会長のご挨拶
日本核磁気共鳴学会会員の皆様へ
日本核磁気共鳴学会第9期会長就任にあたりご挨拶申し上げます。
本学会は、前身となるNMR討論会を含めると60年近い歴史を背負っております。この間にNMRコミュニティを取り巻く環境は大きく変わってきています。特に、国際化を含めたダイバーシティの推進、次世代を担う若手の育成、産業界をはじめとする社会との連携などにいかにして取り組むかが、多くの学会に共通する課題となっています。そうした中で、本学会は様々な活動を通じてこれらに着実に取り組み、NMR研究の発展に大きく貢献してきました。その甲斐あって、我が国のNMRコミュニティの国際的存在感はますます高まっていることを実感いたします。 実際、本学会の支援のもと一昨年夏に京都で開催した第27回生体系磁気共鳴国際会議(ICMRBS 2016)は大きな成功をおさめ、2021年に大阪で開催予定の国際磁気共鳴学会(ISMAR)の学術集会とアジア太平洋NMRシンポジウム(AP NMR)の開催支援活動も既に始まっております。その一方で、最近の日本の大学等における研究環境は、かならずしも恵まれた方向に推移しているとは言えない状況です。こうした中で、NMRコミュニティの拠り所としての本学会の役割は今後いっそう重要なものとなると思います。
微力ではありますが、NMRを愛する・学ぶ・使うすべての会員の皆様にとって魅力的な学会となりますよう力を尽くしていく所存です。会員の皆様のご指導、ご支援をどうぞよろしくお願いしたします。
2018年4月1日
日本核磁気共鳴学会
会長 加藤 晃一