アクセスランキング
FC2ブログ

先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


我々日本人はきわめて脆弱な地盤の上に暮らしているということ

20190225 伊勢修養団研修バナー
内容の詳細とお申込みは↑をクリック↑

人気ブログランキング応援クリックこちらから。いつもありがとうございます。

平成31年度倭塾動画配信サービス受講生募集中


我が国は、国家として、その中心に天皇という存在をいただき、その天皇の勅によって未来が示され、その未来に向かって上下心をひとつにして国作りを行ってきた歴史を持つ国です。
そしてそのような国柄は、19世紀に西洋で生まれた共産主義的階級闘争史観では、決して理解できないことだし、外国で育ったスパイ工作員にもまた理解の及ばないことです。
日本は、古くから日本の歴史を担ってきた日本人が、上下心をひとつにして育(はぐく)んでいかなければならない国です。


20190407 大阪の海抜地図
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


トップにある図は、国土地理院が発行している近畿地方のデジタル標高地図です。
ネットでお近くの地図を見ることができると思います。
http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/Laser_map.html

地図で水色や青色に見えるところは、海抜3メートル未満のところです。
そこは、新しく埋め立てられた土地であったり、河川の土砂が積もって平野になったり、あるいは開拓によって、海から土地に変わったところで、いまから6千年くらい前には、すべて海の中だったところです。

真ん中あたりに黄色いところが上向きのまるで指先のように伸びていますが、ここは偏西風の影響で沿岸州(えんがんす)が発達した砂州だったところです。
その東側にあるのが河内潟で、この潟は5世紀頃に砂州が北に伸び切って海水の流入がさえぎられて河内湖となりました。
これによって河内湖は淡水湖になるのですが、仁徳天皇の時代に大規模な土木工事が行われて、あたり一帯が広大な水田地帯になりました。

我が国における天皇は、シラス存在です。
シラスというのは、今風に言えば「示す」ということで、人々や政治などの方向をお示しに成るわけです。

たとえば「河内湖を埋め立てる土木工事を行い、広大な水田を手に入れて人々が安心して暮らせるようにせよ」と天皇が示されたとします。
すると、そのことが時の朝廷が行わなければならない政治課題となるのですが、この政治課題というのが、いまとはかなり概念が異なります。


『ねずさんのひとりごとメールマガジン』
登録会員募集中 ¥864(税込)/月  初月無料!


20190317 MARTH





というのは、天皇がお示しになられたことというのは、すでに起きた結果と理解されていたのです。
たとえば、天皇が「河内湖を水田に」と勅を発せられた場合、その時点で湖である河内湖は、すでに埋め立てられて青々とした稲穂の稔る大水田地帯となっているものと理解されます。

すでに結果がそうなっているのですから、時の朝廷は全責任をもって、現時点で湖である河内湖の埋め立て工事を行い、そこを広大な水田地帯に変えなければなりません。
つまり現象を結果に近づけるための努力を責任をもって行います。

ただしこのとき注意点があります。
実際に土木工事を行うのは民衆です。
その民衆は、天皇の「おほみたから(大御宝)」です。

ですから、隋の煬帝が100万の民衆を使役して行った京杭大運河(けいこうだいうんが)のように、民衆の都合など一切関わりなく、また使役された民衆の食事やトイレ、宿所の手配など、一切行うことなく、女子供に至るまでムチでしばきあげて倒れて死ぬまで無理やり働かせ続けるなどいった乱暴なことはできません。

土木工事ができるだけ合理的に進むように事前に入念に計画し、農閑期を利用し、日当を支払って民衆に働きに来てもらい、食事や宿所、トイレまで遺漏なく手当して工事を進めるのです。
そしてこの工事遂行の一切の責任は、その工事の責任者である朝廷が負担しました。

