保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇 」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。

「令和」への首相説明には平成を継承する視点が欠けている

公開日: 更新日:

(3)平成という時代とのつながりより、新しい時代といった表現で差異化している。



 むろんこのほかにも多くの特徴が見られる。しかしこの主要点を見ていけば、「令和」という元号の決定にはこの3点が凝縮されていると言っていいであろう。個別に言えば、(1)についてだが漢籍から採るというのは、国家の目標ともいうべき方向性が示される。

 どうあれ国家主義的な意味が強い。天皇にはそのイメージがかぶせられる。しかし、万葉集から採るのは、人びとの生活感から採ったということになる。あえて言えば、国家主義的方向から国民主義的な方向に、元号の決定が移ったといっていいかもしれない。

 もし、これが古事記や日本書記から採ったというのでは、皇国史観と言われるだろうが、その批判を避けている知恵が見える。加えてこの国は1400年の歴史を持っているという言い方も、皇紀での年号の数え方に距離を置いたようにうかがえる。

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