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菅田将暉の「トイレの便座くらい開けさせてよ」

タレント連載
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#08「『先入観』というものについて」

 11月19日に発売される「MOVIEZ Vol.8」本誌の連載でも触れているんですが、なぜだか「菅田将暉は話しかけづらい」という先入観を持たれているみたいです。「暗殺教室」(’15年3月21日公開)と「ピース オブ ケイク」(’15年秋公開予定)の現場でわかったことなんですけどね。特に「暗殺教室」は周りがリアル中学生&高校生で、彼らからすると21歳の僕はもうオッサンなわけですよ(笑)。しかも怖い役なので、余計に話しかけづらかったみたいで。でも、僕自身は何も変わらない。そんな先入観と実像に「GAP=ギャップ」が生じてイメージアップ! …といった話を書いていますので、お目通しいただけたらうれしいです。

 でも、逆に言うと、人間がいかに先入観で物事を見ているかってことですよね。その先入観からズレた実像が垣間見えると、「あいつのこと、誤解していたかも」という罪悪感が生まれる。それが、いわゆる「ギャップ萌え」ってヤツなのかなって。

 鼻炎気味な僕は1度クシャミをすると止まらなくなるんですけど……しかも、それが「クッ、クッ」って犬がするような感じなので、それだけで笑いをとれることがあるんですよ。それも先入観とのギャップがあるからこその産物なわけで、その辺は若干キャラ的にオイシイかな、と思ったりもしています。何しろ、クシャミ1つで「なんだ、菅田将暉って思っていたよりもお茶目じゃん」と感じてもらえるんですから。そんなふうに、先入観に反比例して好感度が上がったり下がったりすることに面白さを感じている今日このごろです。そのギャップを意図的にコントロールできたら便利なんでしょうけど、それはそれであざとく映ってしまうんだろうな。

 じゃあ、自分はどうなんだという話ですが…先入観を持ちつつも対面して初めて見える相手の実像は素直に受け入れる、というスタンスです。会う前は、人から聞いていた印象が刷り込まれているので、そこに引っ張られるのは仕方がない。でも、実際に会って話すことによって「実像は違うけど、聞いていた印象を与えやすい人なんだな」…といった分析が可能になるんですよね。なおかつ、「こういう人だって聞いていたけど、会って話すと印象が変わるね」といった感じで、会話の糸口にもなる。近寄りがたいイメージだったけど、実はイジってもらうのを待っているという人だったり、逆に人当たりはいいけどイジられるは好きじゃない、という感じだったり、意外な面が先入観と実像の誤差から見えてくる。先入観というのはある種、相手がどんなタイプなのかを分類するための物差しなのかもしれませんね。

 先入観というと、「共喰い」(’13)の時にもいろいろ思うことがありましたね。R指定で性と暴力の話…という重たいイメージが強かったからか、どっしり構えて観られがちだったんですけど、海外の映画祭では、お客さんがゲラゲラ笑い、劇場内が大いにわいたんですね。その時に、これが先入観の差なんだなぁと実感しました。僕自身、デビュー当時は先行するイメージとの戦い、みたいなところがありましたし。「ああ、『仮面ライダーW』の…」と言われることが多かったので…。「チョコリエッタ」(’15年1月○日公開)でベリーショートにした森川葵ちゃんのように、1度何かをフラットにする作業が必要なのかもしれないな、なんて思ったりもしました。

Masaki's shot
群馬ロケ中に滞在したホテルの部屋番号にちなんで仲間とユニットを結成。その名も“タツミヨンマルニ”。
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