提督の憂鬱 作:sognathus
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提督は漣と天龍を連れてお見送りに来ました。
彼女「それじゃそろそろ行くわね」
提督「ああ、元気でな」
彼女「あなたも。あまり無理してはだめよ?」
提督「分かっている」
武蔵「大佐、またな。短い間だったが色々楽しかった」
提督「武蔵、あっちにいる親父殿や大和にもよろしくな」
武蔵「承った。必ず伝える」
天龍「おい漣、武蔵ってあんなだったか?」コショ
漣「いいえ。少なくとも漣が知っている武蔵さんはもっとツンツンでした」コショ
天龍「大佐だと思うか?」コショ
漣「多分」コショ
提督「おい、二人とも何をこそこそしている。別れの挨拶くらいしっかりしないか」
天竜「っと、悪ぃ。あー......えっと、しょ、少将殿もお元気で?」
武蔵「なんで疑問形なんだ。あと、上官に対しては敬語を使え」ギロ
天龍「申し訳ありませんでした!」(あれ? やっぱりいつも通り?)
漣「申し訳ありませんでした!」(気のせい?)
彼女「武蔵、それくらいでいいわよ。礼儀を教えるのはいいけど、あまり高圧的にしてもダメよ?」
武蔵「む......すまない。二人とも悪かったな」
天龍「へ? ああいや、べ、別に気にしてないぜですから!」
漣「天龍さん言葉が......お心遣いありがとうございます!」
彼女「ふふ......大佐、いい娘に育ててるじゃない」
提督「俺がこいつらに恵まれていただけだ。運が良かった」
彼女「そう? まあいいわ。あ、本当にそろそろ行かないと。武蔵」
武蔵「うむ」
武蔵は港から海の上に浮上すると、白く光って戦艦の姿へと変わった。
天龍「ほえー、いつ見てもでっけーなぁ」
漣「カッコいいですっ」
彼女「当然よ。私の自慢の娘だからね」
提督「いいコンビだ」
彼女「ふふ、ありがとう。あ、大佐」
提督「ん?」
チュ
天竜・漣「 」
彼女「......うん。これでいい。じゃ、またね」
ブォォォォォ
提督「......」
天龍「なぁ、大佐」
提督「なんだ」
天龍「今の、何?」
提督「なに、とは?」
漣「キスの事です!」
提督「ああ、仲直りをしたからな」
天龍「仲直りしたらキスをするのか!?」
漣「それって本当ですか!?」
提督「何を言っているんだお前達は」
天龍「......よし、俺は大佐に宣戦を布告するぜぇ」
提督「布告してどうする。戦争でもする気が」
天龍「喧嘩だ! んでもって仲直りしてキスだ!」
漣・提督「......」
漣「その発想はなかったです!」
提督「いや、違うだろ。明らかに思考がおかしいと思わないのか。故意に喧嘩をしては、仲直りも何もあったものじゃないだろ」
天龍「えっ、そ、そうなのか?」
提督「......今度龍田に教えて貰え」
天龍「龍田に喧嘩を売れって事か。解ったぜ!」
提督「......」(いい薬になりそうだから黙っておこう)
漣(え、止めないの?)
天龍「あー、でもいいなぁ。俺も彼氏欲しいなぁ」チラ
提督「那智なんかどうだ? 性格も凛々しくて、お前の事も守ってくれそうだぞ」
天龍「那智は女じゃねーか!」
提督「一応それに気づくくらいには頭は大丈夫だったか」
漣(ひどい......。でも、天龍さんなら仕方ない気もする)
提督「漣」
漣「え? あ、はい。なんでしょう?」
提督「お前も彼氏が欲しいのか?」
漣「ええ!? な、なんですか急に!?」
提督「いや、天龍を見てたら何となくな」
天龍「それってどういう意味だよ!?」
提督「(無視)で、どうなんだ? 答え難いなら別にいいが」
漣「あ、欲しいかも......です」
提督「そうか、判った。天龍、手を」
天龍「え? な、なんだよ......ほら」サッ
提督「漣も、いいか?」
漣「あ、はい。お願いします!」
提督「うむ」
ギュッ
天龍・漣「え?」
提督「おめでとう。カップル成立だな」
天龍「だから俺は女で、漣も女だろうが!」
漣「い、いくら男っぽい天龍さんでも漣は、ちゃんと男の人がいいです!」
天竜「誰が男っぽいだ!」
漣「いつもじゃないですか!?」
提督「こら、二人ともやめないか」
天龍「でも大佐、漣が......」
漣「何言ってるんですか! もとはと言えば天龍さんが男っぽいのが......」
提督「まぁ、そこまでにしておけ。ほら、天龍仲直りのキスだ」
天龍・漣「え?」
提督「ん? 天龍は喧嘩をして仲直りのキスをしたいんじゃなかったのか?」
天龍「大佐......最初から俺を躱す為に嵌めたな?」
漣「あざとい! あざといです大佐!」
提督「漣には悪いが、天龍を見ていると何となくな」
漣「あ、それ解ります」
天龍「なんでだよ!?」
ギャーギャー
それは、少将との別れを惜しむ気持ちを誤魔化す為だったのか、提督の狙いは見事的中し、その帰り道は基地に着くまでずっと賑やかだった。
あぁ、久しぶりに軽い話を書いた気がします。
こういうネタがポンポン浮かべばいいのですが。