挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
失格紋の最強賢者 ~世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました~ 作者:進行諸島

第二章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
246/275

第244話 最強賢者、鍛錬をする


少ない魔力で魔法の威力が維持できるなら、今まで通りの魔力を使えば威力を上げることもできる。

だが威力を上げるより、消費魔力を削る方が練習には向いている。


魔力操作は慣れの部分が大きいので、回数を稼げる方が有利だしな。


「わ、分かりました!」


「……マティくんは、もう今の魔力を完全に扱えるの?」


「とりあえず、魔力回路の限界分くらいの性能は出せる。そこから先はこれからだな」


前世で俺は、これより格段に質のいい魔力をフルに活用していた。

だから慣れの部分は問題ない。


ルリイ達がやっているような、魔力操作に慣れるための練習は、俺には不要だ。

……だが、魔力回路の方は別だ。

今の俺の体では、この魔力を完全に扱いきれない。


扱う魔力の質が高くなると、体内の魔力回路にかかる負荷も増える。

今の俺の魔力を扱いきれる体を作るには、体内の魔力回路を鍛える必要があるだろう。


ルリイ達が魔力の扱いを練習している間に、俺も鍛錬をするか。



「えいっ! ……できました!」


「ボクも!」


二人は早速、コツを掴んだようだ。


どんどん魔法を発動して、そのたびに消費魔力は減っていく。

後は放っておいても、どんどんコツを掴んで魔力の生かし方を掴んでいくだろう。


「ワタシは、何をして待ってれば……?」


そんな二人を見ていると、イリスが話しかけてきた。


イリスも確かに、魔力を生かし切れてはいないのだが……イリスは、事情が特殊なんだよな。


別にイリスは、魔力操作ができないわけではない。昔はできたのだ。

だが魔力融合炉の誘爆に巻き込まれて、魔力回路が壊れてしまった。


竜の魔力回路は、簡単に修復できるような代物ではない。

人の姿になったところで、竜の姿で壊れた魔力回路は戻らない。


だから練習をしたところで、イリスはまともに魔力を扱えないのだ。

……まあ、20年もすればルリイの力で魔力回路を治せるだろうし、イリスにとって20年は別に長い時間ではない。

それまでは、まともな魔力制御をあきらめるしかないだろう。


とはいえ、イリスにも課題がある。


「イリスの場合、魔力回路が壊れてるから魔法制御をこれ以上鍛えるのは難しい。でも身のこなしは練習で鍛えられるから、そこの穴を飛び越す感じで反復横跳びしながら槍を振り回す練習をしよう」


そう言って俺は、地面の穴を指した。

俺が落ちた、手抜き工事の床が壊れてできた穴だ。


穴の直径は、5メートルほどだ。

イリスの脚力なら、このくらいは簡単に飛び越えられるだろう。


こういう地道な練習をする機会って、意外と少ないからな。

これはこれで、いい機会だ。


「分かりました!」


そう言ってイリスが、穴の上で反復横跳びを始めた。

やはり、このくらいの距離を跳び越えるのは楽勝のようだ。


だが、槍を振ろうとした瞬間……。


「あっ!」


イリスが床を踏み外し、穴の中へと落ちた。

だがモンスターハウスの魔力はさっき使い果たされているので、魔物は出てこない。


「む、難しいです……」


そう言ってイリスが、ジャンプして穴の上へと戻ってくる。

それからすぐに、イリスは練習を再開した。


「あう!」


何度も落ちながらも、イリスはそのたびに穴から上がってきて練習を続けているようだ。

イリスはああ見えて、意外と根気がある。

……数千年単位で生きてきた竜なので、時間感覚が違うのかもしれないが。


★『異世界賢者の転生無双』公式ページはここをクリック★

『異世界賢者の転生無双』書籍版出ます!!

拙作『異世界賢者の転生無双』の書籍版が、【4月14日】に発売します!!

書き下ろしもありますので、よろしくお願いします!

★『異世界賢者の転生無双』公式ページはここをクリック★

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。