今回は、サン.フーズの甲州韮崎 ザ・プレミアムを飲んでみます。

何がプレミアム?

nirasaki_pre_甲州韮崎は、これまでオリジナル、ゴールド、ピュアモルトの3種類が売られていました。
そこに、今年2月から、ザ・プレミアムが加わりました。

しかし、公式サイトを見ても、何がプレミアムかが明確にわかりません。
Amazonで確認して区別がつくのは、ゴールドがアルコール度数37度に対して、ザ・プレミアムは40度という違いだけでした。オリジナルは37度に加え、スピリッツを加えている違いがあります。

さらに、原酒として何を使っているかも詳しくなく、一般の消費者から見ても違いがわからないでしょう。
全国で多くのメーカーがウイスキー造り、販売が広がっている状況で、このサイトでウイスキーを売る気があるのかわかりません。むしろ公表出来ない事情があるのでしょう。

プレミアム感ゼロ

ではストレートから飲みます。今回は比較対象として、甲州韮崎 ピュアモルトも飲みます。
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りはブドウが軽く訪れます。

口に含むと、先にゴムがやってきて、その後はレーズン、プルーンの濃厚な香りが続きます。締めにカカオ、ナッツ、カラメルが感じ取れます。
味わいは、アルコールの辛みはそこそこで、その後は酸味が支配します。

一方でピュアモルトは、フレッシュなブドウの香りがやってきて、後から青リンゴも感じられます。
味わいは酸味と共にほろ苦さもやってきます。一方でアルコールからの辛さは控えめです。

ロックでは、カラメルの香りが表に出てきて、ピートも若干顔を出します。ゴムやレーズンは一歩引くようになり、ウイスキーらしさが目立ちます。
味わいは、ビターが強めになりますが後味に甘みが感じられます。

一方でピュアモルトは、青リンゴの香りが揮発し、ブドウと主従が逆になった雰囲気となります。奥からはバニラも感じられます。
味わいは、甘みが前で酸味がほどほどの印象で、かなり飲みやすくなります。

ハイボールにすると、ザ・プレミアムはゴムの香りの後、レーズンが追いかけてきます。
味わいは酸味が少々目立っています。

一方でピュアモルトでは、ブドウとリンゴの香りが口に広がります。
味わいは、比較的甘みが前に出ていて、飲みやすさを感じます。

正直言って、プレミアムとつけるほどの香りや味わいはありません。300円ほどの違いしか無いピュアモルトと比べても大きく水をあけられていて、オリジナルやゴールドに対してもコスパで負けています。
ストレートであれば、それなりのウイスキー感はあるものの、加水すると腰砕けになる印象です。

700mL、アルコール度数40度、価格は1600円ほど。
価格帯で見れば、ブラックニッカやサントリーオールド、ノンエイジのブレンデッドスコッチと比較されますが、それらと比べてもかなり劣ります。
今時のジャパニーズウイスキーなら珍重されると、プレミアムの名をつけてこの価格設定にしたのであれば、勘違いも甚だしいと思います。消費者を騙すのも大概にしてほしいものです。

私であれば、もうちょっとお金を出してピュアモルトを買うか、1000円でおつりが来るゴールドを勧めます。

<個人的評価>

  • 香り C: ストレートではゴム、レーズン、プルーンが先立ち、ナッツ、カカオが締める。加水で軽いスモーキーさが出る。全体的には薄い。
  • 味わい D: 酸味が前、後からビターが来るが、ロックでは甘みもそこそこ。ただ、全体的に単調。
  • 総評 E: 同価格帯のウイスキーよりも格段に劣る。プレミアムの名が泣く。


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