で制作 されたとなると、必然的に権利関係や使用料で難しい問題が生じる事になりました。 東芝EMIとしては、LMD649をアルファレコードのYMOが録音機材として使用するのには好意的で無かったのですが、 借りている側としては、YMOの録音には必需品だったのでLMD649をあっさり返却する訳にも行かず、問題の回避策 として上層部の大人な判断として、それなりの高額な費用を支払って継続的に借用することで一応は妥結しました。 私はまだ20代の現場のエンジニアでしたので、この大人の事情による駆け引きには関与していませんでしたが、 LMD649の借用問題の金銭による妥結を得られた後、すぐに私の所属する会社の経営者から指令を受けました。 「この先いつまでも東芝EMIに高額なレンタル費用を払ってまでLMD649を借りて使い続けられないので、 LMD649にも劣らない性能のオリジナルなサンプリング・マシンを、お前が急いで作れ!」という社長命令でした。 そこで私が製作したのがサンプラーのOrangeシリーズです。 /// キーボードマガジン 2019 WINTER Vol.403 Page 37 より一部を引用掲載 /// この件については、たまたまキーボードマガジンという雑誌の、Vol.403号の特集「楽器で巡るYMOサウンド」を 目にしたら、この件が記事に書かれていたので、自身も他人事のように30数年ぶりに思い出した次第です。 残念ながら記事内容に誤りもあるのですが、私が正式に出版社のインタビューを受けて説明した内容では無いので、 執筆者の憶測も含まれる記事かと思いますが、それが掲載の主旨ではありませんので、ここでの訂正は致しません。 記事にあるように、私は「Orange-Ⅰ」「Orange-Ⅱ」「Orange-98」の3種類のサンプラーを製作しました。 Orange-ⅠおよびOrange-Ⅱは、ハードロジックによる論理回路だけの設計で製作した録音機器でした。 古い書籍ですが当時OrangeⅠ&Ⅱを解説した記事を書きましたので、もし古い書棚にでも本があればご参考ください。 /// 立東社 ロッキンf別冊 レコーディング百科 昭和58年発行 より一部を引用掲載 /// /// 立東社 ロッキンf別冊 エフェクター百科 昭和58年発行 より一部を引用掲載 /// そしてここに出品している3号機となるOrange-98は、当時NECから発売された16bitパソコンのPC9801Fを使い、 アナログ音の入出力回路とサンプリング音を格納するメモリー回路を、PC9801用拡張ボードの2枚に納め、 音源コントロールやサンプリング操作はPC9801のMS-DOS上のソフトウェアで制御するシステムになっています。 /// 立東社 月刊「ロッキンf」より一部を引用掲載 発行年月は不明 /// Orange-98ではこれまでの単純なサンプラーではなく、波形の画像を確認しながら編集し、シーケンサーによる CV/GATEの信号で音程もコントロールできるマシンとして製作しました。 現在なら誰も驚きませんが、海外の高額なフェアライトやシンクラビアを別にすれば、楽器としてその機能と性能 を有していたのはこのOrange-98が日本で最初であり、唯一のサンプリング楽器でした。 それまでのOrangeⅠ&Ⅱでは、キックやスネア等を録音する毎にアナログ音源をサンプリングして記録する必要が あり、それに録音現場で時間を費やしていましたが、Orange-98ではPCの操作では録音済みのデータをファイル から読み書きする事が出来るようになりました。 それで仕事の現場では「坂本龍一さん用DISK」「高橋幸宏さんDISK]「後藤次利さんDISK」など、アーティスト毎 に独自にサンプリングした音を管理し、必要に応じてDISKから読み込むだけで録音が出来るようになり、作業効率 が格段にスピーディーになりました。 今なら当然ですが、PCがスタジオに持ち込まれる事すら無かった1980年代には、それすら誰もが驚く進化でした。 実際にこのOrange-98を用いて、YMO関連の音楽制作だけでなく、J-POPや歌謡曲など1980年代の後半に流行った 誰でも知っているような楽曲が大量に録音されました。 ハードのスペック的には分解能12Bitで32Kバイトのメモリーにサンプル・データを記録するのですが、この当時は まだメモリーの容量が小さく、拡張ボード上に配置できる限界で決まったスペックでした。 メモリは16Bitのワード幅で設計してあったので、16BitのA/Dコンバーターに載せ替えれば簡単に16Bitの性能に 出来たのですが、当時は16BitのA/D変換のICチップ一個が数十万円もする高額なデバイスだたったので、数万円で 入手できた12BitのA/D変換チップで妥協したものです。 