第二次安倍政権以降「自殺&不審死」リストを公表する

「アッキーの政変」全ドラマ 自殺した近畿財務局の職員だけじゃなかった

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「Aから『心療内科に通い出したんだ』と聞いたのは去年8月のことです。年末にも、『まだ体調はよくないけど、年明けから仕事に復帰しようかと思っている』と話していました。無理はしないほうがいいんじゃないかと言ったんですが……。彼は真面目で、途中で投げ出さない人間でした。私が思うに、今回はそれが裏目に出てしまったのかなと思います」

そう話すのは、財務省近畿財務局の職員だったAさんの親族の一人。Aさんは50代の男性で、3月7日に自殺したと見られている。学校法人『森友学園』との国有地取引を担当する部署に所属していたのはご存じの通りだ。

「神戸市内にある自宅で遺体が発見されたのは、3月7日の午後5時すぎ。半年ほど前から休職していたんですが、亡くなる数日前に突然、職場にやってきた。別室で幹部と話をしていたので、局内では『(Aさんは)朝日新聞に漏らしたと疑われているのかな』とウワサになっていたようです。そのとき、同僚たちには『(体調が)だいぶよくなってきた』と話していたそうですが、顔色は青白く、見るからに体調は良くなさそうだったようです」(財務省関係者)

Aさんは高校卒業後、働きながら関西の私立大学の夜間部に通い、国鉄(現・JR)に入社。国鉄民営化のタイミングで退社し、その後、大蔵省(現・財務省)に入省したという。妻と二人暮らしで、関西だけではなく、神奈川・横浜に住んでいたこともあった。

’16年、森友学園への国有地売却の際、Aさんは上席国有財産管理官として交渉、契約に携わっていたと見られる。ノンフィクション作家の菅野完(すがのたもつ)氏が話す。

「’17年2月、私が森友学園についての取材の一環として近畿財務局に行った際に対応されたのがAさんだったんです。物静かというか、必要最小限のことしか言わない人というイメージです。おそらくAさんのことを指しているのだと思いますが、籠池(泰典)前理事長の妻の諄子(じゅんこ)さんが『あの人、いつも理屈しか言わへんねん。私、あの人のこと嫌いやねん!』と言っていました。諄子さんからすれば、記念小学校設立の流れに逆らう人、という印象だったのかもしれません」

Aさんの自宅からは「文書の書き換えを命じられた」という趣旨のメモが発見されたという報道もある。

第二次安倍政権発足以降、自ら命を絶った、あるいは不審な死を遂げた官僚や職員は実はAさん以外にも多数存在するのだ。下の表は、そのリストである。政権発足間もない’13年1月には、消費者庁の審議官が都内の自宅マンションから投身自殺を遂げた。さらに、’13年4月には内閣情報調査室の内閣参事官も練炭自殺した。他にも、’14年1月に韓国から「ゴムボートで日本に帰ろうとした」ため、北九州沖の海底から遺体で発見された内閣府のキャリア職員。’15年7月に屋久島で登山中に転落死した内閣府情報保全監察室の参事官など、不可解な”事故死”もあるのだ。

「’76年のロッキード事件など、これまでの疑獄事件でも、確かに自殺者が出ることはありました。しかし、それらは政治家本人やその秘書で、公務員が詰め腹を切らされるというケースは、聞いたことがありません。安倍政権が長期にわたって続いていることに加え、内閣人事局制度で局長以上の生殺与奪権を握っていることなどの弊害でしょう。官僚の中に、安倍政権を絶対的なものとして見るという習性が生まれてしまっているのではないでしょうか」(前出・菅野氏)

Aさんの親族の一人は「死人に口なしではなく、すべてを明らかにしてほしい」と話している。

第二次安倍政権以降に起きた「自殺&不審死」リスト

このリストの年齢はすべて当時のもの

辞任会見での佐川宣寿・前国税庁長官。頭を下げながら目を見開いていた。

自殺した近畿財務局の職員・Aさん
知人らはAさんのことを「真面目な人」と口を揃える。

撮影:濱﨑慎治(1枚目) 鬼怒川 毅(2枚目)

 

Photo Gallary4

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