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2019-04-10

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・このごろ会う人たちから、よく
 『すいません、ほぼ日の経営』という本のことを
 言われるので、じぶんであらためて読み返してみた。
 タイトルからもわかる通り、
 これは「経営」について書いてある本である。

 大きな会社の人でもあり、たくさんの本を書いている
 川島蓉子さんが、小さな妙な会社の経営者であるイトイに
 いろんな質問をぶつけて、それにぼくが答える。
 そういうふうにつくられたものだ。
 川島さんの質問のなかには、ことばになっていないけれど
 (一般的にはこうなんですけど)という枕詞がある。
 そこから「ほぼ日はちがうみたいですね?」と訊くのだ。
 そうすると、ぼくはこの(一般的にはこう)という部分を
 よく知らないものだから、じぶんなりの勉強と、
 じぶんなりの試行錯誤でやってきたことを、
 しどろもどろで答えることになる。
 もし、経営というものに資格審査の受験があったなら、
 ぼくは合格点をもらえないのかもしれない。
 それでも、じたばたしながら、いちおう、
 なんとか給料も遅れることもなく払えていたり、
 多少なりとも人によろこばれているということは、
 ぼくらの歩いてきた道にも可能性があったということだ。
 そう思えるくらいの長い時間は、すでに経っている。

 いわゆるクリエーターの人がつくった組織は、
 だいたい一代かぎりのものだったと思う。
 ぼくも、そうなるのだろうと想像していたのだけれど、
 会社の乗組員や、関わってくれる人や、
 「ほぼ日」に集う人たちが多くなってきたら、
 ぼくひとりがいなくなって終わりというのは、
 なんだか惜しすぎるんじゃないかと思えてきた。
 そこから、「事業として営んでいく」ことがはじまった。
 そして、思えば、シロウトだの不得意だの言いつつ、
 20年以上もいちおう社長をやっているのだから、
 なにも考えずにやってこられたはずもない。
 「(一般的にはこう)って方法だけが経営じゃないと、
 勇気が出ました」という感想が多いのはとてもうれしい。
 デザイナーから主婦、学生、経営者まで読んでんだね。
 出てから半年も経って、いまさらオススメする次第です。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
いや、その、じぶんで読み返したらおもしろかったので…。


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