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夢学級 〜ゼンセノキオク〜 作者:地狐
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0. プロローグ

!Warning(作者からの注意書き(前置き))!

 作者の文才が(元から)ない為更新が遅くなったり異常な程読みづらい文章になっている場合があります。

それでも良い、という寛容な方は是非読んでみて下さい。

 では、皆様の暇潰しになる事を願って前置きを閉じさせて頂きます。

 

 皆は、「異世界に転生したい」と思った事はあるだろうか。

 俺、飯ヶ咲(いいがさき)(りゅう)は思った事がある。むしろ、常日頃から思っていたと言っても良い。

 俺は、運悪くブラック企業に入社してしまい、毎日毎日自我すらも崩壊してしまいそうな生活を送ってきた。

 いや、この場合は生活と言うよりも毎日同じ事しかしていない様な気がするから、作業とでも呼んだ方がこの場合には合っているのかもしれない。

「気がする」の部分がおかしいだって? ……はは。確かに、もうとっくに気が狂っているのかもしれないな。

 まぁ、今はそんな事はどうでも良い。俺はそんな希望も、もはや絶望すらも存在しない作業の中で、雀の涙ほどの給料と空き時間を使ってまでのめり込んだものが一つだけあった。

 それは異世界転生ものの読み物を読む事だ。

 読み物ならばゲームと違って種類が豊富で、電子版であるならばほぼ読み放題とも言えるからなお良いものだ。

 そうやって異世界転生ものの読み物を読み漁る内に、いつしかそんな異世界空間での生活に強い憧れと羨望の気持ちを抱いていた。

 そして――

 気付けば俺は橋から飛び降りていた。

 全くと言っても良いほどの無意識だった。

 はっとした時に視界に飛び込んできたのは暗く濁った水だった。それが見えた同時に足元の方からは誰かの甲高い悲鳴が聞こえた様な気がした。

 だが、もうその時にはそんな事などどうでも良かった。

 楽しんでいた。空を飛んでいると一度思ってしまうと、楽しくてたまらなかった。

「生きてる――」

 幼い頃に一度体感して以来の、何年振りかはもう分からない感情を、この時だけははっきりと感じ取ることができた。

 そして、その瞬間だけ、その一時だけは時間が永遠のものに感じられた。それは普段絶対にあり得ない事だが確実に、そして確信的に感じられたものだった。この状況を無限に楽しめるとまで錯覚した。

 だが、当然――そんな事なんてある訳が無かった。所詮は泡沫(うたかた)だった。

 (なが)く短い時間が過ぎると、俺の身体と意識は暗く、冷たく、深い水の中へと沈んでいった――。

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