600点台の人から良く聞かれるのはテスト本番は時間が足りずに苦労した、という感想だ。リスニングでは正解を選んでいる間に次の問題文が読まれたり、リーディングでは長文まで手が回らず最後は適当にマークしたりする。 ここで、問題や選択肢をもっと早く読まなければならないのでしょうか。いや、そうではない。本当に足りていないのは、時間ではなく戦略。戦術といってもいい。たとえば、リーディングのセクションでは、75分間をどう使うかは、自分でマネジメントしなければならないのだ。 パート7は長文問題なので大変だが、ちゃんと読めれば正解できる可能性のほうが高い。しかしパート5と6の穴埋め問題で時間を使い過ぎるから手が回らなくなるのだ。 ここでパート5、6をいかに短時間で終わらせるかという話になるが、実は読まなくても解ける問題もある。パート5では15問以上、パート6にも8問ほどある。これは問題の前後を見ただけで正解を選べるのだ。 真面目に文等から問題を読んでいけば、正解を知っていたとしても約20秒はかかる。しかし、マークするだけなら5秒もかからない。それが25問あるから1問につき約15秒の短縮になる。そうするとパート7にかける時間を約7分も捻出できるというわけだ。 正解を知っていれば解けるし、知らなければ解けないだけだ。そもそも解けない問題に時間を費やすのは無駄だから、解ける問題と解けない問題を見極めて、解けない問題はいさぎよく捨てていこう。なぜなら解けない問題はどれだけ時間をかけても解けないからだ。 正解できる問題を確実にスコアにしていく。そのために成果が出やすいパート2→5→6→1→7→3→4の順に学ぶのが正しい順番だ。それぞれのパートに攻略テクニックがある。解き方を知って過去問題集でトレーニングを積もう。少し難しめの教材を使うと本番が楽に感じるようになる。 もちろん、テクニックはすべてではない。語彙力の強化も必要。特に同義語が重要だが、同義語を知っていると解ける問題はパート3、4、7にある。 日本人の英語学習者に多い完璧主義が、TOEIC対策のみならず英会話レッスンの受け方やコミュニケーション方法そのものが足かせになっている。出題された順番通り、設問文も問題文も完璧に理解して正解しないと、本当に英語を使えるようにはならないと思っている人がいるが、そんなことはない。 TOEICは技術だけで高スコアが取れるほど簡単ではない。知識と技術があってこそ高スコアが取れるテストだ。それはあなたのビジネスチャンスを広げ、自身にもなるはずだ。そのためのベストを尽くすことが大事なのだ。 |