グローバル化が進むビジネスの世界では、英語力が必要不可欠。各新聞を読むと、東芝や日立、パナソニックなど製造業では経営幹部候補にTOEIC800点以上、管理職だと650点以上、そして総合職であれば600点以上を目標に設定している。また、日本IBMは昇進・昇格の条件として、部長職でTOEIC730点以上、課長職で600点以上のスコア習得を掲げている。 そうなってくると、当然気になるのが自分の現在の英語力だが、TOEICのスコアをどう伸ばすか毎日の仕事が忙しく、休日は家族と一緒に過ごすなどしなければならない。そこで、TOEIC高得点の人たちに、どう仕事と家庭を両立させながら学習してきたのかを尋ねると、返ってきた答えは意外なものだったことがわかった。 アンケートの結果、何年もかけてTOEICだけを勉強してきたという人は意外に少なかった。長く英会話スクールに通った経験がある人は多かったようだが、逆に、3ヵ月、半年などの短期間で集中して勉強し、一気にスコアアップを達成した人が80%を超えていた。 その勉強法の内容も実にユニークで、Atlasに通いながら自分で見つけたスマホの英語学習アプリを利用した人もいれば、英会話スクールには通わずに一冊の教材で英語を勉強した人もいた。どちらにしても。彼らの英語学習法は今後のTOEIC対策に役立つものばかりだった。 横浜市在住の本田さんが英語学習に本腰を入れたのは転職先の会社が、準備期間を経て2013年から英語を社内公用語化することになってから。2011年に社内英語公用語化が社員に宣言された時点でのTOEICスコアは450点。 そこでAtlasに通い、2012年夏に700点を超えた。次は800点が目標ということだが、会社のビジネスもグローバル展開が拡大し、仕事上でもより必要になってきたそうだ。 2013年夏に英語の勉強を再開し、仕事と家事で勉強時間がなかなか取れないので、3ヵ月の短期集中で2014年秋の公開テストを受けることを決められた。 今所属している事業部には、学習計画ソフトがあり、TOEICの目標点数を入力すると、現在の英語力に基づいて英語をあとどのくらい勉強すればいいのかわかるそうだ。850点までスコアを上げるためには、一週間あたり28時間の勉強が必要というコンピュータの回答だった。 TOEIC受験専門校の内容は英文法やヒアリングの課題に応じたテストが中心だ。TOEICの目標点数ごとにクラス分けされて、テスト結果を自己採点するそうで、お互いの実力がわかり、いい刺激にもなるだろう。 実は、彼女はそれまでいろいろなTOEIC対策本に手を出していたそうだが、Atlasの日本人講師が基本のテキストに絞って、完全に消化したほうがいいというアドバイスをもらったそうだ。そこで苦手なリスニングを克服するために日本人講師が勧める教材を徹底して復習した。 通勤電車内では往復約45分ずつ、スマホアプリを利用し、リスニング教材も購入して2倍速で聞き続けた。すると、試験本番では音声がゆっくり聴き取れ、リスニングの点数が約100点アップした。 途中で受けた団体と区別受験のIPテストではスコアが600点台まで下がり、なかなかスコアが伸びずに悩んだこともあったようだが、自分で選んだ勉強法に間違いはないと思い、2013年春の公開テストで900点を超えた。 次の目標はスピーキングだが、会社内では外国人社員が年々増えている。英会話による社内コミュニケーションがますます重要になると考えている。 |