河内湖の埋め立て工事は、何十年もかかる大土木事業ですが、こうして天皇の示された勅は、何十年か後にそのとおりに実現され、できあがった過去になるわけです。

さて、上の図を御覧頂いてわかりますように、現在大阪府民が暮らしている平野部は、そうして古代にできあがった旧河内湖跡を含め、さらに明治以降に海の埋め立てが進んでいます。
そして新しい土地の多くが、海抜0m以下(図の濃い青のところ)になっています。

くりかえしになりますが、水色から青いところは、ほんの少し前までは海だったところです。
そして海抜0m以下ということが何を意味しているかと言うと、もし大津波のような水害が起きたとき、容易に水が引かないということを意味します。
そしてその地域に、いま多くの人が住んでいます。

実はこの問題は、何も大阪に限ったことではありません。
東京でも、いわゆる下町と呼ばれるエリアは、やはり海抜0m以下の土地であり、そこに1千万を超える人々が暮らしています。
同様に、名古屋でも博多でも、札幌でも仙台でも、広島でも、というより、いわゆる日本の平野部にある都府市町村は、すべて水害にきわめてもろい状態にあるということがおわかりいただけようかと思います。
仮にもし、海面がいまよりほんの数メートル上昇したら、我が国の都市機能は麻痺し、経済も壊滅するのです。

もう一度、上の図を見て下さい。
淀川が流れている様子がはっきりと見えていると思います。
そしてその淀川の両サイドには堤防が築かれ、その堤防が黄色い線となっているのが見て取れようかと思います。
下の図は、その堤防が見えているところを拡大したものですが、いかに細い堤防であるかおわかりいただけますでしょうか。
地震や大水といった自然の猛威の前に、このようなか細い堤防で大丈夫なのでしょうか。

20190407 淀川の堤防


そこで考案されたのがスーパー堤防です。
これは従来のように三角のお山型の堤防を築くのではなく、二百年に一度の大洪水にも耐えることができるように、堤防の幅を高さの30倍(200~300メートル)に広げるというものです。
1987年から工事が始まり、首都圏と近畿圏の6水系873キロメートルを整備する計画でした。
工事の完成までに400年、総事業費12兆円という壮大な計画です。

ところがこのスーパー堤防、2010年10月に、R4の事業仕分けにかかって「廃止」となってしまいました。
そしていまだに部分的にしか復活していません。

いま東京には江戸川が流れ込んでいます。
もともとは坂東太郎と呼ばれた暴れ川の利根川が江戸湾(いまの東京湾)に流れ込んでいたのです。
これを江戸時代に、利根川の流れを銚子方面に持っていき、さらに渡良瀬に広大な調整池をこしらえ、さらに広大な堤防工事を施すことで、洪水の危険を回避するようにしているのですが、これが最初の江戸川の土木工事の開始が寛永18年(1641年)、いちおうの完成を見るのが1965年です。
300年以上の歳月をかけて、いまの堤防ができあがっているのです。
200年なら、まだ公共土木工事としては、速い方です。

政治というのは、根本に示すものがないと、単なるいまこの瞬間の利害の調整だけになります。
そして目先の人々の欲得だけが政治の根幹になってしまいます。
富というのは、限られたビザパイの奪い合いのようなもので、誰かが儲かるということは、誰かが損をするということです。

経済成長というと聞こえは良いのですが、成長した分、誰かが損をしているのが経済というものです。
そして政治が経済と結びついて、一部の人達だけの利権の巣窟のための政治になれば、これによって不利益を被るのは、決まって、民衆です。
だから政治には、目的と方向を示す「示し」が必要です。

このことは、会社組織でも同じです。
社長であれ支店長であれ、部課長であれ、トップに立つものに一番求められるのは、方向性の「示し」です。
その「示し」がブレない不動の中心核となるとき、その組織の力はひとつにまとまり、1+1が4にも5にもなる働きが生まれます。

