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【プロ野球】

ヤクルト、10勝一番乗り 村上V弾 熊本へ届け

2019年4月15日 紙面から

巨人-ヤクルト 5回表無死、勝ち越しソロを放ち土橋コーチにタッチで迎えられる村上(右)=東京ドームで(七森祐也撮影)

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◇ヤクルト11-6巨人

 ヤクルトが今季最多17安打で両リーグ10勝一番乗り。6-6の5回に村上の3号ソロなどで3点を勝ち越し、7回に代打西田の適時二塁打、山田哲の適時打で2点を加えた。4回を抑えた五十嵐が2勝目。巨人は投手陣が崩れ3位転落。

      ◇

 若き大砲が故郷に届ける復興支援弾だ。ヤクルト・村上が6-6の5回、バックスクリーン右へ勝ち越しの3号ソロ。巨人2番手・宮国の141キロを豪快に振り抜き、序盤の大量リードを振り出しにされた予期せぬ展開を一変させた。

 そのアーチにはある思いが込められていた。この日で熊本地震発生からちょうど3年。熊本市出身で九州学院高2年だった村上は、野球部の練習後に自転車をこいでいた帰宅途中、激しい揺れを感じた。愛する故郷が甚大な被害…。練習は1カ月間、できなかった。

 「揺れの恐怖。生きている感謝の気持ちをものすごく感じる。いま野球ができる喜びを感じながら頑張りたい。少しでも被災した人たちに元気や勇気を与えられたら」

 いまもなお、傷痕が残る地元へ思いをはせた村上。野球で復興支援する誓いを新たにした。

 チームは巨人のお株を奪う17安打11得点の乱れ打ち。4カード連続勝ち越しを決め、両リーグ10勝一番乗りで首位をキープした。その勝利に村上は東京ドーム初アーチの千金弾で貢献。試合後は初体験のヒーローインタビューで、初々しさが残る19歳らしい笑顔を振りまいた。

 ただ、チームの結果については「全然僕のおかげじゃない。先輩たちが引っ張ってくれている」と謙虚な姿勢。全15試合の出場で打率1割台、守備に課題を残す2年目は「チームに迷惑をかけてばかり。結果を残さないといけない立場」とふんどしを締め直した。

 侍ジャパンデビューした3月のメキシコ戦をともに戦った巨人・岡本は若き4番としてチームをけん引。「僕もヤクルトの中心で(打線を)引っ張れるようになりたい」。目指すは燕の押しも押されもせぬ主砲。1発だけでは終わらせない。 (小林良二)

 

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