ちょっとぶりの記事が雑感で恐縮なんだけど、
新紙幣にしたら40兆円ともいわれるタンス預金が炙り出され、経済効果があるとかいう見当外れな報道をちょくちょく見掛ける。そもそもタンス預金にしている理由としては預金金利が低いことが主たる理由で、将来不安や投資におっくうな手堅い人たちの手堅い考えの結果なわけでしょう?
永遠の失敗・黒田日銀
日銀も意味不明ですよね。タンス預金の拡大は、日銀が頑迷にマイナス金利政策を採用している事が大きく関係していて、イールドカーブのスティープ化を許さない政策を採っているからですよね。それだったら長国債を売却してしまって目標金利を高くすれば銀行収益も上がるしタンスから金融機関へ家計資金の移動も発生するんだけど、イールドカーブを平らにしっぱなしで、ここ3年間だっけ?その効果を検証しているんですかね?
まぁ知っている人は知っていると思うんだけど、マイナス金利をスタートさせたときの本筋は市中のマネー量を増加させるためではなく(それはあくまで建前)、円安にもっていく事だったんだけど、それも米国債利回りの急激な下方パラレルシフトによるドル下落によって大失敗(円安のつもりがドル安によって円高になった)。
1月下旬から2月2週というのは米市場にとってナイーブな時期であり、このアノマリーを知っていれば、こんな時期にこんな政策を実施する事は稚拙過ぎた。多少円高を食い止めたとも思わない。なぜなら米国のボラティリティというのは、短期金融市場であっても数10bpsであり、日本のそれとは顕著に大きさが違う。日銀にマーケットの地合いを知っている人間がいるのか大いに懸念され、それは今後もそうだ。(別に今になって言っているわけではなく当時から言っていた)
日銀のやることなす事、本当に失敗だらけなわけです。緩和といわれる政策に憑依され、柔軟さに著しく欠けている。マイナス金利の弊害が数年にわたって顕著なわけだから長いところだけでも市場に任せればいいと思うんだけど、こんな政策続けて本当に物価が上がるとか思っているんですかね?この政策で物価上昇が実らない事は過去6年間でもう明らかとなっている。
株式市場にしても政権への忖度ETF買い入れで新規のマネーは入ってこないばかりか海外におもちゃにされて個人は逃げていくばかり。現状、株価が首相の通信簿なんてもう誰もそんなこと思っていないのにね。
インフレマインドを高める的な事を以前は言っていたんだけど、こんなの(マイナス金利政策)続けているから逆にタンス預金に代表されるようにデフレマインドを助長しているだけなんだけど、気付かないんだろうか?
で、タンス預金的な人たちなんだけど、新紙幣が発行されたとしても旧札をそれに替えて預金せずに投資もせずに消費もせずに、またタンス、といったところで経済効果なんかある訳ないんだけどいろんな評論家がウンチク垂れて何か言ってますよね?隠し資産を炙り出して課税する?さぁ? 増税の話もでてくるけど経済成長どころかとどめを刺すんでしょうね。そもそもの話として景気を走らせるのと財政規律を同時に論じる事がおかしいわけです。昔から言ってるけど。この国には米国で発動されたような金融緩和(この場合はQE2)と大減税という拡張的ポリシーミックスという概念が皆無である。
さいきんは金融市場の大きな材料よりもこのような与太話、とまではいわないがこのような話ばかりで特に書く事も無い。ただ、イールドカーブに関しては現時点においても部分的には反転を起こしており、それでいてしかし、短期金融市場は下限レベルからやや浮上している。よってドル円112円に到達しているが、何らかの事変が発生しない限り、110円はすこぶる遠くなった。
カルロスゴーン氏の件について
カルロスゴーン氏の件にしても適当な金額をいかにも流用して日産に実損を与えたみたくなっているけど、あれは検察が裁判所に正式に主張しているものではなく、あくまで推測(若しくはでっち上げ)でメディアを経由して世論誘導のために垂れ流しているだけであって(守秘義務・国家公務員法違反)、一般視聴者は何だかんだで「還流資金」とか具体的な金額(これも事実ではない)を報じられると信じやすいから「けしからん」、となる。
当時、当ブログでは「検察がこんなザルだらけの逮捕でなぜ強気でいられるか?裏には日本政府がついており首相・副首相が当件について一言も発しないのは不自然極まりなく、背後関係がイマイチわからない」、としていたが(消してしまったが逮捕直後の記事)、今となっては政権から梯子を外された検察が損な役割をさせられているように見える。世界中から非難ゴーゴーで勝てっこない、しかし政権からの指導、または政権への人事忖度によって後には引けない状況で、僅かながらではあるが同情も感じる。
