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最強キャラ取り扱い注意

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Web漫画 胎界主 魔王メフィストフェレス 後編 解題



最強キャラが流行?ですが、古くは古代ギリシアの演劇から
デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)として
登場していました。

*もっとも古代ギリシアの演劇における
デウス・エクス・マキナの捉え方は、信仰の賛美であり
機械仕掛けの神がゴンドラで降りてくると
「結局は神様が助けてくれるじゃん!大安心じゃん!」てことで
当時の観客はシラけるどころか、大喝采だったようですが。(出典ど忘れ)

現代では、神がゴンドラで降りて来た日にゃ「なめんな」でお終いです。
うまいことやれば、コーエン兄弟の映画『未来は今』のように
それほど、酷いことにはなりません。唖然としましたけど。

で、現代のデウス・エクス・マキナこと、
『無敵の最強キャラ』ご登場には、以下のような利点があります。

(1)どうしようもない事態が一気に解決する。
(2)それに伴う、ビックリで派手な痛快展開になる。
だいたいは、強敵が一気にザコになり、フルボッコされる。
(3)作者も描いていて、楽しい。

などがありますが、扱いを間違うと

(1)どんなスリリングな展開にしようと
「あれだろ?またアイツが来て、助けてくれんだろ」な
緊迫感もなにもなくなる。
(2)夢オチのごとく、なにもかもが馬鹿馬鹿しくなる。

などの作品崩壊への引き金につながります。

それをうまくかわしていた傑作作品を二、三あげますと

(1)『ジョジョの奇妙な冒険 第五部』のように
ほんとの最後の最後に出す。

(2)『神の左手悪魔の右手』のように
主人公(想君)がコントロールできない。
おネムにならないと、出現しないので、起きてるあいだ中
これでもか!っていうくらい怖い目にあう。

(3)『スタートレック』の『Q』のように
「敵かなぁ?味方かなぁ?」なスタンスをとる。
メチャ怖い種族『ボーグ』と宇宙鬼ごっこさせて、
泣きいれたピカード艦長に「ハゲ、あんま調子のんなよ」と
たしなめるエピソードが良い。


本作では

(1)出現すればするほど、自身が弱くなっていく。
(2)生成世界(この世界)への干渉はできない。
*正確には可能だが、直接干渉すると
生成世界に甚大な歪みが発生し、無茶苦茶になってしまう。
(3)「悪魔の敵」だけど、「主人公の味方」ではない=善い奴ではない。

などの縛りをつけて、どうにか緊張感を保とうと足掻いてますけど
いかかでしょうか?

次回はこれも諸刃の剣。
「死んだ人間を生き返らせる」です。



おまかせ下さい
メフィストフェレス陛下!




信じた……阿呆で助かった……


ソロモンの影は
タロット・アスの歓喜の渦の彼方へ
薄れゆくのを感じる



陛下……


ん……行け
世話のかかる
下僕をもったな


失礼いたします


フム……


なかなかの
一品だ


やはり
いい主人は

良い鏡を
持っている