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★★ペンタゴンがF-35性能に厳しい評価を下している F-35Bは大幅に耐用年数が短いと判明

The Pentagon's newest assessment of the F-35 is in, and it's not good ペンタゴンによるF-35最新評価は芳しくない内容
Jared Keller,


A formation of F-35A Lightning IIs, from the 388th and 419th Fighter Wings, fly over the Utah Test and Training Range as part of a combat power exercise on Nov. 19, 2018.ユタテスト訓練場上空を388戦闘飛行隊、419戦闘飛行隊所属の機体が飛ぶ。2018年11月19日の戦闘力実証演習にて。U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Andrew Lee


  • 国防総省によるF-35ライトニングII共用打撃戦闘機の評価内容をBloomberg Newsが入手。予算大幅超過しながらトラブル続きとの評価を大幅に変える内容ではない。
  • 評価で取り上げた問題には耐用年数が予想より短くなること、対地攻撃精度が低いことなどが含まれる。
  • 国長官代行は同機に対して厳しい目を向けている
突出するほど高額でありながら信頼性が低迷するF-35共用打撃戦闘機は予想以上の失望対象だとの国防総省評価内容をBloomberg Newsが入手した。
2018年作成のペンタゴン内運用テスト評価部門の報告書を公表にさきがけBloombergが入手したもので信頼性問題のため耐用年数が大幅に短くなる等を指摘し、既存機体の訓練や戦闘任務で「改善の方向は見えない」としつつ今後も問題が残ったままの機体になる危険に触れている。
Bloomberg記事は以下のポイントを伝えている。
  • F-35Bの耐用期間は「最低2,100時間」とこれまでの説明の8千時間から大幅に短くなる
  • 「信頼性と整備性は想定の8割で未達」とあり、訓練等に利用できる機体は少なく、稼働状況が悪い
  • サイバーセキュリティ・テストで露呈した弱点が「未だに解決されておらず」サイバー攻撃の高まりのなか懸念される。
  • 空軍の兵装テストで対地攻撃を試みたが精度は「不合格」で1月はじめにF-35Aが地上標的5点を同時攻撃するビデオを何者かが意図的にリークした背景がわかる。
前日に国防長官代行パトリック・シャナハンがF-35には「もっと高い性能発揮の可能性がある」と同機の弱点を厳しく批判する場面があった。
「納税者に対して見合った装備なのか疑う見方をしている」とシャナハンは1月29日述べ、「F-35にはもっと高い性能を示してもらいたい」
これに対してロッキード・マーティンのCEOは反論として投資機関向け電話説明で「F-15を発注してもF-35の導入機数を犠牲にすることはない」と述べたとワシントン・ポストが伝えている。「ペンタゴン上層部からこのことは直接聞いた。よってこの件について心配はない」
F-35事業は55年間供用想定で総額1.5兆ドルとなり、機体単価は2020年までに80百万ドルになる見込み。■
Read the original article on Task & Purpose. Copyright 2019. Follow Task & Purpose on Twitter.
こういう記事をご紹介するので当方はF-35に批判的とされるのでしょうね。しかし、本家本元のペンタゴンでこういう評価が出ているのは事実。情報が開かれている米国ではやはり納税者の視点が怖いのでしょうね。

コメント

  1. ぼたんのちから2019年2月2日 10:14

    記事に記載されている問題点を考えてみましょう。
    ① F-35B耐用期間:F-35A及びCとは書いていないのでF-35B単独の問題。機体他が問題でなく、おそらくエンジンの問題と推定。中国並みのエンジン耐用性は問題ですが、改善可能でしょう
    ② 稼働状況:前からの問題であり、約50%程度の稼働率の低さは大きな問題。どの位改善できるかが課題
    ③ サイバーセキュリティ、及び対地攻撃精度:これらは今後改善されるでしょう
    このように考えると、この記事であげられた現在の問題点は総じて改善可能です。
    F-35の問題の核心は別のところにあります。それはステルス破りの問題で、そう遠くない将来、レーダーやセンサーの発展によりステルス機といえども探知され易くなると推定することです。このような状況でどのように敵地に侵攻し、任務を果たすことができるかが米空軍の悩ましいところと推考します。
    敵地に侵入し、濃密な探知網を避けながらの目標の破壊は、ステルス機の主要任務から外される可能性さえあると考えます。
    そうなるとF-35は、攻撃よりも自国の制空により役立つことになり、皮肉なことに日本にあった機体になるでしょう。

    返信削除
  2. Bloombergの記事は、反F-35になるように摘まんでいるのを感じます。ボーイングよりなのかな?
    F-35Bに関しては、ロット9以降で改修されており、その評価は完了してないと報告されているようです。ロット9以前に改修を適用するのは結構大事で、大規模改修でお金がかかるんですけども。
    稼働についても2Bの機体は4割以下と以前から言われていて、今後、3Fに改修されれば、これも改善されると考えられます。運用費もF-15E並みまでは下がってきているみたいですし。
    サイバーセキュリティに関しては、機体の問題ではなく補給システムのALISのセキュリティ問題で、以前発見されたセキュリティホールの一部が3.0.1でまだ改善されていなかったとの報告とTESTの充実の提言のようです。ここまで世界規模のサプライチェーンのソフトだと開発は大変そうで、今後もセキュリティアップデートはいたちごっこのような気がします。
    兵装問題もF-35Aの内臓GUN問題のようです。対地攻撃全部が駄目なような書き方はずるいかな。まあ、この内臓GUNがずれる件は長引いていて、問題ですが。
    あと、シャラハンの発言は、ボーイングの役員であると言うのも割引いてみる必要があるかと思います。ホーネット追加やF-15Xなど、利害関係バリバリですからね。
    F-35は今後ですとブロック4開発費がどんぶり勘定で総額が見えないのと、3F以前の機体の改修費の捻出というお金問題が大きいと思います。
    特に2Bの機体改修はソフト書換だけですまないので、結構、お金が掛かりそう。
    ただブロック4が適用できるとかなり強力になるんですよね。内臓AMRAAMも6発になるし、やっと対艦ミサイルも運用できて、ミーティアとAAM-4Bを合体させたような日英共同開発のJNAAMが使用出来るようになるはずなんですよね。まだ、JNAAM自体も開発中ですけども。
    ここまで何とかたどり着いてほしいものです。

    返信削除
  3. この手の醜聞は今まで何度も出てきてますが、殆どが『こんな記事がありました!F-35はやっぱりダメなんだ!!』ってぶち上げて・・・終わり、続報なし、ってパターンが多いです。
    今まで出てきた不具合やら欠陥やらを総合し、それが改善されたって話が出てこないのを本気で受け取るとかなり凄い事になるんですが、その割に生産は順調に進んでるしアメリカ以外の導入各国からも何の不満も疑念も出てこない・・・不思議ですねぇ(棒
    それにしても寿命2100時間はやり過ぎでしょう。
    これだと10年もつかどうか、もしも事実だったら今頃イギリス軍やイタリア軍はパニックですよ。

    >こういう記事をご紹介するので当方はF-35に批判的とされるのでしょうね。

    いや、F-35に疑念・不満がある旨を御自信で何度もコメントされてますよ?

    返信削除
  4. シャナハンの出自を考えればF-35には評価が辛くなるのは当然では?

    返信削除

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