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【首都スポ】

[高校ラグビー]桐蔭学園が春3連覇! 2年生FW佐藤&青木猛進、さあ次は花園Vだ

2019年4月13日 紙面から

 桐蔭学園がFW勝負で春3連覇! ラグビーの第20回全国高校選抜大会は7日、桐蔭学園(神奈川)が3年連続3度目の優勝を飾って幕を閉じた。準々決勝で強敵・東福岡から67点を奪うと、準決勝の京都成章戦では残り0分に6点差をひっくり返し、決勝も御所実(奈良)に14点を先行されながら逆転勝ちする劇的な3連覇だった。西高東低がささやかれる高校ラグビーで東の孤塁を守った桐蔭学園。春冬完全制覇の野望へ、今季のエースは突破力抜群の2年生FWコンビだ! (文・写真=大友信彦)

◆魅惑のランナー・佐藤

桐蔭学園のナンバー8佐藤はパワフルな突破が魅力だ(決勝の御所実戦で)=熊谷ラグビー場で

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 桜の舞う春の熊谷で、濃紺のジャージーがミラクル進撃をみせた。

 準々決勝では、大会最多5回の優勝を誇る東福岡に67-21と圧勝。準決勝では近畿王者の京都成章に終始リードされながら、6点を追う後半ロスタイムに見事なトライ&ゴールで、21-20で劇的な逆転サヨナラ勝ち。そして決勝は、御所実に14点を先行されながら粘り強く反撃し、こちらも29-19の逆転勝ちだ。

 頼もしかったのはFWだ。桐蔭学園といえば、看板は展開ラグビー。花園で初優勝を飾った10年度は、のちの日本代表FB松島幸太朗(サントリー)、WTB竹中祥(NEC)、SO小倉順平(NTTコミュニケーションズ)らBK陣が縦横無尽に走り回りトライの山を築いた。だが今回は、FWがトライを量産。ライバル東福岡を蹴散らした準々決勝では、チームの10トライのうち7本をFWが、大逆転した御所実との決勝では後半の3トライすべてをFWが決めてみせた。

 中でも大暴れしたのがナンバー8佐藤健次(2年)だ。3カ月前の全国高校ラグビー大会(花園)で、1年生ながら突破役としてビッグゲインを繰り返した魅惑のランナーは、2年生になってさらにスケールアップ。相手タックルを弾き飛ばす腰の強いランニングで、東福岡戦の3トライなど、大会を通じてチーム最多の6トライを挙げる活躍だ。

 「相手から“サトケン見たぞ”という声が何度も聞こえました。そんな名前で呼ばれたことがなかったので、変な感じでした」と笑いながら「自分で行くだけでなく、周りも生かせるプレーを心掛けています」と、完全マークも歓迎という口ぶりだ。

 ラグビーを始めたのは幼稚園の年中組のとき。当時は群馬県に住んでいて、高崎ラグビークラブに通い始めた。

 「初めて行ったとき、すごくほめてもらったそうなんです。覚えてないけど(笑)。ただ『いつも楽しそうにラグビーしてるね』と言われたのは覚えてます。今も、試合に出るときもいつも楽しむことを心掛けてます」

◆巨漢が蹴散らす・青木

相手タックルを飛び越える桐蔭学園の2年生ロック青木(準々決勝の東福岡戦で)=熊谷ラグビー場で

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 その佐藤に負けない存在感を見せたのが、同じ2年生のロック青木恵斗だ。1次リーグの大分東明戦では、5点を先行されたあとで同点&逆転トライを連発。東福岡との準々決勝でも、相手タックルを蹴散らす豪快トライを決めた。

 「自分の強みはタテにゲインできるところ。東福岡という強い相手にどこまで通用するかと思ったけど、タックルはガンガン来たけど、前に出られたのでよかった」

 先発メンバー最重量105キロの巨漢。意識しているのは、タックルされても足を振り上げて外し、前進することだ。

 「練習前、試合前のアップでは、腕立て伏せの姿勢で足を片方ずつ、横に大きく動かしてイメージトレーニングしています」

 3カ月前の全国大会ではメンバー外。スタンドから、同期で唯一スタメン入りした佐藤の活躍を見ているだけだった。

 「ケンジが活躍したのはうれしかったけど、自分も試合に出たいという思いが強くなりました。スイッチが入りましたね。それからは朝練、居残り練習も納得するまでやるようになりました。同級生に負けたくないし」

 ライバル意識がそれぞれを成長させる。青木は準決勝と決勝でもフル出場。トライこそなかったが、パワフルな突進でチームを前に出した。佐藤も徹底マークにあいながら、隙あらばゲイン。御所実との決勝では終了直前にダメ押しトライを決めた。

 今季は春の選抜、冬の花園のみならず、5月のサニックスワールドユース、7月の全国セブンズも含めた4冠制覇を目標に掲げる桐蔭学園。FWの2年生コンビが、栄光のシーズンへとチームを引っ張る!

<佐藤健次(さとう・けんじ)> 2003(平成15)年1月4日、横浜市生まれの16歳。177センチ、93キロ。ナンバー8。3歳で群馬県に転居。幼稚園年中組のとき高崎ラグビークラブでラグビーを始める。中学で横浜に戻り横浜ラグビースクールへ。同市立小田中から桐蔭学園に進学。1年でレギュラーとなり、花園で活躍した。

<青木恵斗(あおき・けいと)> 2002(平成14)年6月14日生まれ、神奈川県藤沢市出身の16歳。186センチ、105キロ。ロック。小学1年のとき藤沢ラグビースクールでラグビーを始める。藤沢市立高浜中から桐蔭学園に進学。

選抜大会3連覇を飾った桐蔭学園フィフティーン=熊谷ラグビー場で

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