「医事漫談」で人気を集め、映画やテレビドラマの脇役としても活躍したタレントのケーシー高峰(けーしー・たかみね、本名門脇貞夫=かどわき・さだお)さんが8日午後3時30分ごろ、肺気腫のため福島県いわき市の病院で死去した。85歳だった。
所属事務所によると、ケーシーさんは8日午前6時半頃に危篤になり、妻の詠子(えいこ)さんや弟子、事務所スタッフらに見取られ、天国へと旅立った。肺を患い、昨年4月に3週間ほど入院。その後は仕事を控え、自宅療養を続けていたが、今年3月から再び入院生活を送っていた。
事務所関係者は「月に1度くらい声を聞いていました。元気な声で安心していたんですが…」と話した。最後の仕事は昨年9月に収録されたBS朝日「お笑い演芸館+」だった。万全ではない中、鼻に酸素吸入器を取り付け、椅子に座って漫談を行った。
ケーシーさんは山形県出身。日大芸術学部を卒業後、ジャズクラブなどの司会業を経て漫談家になった。漫才師「リーガル天才・秀才」に弟子入りし、漫才コンビ「大空はるか・かなた」として活動した。テレビ番組に出演し、「セニョール」「セニョリータ」などのスペイン語を交えながら、白衣を着て、お色気混じりで医学の知識を紹介する医事漫談で親しまれた。
その後、映画「楢山節考」「塀の中の懲りない面々」への出演を始め、俳優としても活躍した。
晩年は病との闘いだった。70年代に患った腰痛(ヘルニア)は2003年に悪化し、腰部脊(せき)柱管狭さく症で手術。05年には早期の舌がん(舌白板症)が見つかり、20針を縫う手術を受けた。
葬儀・告別式は近親者のみで執り行う。喪主は妻詠子さん。