pixivは2018年5月16日付けでプライバシーポリシーを改定します。内容が以前よりも明確になり、EU(欧州連合)の新しいプライバシー保護法にも対応します。

詳細

ちょっと入力するだけ! 簡単!

pixiv新規登録(無料)

他にも便利な機能がいっぱい!

pixivへようこそ

この作品 「アナザーイーバー」 は「キズナイーバー」「てんちど」等のタグがつけられた作品です。

キズナイーバー、から

hiro_week_1

アナザーイーバー

hiro_week_1

2017年5月23日 15:56
大学1年生

2年前、キズナ実験に関わった8人のうち、女子4人は偶然にも同じ大学に進学した。
出身高校の名前で、周りの人はみんな2年前の事件のことを聞いてくる。
キズナ実験のことではない。同級生の男子生徒4人と教師1人が2日間で立て続けに死亡する奇妙な事件のことを。

・・・
キズナ実験から数週間が経った、ある雨の日。
授業を終え、天河一と高城千鳥が一緒に帰宅しようとしていた。
教室の傘立てから傘を取る。

「帰るぞ。」

「ん?元気ないな。 やっぱり俺じゃ不満か? まだ勝平のことが・・・」

「ううん、かっちょんのことはもういいの。私には天河君がいるから、かなわない恋のことなんかもう忘れた。」

そう、私はかっちゃんのことはもう忘れた。すべてを忘れて、天河君と付き合っている。

「それより、新山さんのこと。」

「私、ここ数週間新山さんにまったく口を利いてもらえなくなったんだよね。」

「それ俺もだ。仁子に避けられてる気がする。一体何があったんだ?」

「私は避けられてるどころかシカトされてるよ。 多分、私が天河君を取っちゃったから恨んでるんだと思う。」

「つまり俺も千鳥と付き合うことにしたから、あいつ怒っちゃったのかな。そういう奴じゃないと思ったけど。」

そんな話をしながら、天河が階段を降りようとしたそのときだった。
階段から足を踏み外し、階段の下まで真っ逆さま。
さらに持っていた傘が天河の手を離れると一回転し、天河が転落する場所に尖ったほうを上向きにして落ちていた。
傘は天河の喉を突き破り、階段の下は血の海になっていた。

「キャーーーー!」

学校中に千鳥の悲鳴が聞こえた。
天河はまもなく病院に運ばれたが即死。さらにそれを目撃した千鳥は気分を悪くして気絶し、保健室に運ばれた。


・・・
同じ日、自宅マンションに帰宅した阿形勝平。
マンションのエレベーターを降りようとすると、扉が開いた状態で突然エレベーターが急上昇。
エレベータの床部分とエレベータ入り口の天井に挟まれ、体が真っ二つに割れて死亡した。
エレベーターは血の海になっていた。

この事故でエレベーターは1ヶ月間運転停止となった。


・・・
翌日の朝、由多次人と牧穂乃香の登校中。
恋人となった2人だが、昨日同級生が2人も死亡したため、いつものような会話はなく、無言の登校。

そのとき、由多次人は日染芳春と思われる人影を発見した

「お、日染じゃねえか・・・。」

飛び出していった由多は勢い余って道路上に転倒。
そこを猛スピードで走ってきた自動車に轢かれた。

「キャーーーー!」

穂乃香の悲鳴が響き渡った。すぐに由多は病院に運ばれたが死亡していた。


その日の朝のホームルーム。担任の山田先生からの知らせ

「多分もう聞いたと思うが、昨日の放課後、天河一の阿形勝平が亡くなった。天河は階段から足を踏み外して転落、阿形は自宅マンションのエレベーターの事故だ。」

「さらに今朝、由多次人と日染芳春が事故で亡くなったというニュースが入った。」

「日染も!?」

日染はその日の朝、駅のホームから転落し電車に轢かれたとのことだった。

穂乃果はそのとき、鞄の中に不審感を覚えた。
山田が鞄を開けるとそこには・・・

「このことはお前らの問題だ。こうなってしまった以上、何をやっても無駄。というか俺にはわからない・・・わからない・・・わからない・・・。」

山田はナイフを取り出し、奇声をあげながら自分の喉に刺した。
血が教室中に飛び散り、生徒の制服にもかかった。 学校中に悲鳴が響いた。

まもなく隣のクラスの担任が駆けつけて

「みんな外へ出なさい。大至急、警察と救急を!」


・・・
「勝平君、天河君、由他君、日染君、2日間でこのクラスの生徒4人が立て続けに事故で死んで、さらに山田先生が自殺。」

「4人とも今回のキズナ実験の被験者。そして先生はそれを指揮していた人。何かのたたりなのかな?」

「ということは近々、今度は私か高城さんか新山さんも何らかの形で命を落とすかもしれないわね。」

「は!・・・」

「園崎さん、一体どういうことなの?」

「言いがかりです。私は何も知りません。」

「仁子も何か喋ったらどうなの? こんな一大事なのに、無表情なんて。」

「ただの事故が偶然重なっただけでしょ。そんなたたりだなんて・・・」

「根拠はないけど、気持ち悪いじゃない・・・」

そう考えるのは当然なのかもしれない。
しかし結果的に死んだのは男子生徒4人と教師1人だけで終わり、残りの私たちが死ぬことはなかった。

仁子はこの事態をどこか他人事のようにとらえていた。
今までの仁子だったらもっと悲しんでただろう。
だが今の仁子には、同級生と担任の先生、5人も死んだっていうのに、どう悲しめばいいのかわからない、むしろなぜかスカッとした気分であった。

─たたりでも呪いでもない。みんな当然の報いを受けただけだよ。

その5人は酷いことをしたから報いを受けた。仁子には関係ないこと。


・・・
この事件は日本全国でニュースになった。
同級生の男子生徒4人と教師1人が立て続けに死亡する、不可解で奇妙な事件。
だが結果的にすべて事故と自殺で処理され、それ以上のものを裏付ける証拠などなかった。

「例の事件のこと、新山さんも話したくないのかな?」

「別に、仁子はそこまでは思ってないよ。でも高城さんや牧さんや園崎さんは忘れたいだろうね。3人は恋人が死んだんだから、悲しくて当然だろうね。」

そう、恋人がいない仁子には関係ないこと。

「なんなら仁子が話してあげるよ。まあほとんどニュースで報道されたことだけど。」

邪魔な男子がいなくなって平和になった。
男子がいなくなったおかげで、私たちは再びキズナ実験の前のような仲の良い日常を取り戻した。
フィードバックを送る