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F35A墜落事故が示す日本の安全保障の落とし穴

F35頼りの防空体制は危険。機種は最低3種類が望ましい

高橋 浩祐 国際ジャーナリスト

戦闘機が「4機種」体制から「2機種」体制へ?

 F4は2020年度に全機退役する予定だ。

 F15は近代化改修に適さない99機と、近代化改修で寿命を延長させた102機に分かれる。前者は2020年代後半に退役時期を迎えることから改修せず、F35が代替していく。後者も2030年代後半から2040年ごろまでに退役の時期を迎えるとみられる。一方、F2の退役と減勢は2035年ころから始まる見込みだ。防衛省はこれに合わせて、F2の後継機となる第6世代の新戦闘機F3の配備もそのころまでには開始したい意向だ。

 このようにみていくと、現在はF4、F15、F2、F35Aの4機種体制が、2030年代後半以降はF35とF3の2機種体制になりかねない。F2の寿命が仮に2050年ごろまで持ったとしても、空自としては次世代の技術が駆使された戦闘機を揃(そろ)えて、中国やロシアの戦闘機に対峙(たいじ)していきたいところだろう。近年の急速な技術の進展を踏まえると、対地攻撃、対艦攻撃能力を持つF2の性能も陳腐化する恐れがあるからだ。

リスクが高まる2機種体制

航空自衛隊三沢基地に到着したF35A戦闘機の配備初号機=2018年1月26日、青森県三沢市拡大航空自衛隊三沢基地に到着したF35A戦闘機の配備初号機=2018年1月26日、青森県三沢市
 F35はこれまでの戦闘機にない数々のハイテクセンサーを装備し、高度なソフトウエアを搭載する空飛ぶコンピューターでもある。

 将来F35とF3の2機種体制になった場合、ソフトウエアにバグが見つかったり、原因不明の墜落事故を起こしたりして、両機が同時に「飛行停止措置」になったら、運用可能な戦闘機がなくなってしまうリスクがある。実際、2007年には一時的とはいえ、F15とF2が同時に飛行停止となり、老朽化したF4のみが日本の空を守る事態に陥ったこともある。この時はまだ3機種体制だから助かったが、2機種体制ならさらにリスクが高まる。

 安倍首相は105機の追加購入を決めた際、こうした事態を想定していただろうか。2機種体制に陥る危うさを考えるより、 ・・・ログインして読む
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筆者

高橋 浩祐

高橋 浩祐(たかはし・こうすけ) 国際ジャーナリスト

英国の軍事専門誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」東京特派員。1993年3月慶応大学経済学部卒、2003年12月米国コロンビア大学大学院でジャーナリズム、国際関係公共政策の修士号取得。ハフィントンポスト日本版編集長や日経CNBCコメンテーターを歴任。朝日新聞社、ブルームバーグ・ニューズ、 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、ロイター通信で記者や編集者を務める。

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