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しかし、現状では消費者がマイナンバーカードでポイントを得るまでに手間がかかる。まずマイナンバーカードを取得して「マイキーID」を設定しなければならない。そのためには、総務省の「マイキープラットフォーム」にアクセスしてWindows用ソフトをダウンロード。さらにICカードリーダーまたはカード読み取りに対応したAndroidスマホをPCに接続して操作しなければならない。
半角大文字英数8桁のマイキーIDの設定を終えると、今度はマイキープラットフォームの「利用者マイページ」にアクセス。ここで自治体ごとのポイントに変換して、ようやく使えるようになる。誰にとっても使いやすい仕組みとは言い難い。
政府関係者によると、「政治主導で現行のマイキープラットフォームを使いやすくする方策を検討する」という。
マイナンバーカード普及に向けた2つ目の施策は、健康保険証としての活用だ。カード内蔵ICチップに搭載した「公的個人認証サービス(JPKI)」の「利用者証明用電子証明書」を使い、暗証番号(PIN)の入力は不要。2021年3月から医療機関の窓口で保険証として提示できるようにする。
電子証明書はマイナンバーを含まないので、マイナンバーそのものとはひも付かない。健康保険法の改正によって世帯単位だった保険証の記号番号を個人単位化し、オンラインで保険資格を確認する仕組みだ。失効した保険証による医療費の誤請求や未収金を無くすといった効果も期待されている。
政府はこうしたマイナンバーカード普及策などについて、経済財政諮問会議が毎年6月にまとめて政府が閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に盛り込むという。