北野武監督の「アウトレイジ」が台詞回しの映画であれば、
押井守監督の「イノセンス」もまた台詞回しの映画ですね。
ただ、押井守の場合は衒学的だとも揶揄されがちですが、
ようは好きか嫌いかの生理的な問題。
私は、バトーは好きですね。
てことで、「イノセンス」からバトーの台詞を少しだけ抜粋してみます。
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「だから避けたさ、可能な限りな、行けよポイントマン、新手が来るぜ」
「てめえの贈り物は頭の上で爆破した、仮に最大効果域で爆発したとしてもだ、
防護服を着たサイボーグを、たった二個で殺れるわけねえだろ……………なめてるのか?」
「そいつは女房でも娘でもねえ、死神てやつだ」
「幸運が三度姿を現すように、不運もまた三度兆候を示す。
見たくないから見ない、気がついても言わない、言っても聞かない、
そして破局を迎える。
だが、俺たちの世界じゃ三度どころか、最初の兆候を見逃せば終わりだ」
「騙してやろうと待ち構えている奴ほど騙しやすいものだ、
お前は電子戦の専門家だったかもしれねえが、
あいにく俺も諜報戦のプロなんだ。
それにな、俺には守護天使がついてる」
「罠に落ちたと見せて懐に飛び込むつもりだったが、
キムの野郎さすがにいい腕をしてやがる、
サインがなけりゃ逃げそこなうところだった」
「あいつは行っちまったのさ、均一なるマトリクスの裂け目の向こう、
広大なネットのどこか、そのすべての領域に融合して、
自分が生きた証を求めたいなら、その道はゴーストの数だけあんのさ」
「昔の人はいいこと言ったぜ、理非無きときは鼓を鳴らし攻めて可なり、てな、談判破裂して暴力の出る幕だ」
「可愛くねえ野郎だ、てめえは」
「バカヤロウ、無茶するんじゃねえ!!」
「精霊は現れたまへり。久しぶりだな、少佐。今はなんと呼ぶべきかな」
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う~ん、「イノセンス」は何度も見れる映画ですね。
当時、草薙素子とバトーの再会が楽しみで劇場に見に行ったのですが、
ある意味では、ファンも長く続編を待った映画だったわけで、
ファンとバトーが草薙素子を待っていたということなんですね。
とにかく4回は劇場に行きました。
かなりバージョンアップしていて、最初は戸惑いがありましたね。
一番は、草薙素子の姿がない。
あとバトーなんかは、失恋中の文学青年みたいな感じになっちゃてて、
そんな中で、バトーが再会した草薙素子に「おい、感慨にふけってる場合じゃねえぞ」
とツッコミをいれてましたが、あそこはいろんな意味でおかしい(笑)
で、押井守監督の攻殻機動隊3作目の可能性はあるのか?
何年後でもいいから、やってほしいですね。
テレビシリーズとは違う押井守映画として。