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【プロ野球】

楽天・浅村、ブーイングにめげず古巣に大宮に恩返し弾!

2019年4月10日 紙面から

西武-楽天 5回表無死一塁、浅村が左越えに2ランを放つ=大宮公園で

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◇楽天7-6西武

 楽天が逃げ切った。4回にブラッシュの2点二塁打などで4点を先制し、5回に浅村の2号2ラン、6回に茂木の適時打で加点。8回をハーマン、9回を松井でしのいで1点差を守った。西武は反撃が及ばなかった。

    ◇

 高々と上がった放物線は、カクテル光線を浴びながら左翼場外、満開の桜の木の中に消えていった。すぐに走りださなかったのは、感触でわかったからだ。5回無死一塁、楽天・浅村が古巣・西武から初めて放った特大2ランが、新天地を勝利に導く貴重な1発になった。自身の通算149本塁打目で、節目に王手をかけた。「感触は完ぺき。久しぶりにいい感じに飛んでくれた。自分のタイミングで、一発で仕留めることができて良かった」。言葉とは裏腹に、笑みはなかった。

 第2打席で放った先制点につながる中前打が、古巣からの初安打だった。打席に入ったとき、そしてヒーローインタビューの時には、西武ファンからブーイングが湧き起こった。それでも「覚悟はしていた。育ててくれたチームと勝負するんだから、複雑な気持ち。でも自分が選んだ道だから、覚悟決めて挑むしかない。楽天が勝つことだけを意識していこうと思った」。ブーイングにも、逆に「やってやるぞ」の気持ちを燃やした。

 この大宮公園野球場は思い出深い舞台でもある。8年前にサヨナラ3ランを放ったのを覚えているが、その相手は楽天。この日、古巣のファンからはブーイングを浴びたが、楽天ファンからは「来てくれてありがとう」「楽天を優勝させてくれ」などの声が飛んだ。「西武はパ・リーグで一番強いチーム。倒していかないと上にいけない」。決別の一発は、Vの使者としての誓いの一発だ。 (竹村和佳子)

 

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