「結婚式の近くでお姫様のコスプレするな。私が主役なのに目障りだ」実際には、書いていないこうした内容をツイートしたかのような記事をネット上に掲載されたなどとして、20代の女性らがサイトの運営側に損害賠償を求める訴えを起こした。
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「結婚式の近くでお姫様のコスプレするな。私が主役なのに目障りだ」。実際には書いていないこうした内容をツイートしたかのような記事をネット上に掲載されたなどとして、20代の女性らがサイトの運営側に損害賠償を求める訴えを起こした。
◆取材は一切なく…記事掲載で保育園に非難相次ぐ
沖縄・宜野湾市にある緑ヶ丘保育園。園長が、怒っていた。
緑ヶ丘保育園 神谷武宏園長「こういうふうに『園側の自作自演』って言われると、『園長がやった』って言われると、本当にたまらないですね」
園長が怒る理由は、あるサイトに掲載された記事。
──保育園に落ちた米軍ヘリの落下物、自作自演疑惑が浮上
保育園では2017年、アメリカ軍のヘリコプターの部品が屋根に落下する事故が起きた。原因はいまも調査中だが、記事は、保育園側が仕掛けたものではないかと疑いをかけるような内容だった。
しかし、園長にはサイトからの取材は一切なかったという。
緑ヶ丘保育園 神谷武宏園長「(サイトから取材は)ないですよ。聞いたことがない」
保育園には自作自演を非難する電話やメールが相次いだ。
◆「集団リンチを見せて見物料を取るのと同じ」
記事を載せた「ネットギーク」は、SNS上の話題などをまとめているサイトだ。このネットギークをめぐり、8日、新たな動きがあった。
ネットギークを訴えた男性「これでお金を稼ぐということは、正直に言って、集団リンチを見せて見物料を取っているということと同じなので、これは放っておいてはいけないのではないかと」
大学教授ら5人が、自らのSNSに書いたことと異なる内容の記事で名誉を傷つけられたなどとして、ネットギーク側に損害賠償を求める訴えを起こしたのだ。
原告のひとり、20代の女性会社員は、去年、東京ディズニーシーのホテルで結婚式を挙げ、コスプレをした部外者が入り込まないよう配慮を求めるメッセージをツイートした。
──一生に一度の結婚式を催している、チャペルや披露宴会場の近くでの仮装は本当にやめてください
──何卒ご配慮いただきたく思います
ところが、このツイートを取り上げたネットギークの記事のタイトルは…
──お姫様コスプレがうろちょろ!目障りだから気を使え
──私が主役なのに目障りだ
顔写真まで勝手に載せられ、ネット上では女性への批判が相次いだという。
ネットギークを訴えた会社員の女性(20代)「『女のヒステリーだろう』とか『おまえのほうがブスだ』とか、関係ないことを突然言われたりとかもありました。怖さもあったんですけれども、それよりも悔しいですとか、怒りの方がかなり強かったです」
◆元ライターが見せてくれた、驚きの「編集マニュアル」
なぜこのような記事が…。日本テレビは、元ライターの男性から話を聞くことができた。見せてくれたのは、以前使われていた「編集マニュアル」。例えば、タイトルの付け方については…
──大げさにする
──ついクリックしたくなる隠し方をする
ライターの報酬は、記事がシェアされた数に応じて決まると書かれていた。シェアが1万を超えた場合、3000円~6700円。しかし、500未満だと0円に。
ネットギークの元ライターの男性「自分で取材をしてまじめな記事を書くというよりも、人をあおる記事を書いたほうが楽に読めるので、いつかこうなるだろうなと思っていました」
◆「ネットギーク」側とは連絡取れず
日本テレビは、都内にあるネットギークの運営会社を訪ねた。ドアをノックしたが、反応はないようだ。マンションの関係者によると、この部屋への人の出入りはほとんどないという。さらに代表の男性に書面で質問状を送ったが、8日までに回答は得られていない。
原告側は、記事について削除要請もしたが、ネットギーク側とは連絡が取れない状態が続いているという。
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