ひきこもりの、季節をこえて。 | からっぽ暮らし〜繊細な私の毎日〜

ひきこもりの、季節をこえて。




 

昨夜、新月みたいな女性客が

お店に来てくれました。

 

 

 

*これまでのお話*

 

惑星に浮かぶ店。

繊細な、新月みたいな女性客。

 

 

 

私がダンボールを持って

売り場を歩いていると

 

 

もうすっかり暗くなった

駐車場から

笑顔で手を振って

自動ドアをくぐり抜けてきました。

 

 

真っ白な小さなお顔。

 

 

「こんばんはー、ナナコさーん!」

 

 

会った途端

嬉しそうにしてくれて

 

 

そのたびに

ああ、今日は

外に出られる気分だったんだ

良かったなぁ、と

私はそんな風に思うのです。

 

 

「この間は、

たくさんお話してくれてありがとう。」

 

 

女性は前回お会いした後の様子など

聞かせてくれました。

 

 

「あれから、そんなに

日が経ってないですよね。

最近はちょくちょくと

出られる気分になってますか?」

 

 

「はい。あったかくなって来たし。

今日はね、この後、駅の方へ

ご飯を食べに行こうと思ってるの!」

 

 

「おー!すごいじゃないですか!」

 

 

「うん。バスがあるか調べたし

帰りもね、それで帰って来ようと思ってるの。」

 

 

「良いですね〜!

美味しいもの食べて来てくださいね!」

 

 

素晴らしいな、と思いました。

 

 

普段、体調の悪さから

なかなか外に出られず

 

 

たまにお店に来ると

またいつ出られるか分からないから…と

不安から買い物かごいっぱいに

大量の食料を買い込んでいたのに

 

 

今日は外でご飯を食べる!と

とても楽しそうにされていました。

 

 

行って帰って来るまでの予定を

ご自身でしっかりと立てているようで

 

 

「帰りにまた、ここのセブンに寄って

アイスを買って家に帰るの。」

 

 

と、まるで

ずっと楽しみにしていた遠足のように

ウキウキしているのが伝わって来ました。

 

 

「そうですか。ゴールにもお楽しみがあると

帰って来るときも励みになりますもんね。」

 

 

「うん!」

 

 

「じゃぁ、ごゆっくりお買い物されてくださいね。」

 

 

そうして私は

自分の仕事に戻りました。

 

 

キッチンでセブンカフェの

コーヒーマシンの洗浄をしながら

しばし、売り場の様子を見ていると

 

 

女性はアイス売り場から

何か伝えたそうにこちらを見つめています。

 

 

ニコニコと、

ちょっと遠慮気味に

 

 

手を振っているような

手招きしているような

 

 

どちらとも言えない仕草で

私にジェスチャーしていました。

 

 

?なんだろう、と思い

手を止めて歩み寄ると

 

 

「あの、ね、このMOWのラムレーズン

もう2個しかないから、

もし出来たらね、取っておいて欲しいんだけど

…良いかしら。」

 

 

この間お店に来たときは

まだ大量にあって

また次に来た時に買おう!と

思っていたみたいでした。

 

 

「私、ラムレーズンが大好きなの。」

 

 

「そうなんですね、私も大好きなんですよ。」

 

 

「本当ー?!

あと2個しかないから無くなっちゃいそうで

…でも、この間から、

ずっと食べたいなと思ってて…」

 

 

「良いですよ、お取り置きしておきますよ。」

 

 

「あぁ!良かった!

ありがとう、わがまま言ってごめんなさい。

ご飯食べた帰りにお店に寄って買うから、よろしくお願いします。」

 

 

「わかりました。夜勤者にも引き継ぎしておきますね。」

 

 

「本当に、いつもありがとう。」

 

 

「いえいえ。」

 

 

女性は嬉しそうに

ホットしたように

 

 

「私ね、ここのセブンが生きる力なの。本当に。」

 

 

そう言ってくださいました。

心から感謝している様子が、ひしひしと伝わって来て

 

 

「そう言っていただけて嬉しいですよ。」

 

 

私はそう返しました。

 

 

その日の女性は

大量のお買い物ではなく

ちょっとした

タブレットやキャンディーを買われ

 

 

そのままお店を後にしました。

「じゃ、行って来るね!」と。

 

 

それはまるで

本当に、遠足にでも行くみたいに。


 

 



 

女性が帰りにお店による時間には

私はもう退勤しているので

アイスを手渡して差し上げる事は

出来ないけれど

 

 

駅近の食べ物屋さんで

楽しげにメニュー表を眺め

好きなものを選ぶ



そんな女性の姿を想像すると

 

 

本当に、美味しいものを

お腹いっぱい食べて来て欲しいな、と

思いました。

 

 

実際に、帰りにお店に寄る

その気力と体力が残っているかは

分かりません。

 

 

でも、MOWのラムレーズンを2個

小さなビニール袋に入れて、木のスプーンも添えて

そっとお取り置きしておきました。

 

 

そして私は小さなメモも

こっそり入れておきました。

 

 

「〇〇さんへ。

美味しいものは食べられましたか?

今日はこの後、ゆっくり休んでくださいね。」

 

 

と、簡単なイラスト付きで。

 

 

もし、お店に寄れなかったら

このメモも

見られる事はありません。

 

 

でも、そんな事は

どちらでも良くて。

 

 

ただただ

なかなか外出できないほどの

体調不良を抱えたこの女性が

 

 

駅前まで

お出かけする気持ちになれた、

そのことが嬉しかったです。

 

 

私にも、仕事ができなくなり

ずっと家で、一人で

療養していた時期があったからです。

 

 

だからこそ

外へ気持ちが向くことの希望や

 

 

楽しみを用意して

頑張ろうと思うこと

 

 

誰かに何かをお願いする勇気や

それに支えられる心づよさ

 

 

そんな言葉にならない

胸の真ん中を熱くするモノを

 

 

思い出さずにはいられないのです。

 

 

感情移入し過ぎないよう

自分を俯瞰しながら。

 

 

私に出来ることが

あったら良いなと、思うのです。

 

 

新月みたいな女性客。

 

 

孤独も、不安も、喜びも。

 

 

結局は本人にしか

分からないこと、なのですが。

 

 

たかがコンビニ。

されどコンビニ。

 

 

このお店が彼女に取って

安心できる場所であって欲いと

私は切に、願うのです。

 

 

 

 

 

 

 

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*お知らせ*

 

明日4月13日(土)

インスタライブを配信します。

お昼の12時〜

45分くらいを目安に考えています。

 

テーマは

「断捨離のゴールはどこか?」

また、最近頂いたご質問にも

お答えしたいな、と思っています。

 

良かったら遊びにきてくださいね〜

 

※インスタライブの視聴には

アプリ(無料)のダウンロードが必要です。

 

コーヒーナナコ(田中 美知子)の

インスタグラムはこちらです↓

karapporoom.nanaco.1982

 

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Today's words

 

「孤独も、痛みも、いつか笑顔へ。」

 

by milk cafe 

 

 

「milk cafe 」とは

大切なひとり時間の象徴です。

 

自由で軽やか

楽であり美しい

私らしい毎日。

 

それはカフェの様な日常。

 

そんな毎日を送ることが

私の夢です。^^

 

 

 

 

 

☆2019年5月11日(土)開催

Bright Future

片付けて、楽に生きる。

東京セミナーは、満席となりました。

 

 

 

 

 

 

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