それでも当時の8Bit仕様のイミュレーターやリン・ドラム等と比べれば遙かに高音質だったので、坂本さんや 細野さんからも音質への不満の声は聞こえませんでした。 □□□ ここに出品するPC9801拡張ボードは、この時に私が最初に設計&製作したOraneg98のボード1号機そのものですが、 正確には私はOrange98を同じ仕様で2セット作りました。 当時まだサンプラーを製品として製造していなかった楽器メーカーのヤマハが、社内の研究用開発用の機材として Orange98が欲しいという相談があり、事務所が注文を請けてしまったので、まったく同じセットをもう一式作って それなりの金額で2号機を浜松のヤマハに納品しました。 2号機の納品の数年後にOrange98と同じファイル形式でサンプリング・データを記録する、ヤマハ初のサンプリング マシンが発売されたと記憶しています。 またその後、シンセサイザー・アーティストの冨田勲さんからもOrange98が欲しいとのご相談を頂きましたが、 当時の私は、ポリフォニックで演奏できる次なる進化バージョンを作ろうと、すでに設計を進めていたので、 もはや3台目の同じモデルを作るのには消極的で、失礼ながら富田さんのご要望にはお断りしてしまいました。 ■■ お送りする品ついて ■■ 雑誌の記事にあるように、このOrange98はNECのPC9801の拡張ボード上に製作しましたので、動作させるには まずはNECのPC-9801Fが必要となります。 当時はPC-9801Fが最新のPCでしたので、それ以降に発売された後継機種で動作するかは一切確認できていません。 記録メディアは、PC9801Fの標準仕様だった5インチ2DDのFDメディアに対応しています。 私が書いた専用のソフトウェアを動かすには、OSとしてPC9801用のMS-DOSが必要になります。 つまりこの拡張ボードだけでは、単なるデジタル機器のオブジェでしかありません。 実際にこのOrange98を最後に使ったのは1980年代の終わり頃までと思いますが、それ以降はPC9801Fを処分して しまったので、製作者の私も現状では動作確認することが出来ません。 正直なところ今の時代にOrange98を動かす為に、前世紀のPC環境を整えるのは現実的ではないでしょうが・・・ もはや公道を走る事も無いアンティークなクラシック・カーでも、自動車博物館では大切な歴史アイテムなように、 楽器としては実用性の無いOrange98ですが、YMOを始めとする1980年代のテクノポップ創世記の遺物としては、 その道のマニアの方にとっては博物館モノの価値があるのかも知れないと考えました。 出品者が20代の頃に製作した機器ですが、気が付けば私も還暦を迎え、断捨離を考える年齢になりました。 もしかしてこのOrange98を、YMO時代の歴史遺産として受け入れてくれる奇特な方が存在するかもしれないと思い、 ヤフオクに出品するものです。 本来ならもっと適した提案の場があるのかも知れませんが、出品者はWEBもブログもSNSもやっていないので、 唯一の公開の場となる、このヤフオクでの出品という方法をとらせていただきました。 □□□ 出品する品は2枚の拡張ボードと、これを動かすのに必要なソフトウェア、および残された一部のドキュメント資料 になります。 当時、私が書いたプログラムはMS-DOSのマクロ・アセンブラによるもので、ソース・ファイルも実行ファイルも、 一部のサンプル・データも保管用のHDDに残してありますが、PC9801の時代に使われていた5インチのFDDは もう手元にありませんので、CD-ROMかSDカード等の代替メディアに落としてお渡しする事になります。 CADも無かった時代なので手書きの汚れた回路図ですが、必要であれば添付いたします。 このOrange-98を現場で稼働したのは1980年代の後半頃が最後で、それからは実際にPC9801で動かした記憶はあり ませんので、30年以上が経過した現在、PC9801Fを準備すればあっさり動くという保証はまったくございません。 動作確認する手段がございませんので、それ以上の希望的な動作保証は出来ませんこと、ご理解の上で検討願います。 35年も昔に設計&製作した作品なので記憶も曖昧ですが、ご希望があればOrange98のシステムが起動できるように、 ヤフオクでのお取引完了後も、可能な限りに於いてアドバイスはさせていただきます。 以上、かなり特殊な出品物ですが、永年眠っていた機器が何方かの手に渡り、何らかのお役に立てれば幸いです。 |
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