日米関係が専門で、琉球大学、獨協大学の教授などを歴任した宮里政玄氏が8日午前2時5分、多臓器不全のため、那覇市内の病院で亡くなった。87歳だった。通夜は自宅で執り行う予定で、葬儀、告別式を含め、日時を調整している。

宮里政玄氏

 1931年生まれ、日米関係と沖縄をテーマに、米国の公文書などの研究を進めてきた第一人者。

 米民政府が出資する琉球銀行に勤めた後、1957年に渡米し、インドネシアやベトナムなど米国のアジア外交や統治政策を学んだ。20年間琉大で教壇に立った後、18年間沖縄を離れ日米関係研究所などで貿易摩擦の先駆的研究も行った。

 98年に帰郷し、沖縄対外問題研究会を教え子の我部政明琉大教授らと立ち上げた。全国の米軍専用施設の7割が集中する沖縄から日本の主権とは何か、を問い続けてきた。著書に「沖縄『自立』への道を求めて」「日米関係と沖縄」など。2001年に伊波普猷賞、12年に沖縄タイムス賞文化賞。

 16年12月に著書『沖縄VS安倍政権』(高文研)を出版。日本の安倍政権、米国のオバマ政権、トランプ政権、中国などの間で、沖縄基地の合理的なありようは変化していると指摘していた。