一面芸能大手、月500時間勤務も 違法残業、3社に是正勧告
上限を超える時間外労働(残業)をさせたなどとして、人気バンド「サザンオールスターズ」が所属する大手芸能事務所アミューズ(東京)や、お笑い芸人を多数抱える吉本興業と子会社(いずれも大阪)の東京事業所、人気グループ「EXILE」のLDH JAPAN(東京)が、労働基準監督署から相次ぎ是正勧告を受けていたことが、関係者への取材で分かった。月に五百時間働いた従業員もいた。 タレントら芸能人のスケジュールに合わせて仕事をするマネジャーやスタッフは長時間労働になりがちだとされる。芸能界を代表する大手事務所の違法事案が明らかになったことで、業界の過酷な労働実態やずさんな労務管理が浮き彫りになった形だ。 アミューズに対しては、渋谷労基署が二〇一三年八月、労使協定(三六協定)を届け出ず、従業員に残業させたとして是正勧告。昨年十月には、月に一日も休まず働いていた従業員がいたなどと認定し、勧告していた。 吉本興業と子会社には、新宿労基署が一二年三月、過労死ラインとされる月百時間の残業を超えた従業員がいたなどとして是正勧告。昨年八、九月には、就業規則を変更したのに労基署に届け出ていなかったり、休日勤務の割増賃金を十分払っていなかったりしたとして勧告した。 ◆働く人への意識希薄<労働問題に詳しい嶋崎量弁護士の話> 芸能界に労働法を順守する意識が欠如しているとうかがわれる。芸能人が労働者か個人事業主かは個別具体的に見ていく必要があるが、アイドルグループ「NGT48」のメンバー暴行事件への対応などを見ても、働く人への意識が希薄な業界だと感じる。芸能界は文句を言ったらやっていけないイメージが強い。芸能人にしてもマネジャーにしても、使用する側が意識改革しないといけない。働く側も、米ハリウッドのように組合を立ち上げるなど、声を上げられる環境をつくる必要がある。 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報
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