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【競馬・ボート・競輪】

[競馬]東京スプリント キッキング猛追も 菜七子、惜しい2着

2019年4月11日 紙面から

検量室でうつむく藤田菜七子

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 JRA唯一の女性ジョッキー、藤田菜七子騎手(21)=美浦・根本=の重賞初Vが注目された「第30回東京スプリント」(JpnIII・ダート1200メートル)が10日、大井競馬場で行われ、昨年の地方競馬の年度代表馬キタサンミカヅキが、逃げ粘るヒロシゲゴールドを残り200メートル付近でねじ伏せて勝利。藤田&コパノキッキングはスタートで痛恨の出遅れを喫し、直線で外から伸びたものの、1馬身差の2着に追い上げるのが精いっぱいだった。

 スタート直後、大観衆から悲鳴が上がった。JRAの女性騎手として、初の重賞制覇の記録がかかっていた藤田と、コパノキッキングのコンビが痛恨の出遅れ。それでも道中はうまく馬群をさばいて位置取りを上げ、勝負の直線へ。必死に前を追ったが、勝ったキタサンミカヅキに1馬身差の2着まで迫るのが精いっぱいだった。

東京スプリント2着のコパノキッキングと藤田菜七子=大井で(神代雅夫撮影)

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 「出遅れて思ったより後ろになった。砂をかぶってひるんだけど、よく伸びてくれた」と藤田。この日は朝からの雨であいにくの不良馬場。先行馬が有利な馬場状態だった。それでも、ダート1200メートル戦では重賞2勝を含む4戦無敗の実績馬。底力はこの中でも上位の存在だ。レース後、悔しさをあらわにした敗者は「もっと活躍できる馬です」と声を振り絞りだした。

 同馬を管理する村山師も「強引な競馬で差し届きませんでしたが、勝ち馬にうまく乗られた。あの展開ではまったと思ったけど、あと一歩でしたね」と1馬身差の惜敗を悔しがった。コパノの今後については「勝っても負けてもかしわ記念(5月6日・船橋競馬場)と思っていたけど、北海道スプリントC(6月6日・門別競馬場)も視野に入れて考えます」と話した。

 陣営は藤田とのコンビ継続については明言を避けたが、これが終わりではない。再びタイトル獲得のチャンスに向けてのリスタートだ。最高の“菜七子スマイル”を待つファンのためにも、この敗戦を糧にさらなる飛躍を果たすに違いない。 (米内宏一郎)

◆Dr.コパオーナー無念「あの位置では…」

 前走のフェブラリーSに続き、藤田に手綱を任せたコパノキッキングのDr.コパこと小林祥晃オーナー(71)は2着に無念の表情を浮かべた。「出遅れが痛かった。あの位置では届かないです」。痛恨のスタートを恨めしそうに振り返った。藤田の騎乗ぶりには「スタートがいい子だけど、タイミングが合わなかったかな。前が止まらない馬場だし、後ろから来たのはキッキングだけだから」。極悪の馬場コンディションの中で理解は示したものの、コンビ継続については「かしわ記念(JpnI・5月6日・船橋・ダート1600メートル)は少し考えないといけないでしょう」と慎重に話した。

 

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