一方、トップに立つものが綺麗事を述べて自己の利益ばかりを追うならば、部下は面従腹背となり、10+10が3や5にしかならないという結果になることは、普通に組織を経験した方であれば、容易におわかりいただけるものと思います。

我が国は、国家として、その中心に天皇という存在をいただき、その天皇の勅によって未来が示され、その未来に向かって上下心をひとつにして国作りを行ってきた歴史を持つ国です。
そしてそのような国柄は、19世紀に西洋で生まれた共産主義的階級闘争史観では、決して理解できないことだし、外国で育ったスパイ工作員にもまた理解の及ばないことです。

日本は、古くから日本の歴史を担ってきた日本人が、上下心をひとつにして育(はぐく)んでいかなければならない国です。

お読みいただき、ありがとうございました。

人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。

講演や動画、記事などで有償で活用される場合は、
メールでお申し出ください。

nezu3344@gmail.com

【お知らせ】
<倭塾、倭塾ゼミ・他>
会場は都営新宿線船堀駅前にある「タワーホール船堀」です。
3月9日(土)18:30 第60回 倭塾公開講座
3月16日(土)18:30 第35回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ
4月13日(土)13:30 百人一首塾&新元号奉祝特別イベント ※池袋で開催です。
4月27日(土)13:30 第60回 倭塾(研修室)
5月11日(土)18:30 第37回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ(401会議室)
5月19日(日)13:30 第61回 倭塾(401会議室)
6月1〜2日 日心会10周年記念神話を体感する伊勢修養団研修 ※開催場所:伊勢市)
6月8日(土)18:30 第38回百人一首塾(402会議室)
6月23日(日)第62回 倭塾公開講座(307会議室)
7月6日(土)第63回 倭塾公開講座(307会議室)
7月20日(土)第39回 百人一首塾(407会議室)



動画【CGS ねずさん 古事記のセカイ】
はじめに
01-01 私達はなぜ神話を学ぶのか
01-02 古事記と日本書紀の違いとは
第一章
02-01 隠身と別天神
02-02 創生の神々と十七条憲法のただならぬ関係とは
03-01 諸命以と修理固成という重要語
03-02 見立てると成り成りて
03-03 ヒルコをめぐる三つの意味とは
03-04 神議(かむはか)り
03-05 国生みと神生み
03-06 イザナミの神避りと古代の葬祭


動画《大人のための修身入門》
01 修身教育とは
02 誠実
03 孝行
04 礼儀
05 博愛
06 公益
07 よい日本人
08 自立自営
09 我が郷土
10 人の名誉を重んじる
11 勇気
12 進取の気象
13 信義
14 国旗
15 慈善 





関連記事

コメント
天皇のシラス国を護る!
八咫鏡
八尺瓊勾玉
草薙剣
ご存知「三種の神器」です。
しかし…なぜ「霊剣」が含まれているのでしょうか。
果断な行動や軍事力…これが無ければ「天皇のシラス国」を護れないからですね。
大陸や半島…或は国内にも…五月蠅(さばえ)なして増長する邪悪な者共がウジャウジャいます。
これ等を打ち破る!
打ち破れ無ければ?
臣民も国も滅ぶでしょうね。
2019/04/11(木) 11:12 | URL | takechiyo1949 #VCU7f5e.[ 編集]
No title
新紙幣への切り替えが発表され、オールドメディアは「キャッシュレス化と矛盾する流れですがどうするんでしょうか」と嫌みたらしく伝えていますが、この日本で本当にキャッシュレスは広がるのでしょうか。日本の紙幣・硬貨は大災害被災地で電気が失われたような場所でも通用していました。あれが電子マネーや読み取り装置の稼働が必須のカード類しかなければ、さらに混乱が増します。道路などの大型インフラもそうですが、費用対効果のコスト計算を「平時」のときだけで算定するのはやめたほうがいいです。左派は原発に関してだけ、「災害が起こったら」と言いますけどね。
2019/04/11(木) 08:26 | URL | 憂 #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
*引用・転載について
ブログ、SNS、ツイッター、動画や印刷物作成など、多数に公開するに際しては、必ず、当ブログからの転載であること、および記事のURLを付してくださいますようお願いします。
ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
最新刊
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』

