2018年4月に初来日を果たした “天才少年” テイラー・ウィルソン先生。米国の人気ドラマ “The Big Bang Theory” の主人公は、テイラーをモデルにしてるんだって。
じゃ早速、テイラーの全行程に同行しよう。テイラーの訪問先、キミはいくつわかる?
原産年次大会
原産年次大会
まずは原子力ムラの総本山、日本原子力産業協会(JAIF)の年次大会からスタート。サイエンスの若いスターの登場に、会場は沸き、めずらしくテレビ局も駆けつけたよ。
テイラーの招聘にあたっては、JAIFの担当者が海外で何度も折衝し、2年間かけて信頼関係を構築したんだ。「お金さえ出せば来てくれる」というものではないんだよ。
福島第一原子力発電所
福島第一原子力発電所
原子力関係者であれば誰もが行ってみたい「福島第一原子力発電所」。事故直後の混乱するサイトの映像ばかり報道されたから、現在のサイトがほぼ完ぺきに放射線管理されているのを見て、みんなが驚くんだ。
サイト内のほとんどのエリアは、軽装でOKなんだよ。
福島第一原子力発電所 5号機 原子炉の真下
福島第一原子力発電所 5号機 原子炉の真下
福島第一原子力発電所の中でも、5号機と6号機は、このように中に入ることができるんだ。
事故を起こした1-4号機の原子炉建屋内のイメージをつかむことができるよ。
福島第一原子力発電所 1-2号機 中央制御室
福島第一原子力発電所 1-2号機 中央制御室
ココが有名な中央制御室。計器パネルにはびっしりと手書きの数字が書き込まれているんだ。
続)福島第一原子力発電所 1-2号機 中央制御室
続)福島第一原子力発電所 1-2号機 中央制御室
事故の時、次々と照明が消えて暗闇になる中、運転員たちがペンライトで計器の数字を必死に読みながら、それをパネルの上に鉛筆で書き込んでいったんだって。
胸がしめつけられるね。
トータルの被ばく線量は0.04mSv
トータルの被ばく線量は0.04mSv
今回の福島第一原子力発電所での滞在時間は6時間弱。
積算の被ばく線量は、0.04ミリシーベルトだったよ。
鎌倉の「あじさい寺」
鎌倉の「あじさい寺」
「あじさい寺」として有名な北鎌倉の明月院へ行ってきたよ。
あじさいは咲いてなかったけどね。
実を言うと、明月院に行きたかったのは、カメラマンだけだったみたい。
アキハバラ
アキハバラ
テイラーは当初から秋葉原に関心が高かった。目的はフィギュアでも電気製品でもなく、放射線測定なんだ。
アキバではさまざまなジャンク(失礼!)がショーケースに入れて売られているでしょ。それを片っ端から放射線測定器で測定して、高い線量を出しているものを探すんだ。
子供の時から放射能グッズを集めるのが趣味なんだって。
でも今回は高い線量を出すものが、アンティークの時計や、カメラのレンズだったから、「値段が高い!」と諦めていたよ。
谷中の初音小路
谷中の初音小路
谷根千散歩者の間では有名な「初音小路」も行ってきたよ。
趣のあるアーケード街だけど、行ったことがある人ならご存知だろうけど、すぐに行き止まっちゃうんだ。
映像は行き止まってトボトボと戻るところ。
浅草寺
浅草寺
みんな大好き浅草の仲見世商店街。観光客がよく似合う商店街だよね。
浅草寺は横から靴を脱いで御本尊にお参りできるんだけど、テイラーは警備員に制止されちゃった。理由を聞いたら「異教徒だから」だって。う~ん、なるほど。
みんなもお友達を案内するときは気を付けてね!
JT-60
JT-60
茨城県の那珂にある研究所に安置された大きなカボチャが、JT-60のトカマク本体。テイラーも大興奮。
JT-60は1985年に運転開始したトカマク装置で、世界の核融合研究をリードしていたんだ。すでに解体されて、このカボチャが取り外されているんだよ。
詳しく知りたければ、「QST」あるいは「JT-60」で検索してね。
JT-60SA
JT-60SA
実はJT-60はすでに解体されていて、スケールアップしたJT-60SAに生まれ変わってるんだ。国際熱核融合実験炉(ITER またの名を イーター)計画って知ってる?知らなければ調べてみてね。
ITERはフランスのサン・ポール・レ・デュランスに建設されるんだけど、JT-60SAは、ITERと同じプラズマ運転を行い、その成果をITERへ反映させるのが使命なんだ。
同じことやるなんてムダだって?
と・ん・で・も・な・い!
ITERのように数多くの国が威信をかけて参加しているプロジェクトでは、失敗は絶対に許されないんだ。わかるよね?
でもJT-60SAは違う。失敗も許される。
まさに "Challenges are allowed!" なんだ。
これって研究者、特に若手研究者にとっては、とても大事なことなんだよ。
神棚
神棚
安全な運転や実験の成功を祈って、日本では神棚が常備されているよ。
J-PARC
J-PARC
茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設、J-PARC。読み方はJパーク。ここには原子力だけでなく、素粒子物理、原子核物理、物質科学、生命科学など幅広い分野の最先端研究を行うための陽子加速器群と実験施設群がある。世界中から研究者が集まっているよ。
詳しくは自分で調べてみてね。
テイラーは楽しげに研究者たちと話してたけど、話の内容が、正直ちんぷんかんぷんだったことを報告しておくよ。
中高生との対話
中高生との対話
東京学芸大附属国際中等教育学校にお邪魔して、テイラーとの対話イベントを開催したよ。
初めにテイラーが科学者になった経緯をプレゼンし、質疑し、今度は生徒たちがグループに分かれてテイラーにプレゼンし、テイラーのレビューを受ける--といった本格的なイベントになった。もちろん英語でね。
ちなみに中等教育学校というのは一般で言う、中学校+高等学校なんだって。
みんな熱心な議論をありがとう!
テイラーも「日本の未来がうらやましい」と珍しくサービストークをしていたよ。
渋谷駅前
渋谷駅前
最後はもちろん渋谷のスクランブル交差点。
テイラー本人のご要望です。ハチ公の前で記念写真も撮ってたよ。かわいいね。
この写真の時、テイラーはトイレに行きたくて仕方なかったんだよ。
大学での研究や授業、テレビ出演など多忙なスケジュールをなんとかして来日してくれたテイラー、本当にありがとう。
実はテイラーは2018年11月、再来日して、今回見れなかった施設を訪問してるんだ。それについては、またの機会にね。