イングランドにおいて20歳~24歳の子宮頸がん罹患が増えているのは事実[ http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20180131#p1 … ]。検診開始年齢が25歳から24.5歳に下げられたためです。いわゆる「スクリーニング効果」「ハーベスト効果」にも関係してきます。
この部分ですが、25歳の誕生日には必ず検診ができるように、24.5歳から検診のお知らせが届くようにしているということです。
以下の表でわかるように、2010年から一部の人は24歳未満でお知らせを受け取っており、また、2014年でも24歳未満に受け取ったのが19万人、25歳以降に受け取ったのが43万人でした。
もし、郵送時期が早まったことが増加の原因なら、子宮頸がんの統計だけでなく、子宮頸部上皮内がんにも影響がみられるはずですが、2015年に上皮内がんは増加していません。
子宮頸がんの診断を受けるのは、検診のお知らせを受け取って、予約を確認して、まず細胞診をして、異常があれば、組織診をして診断となるので、たとえ24.5歳+αで検診のお知らせを受け取っても、実際の診断日は、組織診の日になるので、25歳以降になることもあります。そして、25歳でスクリーニングを受けるのは郵便を受け取った人の60%以下です。
上皮内がんの罹患率 (2016年のデータは最終データではありません)
24.5歳からお知らせを発送するように変更になった理由は、以下の図のためなのかと思います。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3708588/
イギリスでは、検診開始年齢を下げなくてはならなくなったわけですね。
「実際の診断日は、組織診の日になるので、25歳以降になることもある」というのは正しいですが、やはり反論になっていません。別にこれまで25歳以降に診断されて人全員が25歳以前に診断されなくても、一部のみが25歳以前に診断されるようになっただけでも、20歳~24歳女性の子宮頸がんは増加します。もともとの分母が小さいので、増加の幅も大きく見えます。
24.5歳に検診お知らせのメールが届くように徹底されてきたのは2016年ころのようで、今、2014年と2015年の差を調べています。
政策も、could から may そしてmust に変化しています。
ここでの子宮頸がんはすべて invasive ですから、2004年に開始年齢を25歳にあげることを決定した人たちと、2009年にレビューをした人たちの責任の問題にもなるので、公には24.5歳になったとは宣伝されていないと思います。
決定した人の中には23歳に下げたい人もいるようですが、25歳未満では検診の害の方が利益よりも大きいとさんざん言い続けた人たちなので、ワクチンを接種しているのに子宮頸がんが減らないことに疑問を感じているはずなのですが、きちんと調べて新しいエントリーで書きますのでお待ちください。