AdSense
カレンダー
03 | 2019/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク
このブログをリンクに追加する
リンク2
AdSense
カテゴリ
月別アーカイブ
AdSense
解析
スポンサードリンク
ねずさん(小名木善行)著書
↓最新刊↓


↓好評発売中↓








ねずさんメルマガ
ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ
ご寄付について
ねずブロはみなさまのご支援で成り立っています。よろしかったらカンパにご協力ください。
【ゆうちょ銀行】
記号番号 00220-4-83820
【他金融機関から】
銀行名 ゆうちょ銀行
支店名 〇二九(店番029)
種目  当座預金
口座番号 0083820
口座名義 小名木善行
【問い合わせ先】
お問い合わせはメールでお願いします。
nezu3344@gmail.com

講演のご依頼について
最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
テーマは、ご自由に設定いただいて結構です。
講演時間は90分が基準ですが、会場のご都合に合わせます。
E-mail nezu3344@gmail.com

講演テーマ
<ご参考>
古事記に学ぶ経営学
古事記に学ぶ日本の心
百人一首に学ぶ日本の心
女流歌人の素晴らしさ
日本人の誇り
その他ご相談に応じます。
検索フォーム
AdSense
関連サイト
祝日には国旗掲揚を!
御国旗セット
¥2,190

大型御国旗セット
[ステンレス製3mポール付き]
¥4,800

御国旗伸縮ポールセット【大サイズ】
¥3,000

御国旗セット L
[ マンション設置用 Lタイプ テトロン 国旗 ]

台灣民政府
台湾民政府
サンフランシスコ講和条約で、日本は台湾に関して処分権は連合国に提供しましたが、領土の割譲は行っていません。条約以降、連合国も日本も台湾の処分先を決めていません。つまり台湾はいまも日本であり、台湾にいる1500万人の戦前からいる台湾人は、日本国籍を有する日本人です。私は台湾民政府を支持します。
お薦め書籍1

日中戦争-戦争を望んだ中国 望まなかった日本


江戸の自治制


幻の黄金時代


ドキュメント自衛隊と東日本大震災

AdSense
コメントをくださる皆様へ
基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメントは、削除しますのであしからず。
最新トラックバック
AdSense
コメントをくださる皆様へのお願い
いつもたくさんのコメントをいただき、ありがとうございます。
ほんとうに皆様のコメントが、とっても嬉しく、かつありがたく拝読させていただいています。

議論というものは、すくなくともこのブログのコメント欄が、国政や地方自治、あるいは組織内の意思決定の場でなく、自由な意見交換の場であるという趣旨からすると、互いに互譲の精神を持ち、相手を尊敬する姿勢、ならびに互いに学びあうという姿勢が肝要であると存じます。

私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

従いまして、謙譲・互譲・感謝、そして学ぶという姿勢のない連続投稿、粘着投稿に類する投稿をされた方については、以後のコメント書き込みを、管理人である私の判断で投稿の禁止措置をとらせていただきますので、あしからずご了承ください。
エディタ・コミュニティ
edita.jp【エディタ】
amazon
通州事件の真実
通州事件を実際に体験された女性の手記です。
クリックするとテキストファイルが開きます。
https://docs.google.com/file/d/0B9Dh1-gISO9CZERHN2oxempSeEk/edit
ねずブロの拡散・転載について
当ブログの日本の心を伝えるための適法かつ前向きな拡散はおおいに歓迎です。 ただし適法な引用でないと、著作権侵害で処罰されることがありますのでご注意ください。
RSSリンクの表示
FC2ブックマーク

PING送信プラス by SEO対策

QRコード
QRコード
スポンサードリンク