パソコンを使う人ならお作法「USBメモリをいきなり引っこ抜かない」は、過去の常識となりつつあります。Windows 10の最新版「Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)」では、ストレージ取り出しポリシーの初期設定が「クイック削除」に変更されています。マイクロソフトは4日、この変更を案内するサポート文書を公開しました。
これまでマイクロソフトは、USBメモリや外付けハードディスクを取り外す前に「ハードウェアの安全な取り外し」操作を行うよう呼びかけてきました。これは、USBメモリなどに書き込み中に取り外し操作が行われると、ファイルの保存に失敗したり、データが壊れてしまう恐れがあるため。ただし、ストレージデバイスの書き込み性能の向上によって、データ破損のリスクは以前よりも低くなっています。
一方、「クイック削除」を設定している場合、ハードウェアの安全な取り外し」操作は不要となります。もちろん、映像など、大容量のデータを書き込んでいる最中に取り外すとデータ破損のおそれはありますが、書き込み中でない場合はUSBメモリをそのまま引っこ抜いても問題ありません。
「クイック削除」の設定はWindows XPから存在していましたが、オプション扱いとなっていました。それが2018年秋の「Windows 10 October 2018 Update」によって、初期設定で有効となるよう、変更されました。
ただし、クイック削除を設定した場合、これまでの設定「高パフォーマンス」よりも書き込み動作が遅くなる可能性があります。とはいえ、ストレージデバイスの書き込み性能も飛躍的に向上しており、体感差は少なくなってきています。マイクロソフトの方針変更も、性能より利便性を重視してのことでしょう。
なお、Windows 10で「高パフォーマンス」設定を使いたい場合は、スタートメニューを右クリックして「ディスクの管理」を開き、USBドライブのプロパティーの中にある「取り外しポリシー」から変更できます。
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