当件はずっと追っているが、最初からの主張と変わらず彼(カルロスゴーン)は尊敬されるべき偉大な人物であり、潔癖なリーガルである事が一層それを際立たせている。還流資金なんていうと普通の人は怪しい、となるがそれがそのまま会社に実損を与えた事には結び付かない。
当時お伝えしたように、ゴーン氏が日銀の中にいる人(元新生銀行)からそそのかされたクーポンスワップの相対取引は、話を聞いた時は2007年の上半期かと思っていた。リーマン後に損失が発生した際(2008年10月)には容赦なく追証を求められ日産への付け替えもそそのかされたが、証券取引等監視委から是正された。新生銀行は取引の際、商品設計の詳細や不確実性リスクの説明責任を果たしていたのか甚だ疑問で、尋問を受けなくてはならない立場にも関わらず地上波では名を出す事すら完全タブーとなっており、実質上雲隠れとなっている。(日銀の中にはいるが)
カルロスゴーン氏を日本特有、異質な人質司法で何度勾留したところで自白は得られないことを検察は承知しており、不当な手段によってゴーン夫人から崩そうとしているが、ゴーン氏が契約したNYのローファームや国際的人権団体からの圧力が強く東京地裁も板挟みのような状態になっている事が伝わってくる。
日本経済に「多大過ぎる功績」を残し、これほど偉大な人物を物的な証拠もなくただのメディア戦略の印象操作によって吊るし上げようとする時代遅れの手法は通じなくなっているが、当件に関し最も滑稽なのはNHK、朝日、フジテレビはじめとする日本の民放各局でインターネットで事実が確認できるにも関わらず、何十年経っても変わらない国民洗脳の手法である。
テレビ離れを率先しているのは自らの稚拙すぎる報道姿勢にあり、そのような世間とのギャップを自覚しなくては将来(今も?)はないものと思われる。それだけ今回の報道姿勢は酷すぎる。「TVでいえば世論誘導できる」といった昭和感覚の驕りが残っており、民放各局は、古めかしく世間ズレした浦島太郎であることを自覚しなくてはならない。
日本は残念ながら、当件によって他先進諸国から大いに軽蔑・異質な目でみられることになった。日本に対する見方は大きく変わった事だろう。
逮捕されるべきは第3四半期有報に92億円のゴーン氏への支払いを計上し、背任の疑いが濃厚な現社長、西川氏であることに間違いない。
彼は「自身の保身のため」後先考えずの一括計上に至ったわけだが、日産の事ではなく自らの保身しか考えていない。今回の事件に関し、そもそもの発端は売上低迷でゴーン氏から社長職解任通告を嗅ぎつけた西川氏からの陰謀が起因している。
西川氏自身のごく個人的な理由から日産はこのような状態になった。
ルノーとの吸収合併がどうの、というのは自己正当化の建前にすぎない。仮に彼が社長職に居座り続けるというのであればこの会社はどうなるのだろうか。既に陰りは見えている。ゴーン氏がビデオメッセージで危惧していたとおりで、だからこそ彼(ゴーン氏)はリーダーシップを発揮せずにはいられなかった。(というのが自分の見通し)
FRBのQTについて
で、話がとぶようだけどロイターのFRB記事にもいい加減な記事があった。本当はそれを最初に書くつもりだったけど、以下ユダヤ新聞から。
FRB資産圧縮、見え隠れする「腫れ物に触る」慎重さ (2019年4月12日 / 13:06 /森佳子)
>しかし、実際のデータを見ると、FRBが市場の顔色をうかがいつつ、膨張したバランスシート(B/S)を慎重に巻き戻していることが分かる。
別に。2017年初頭から現在において資産圧縮のペースは変わらず、ここにきて慎重に、という事は無い。実際のデータって直近しか見ていないんでしょうね。
>FRBのB/Sは10日時点で3.94兆ドルと、年初1月3日の4.06兆ドルから緩やかに減少している。
FRBの総資産は10日時点で3.936784兆ドルと、年初1月2日の4.058378兆ドルから減少しているが、これは2017年初頭からほぼ同じペース。著者が言いたげな「ここにきて慎重」になったわけではない。(が正確な記述、少なくともこの記者よりは)
まっ今日は暇つぶしですよ。不満が溜まっているのでストレス解消?ウーン、若干そうかも。また更新します。
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