あなたの英語勉強法は、自分のレベルに合っているだろうか。知らないうちに勉強のための勉強になっていないだろうか。最新の英語勉強法に、もう一度自分のやり方を見直してみよう。 近年、楽天やユニクロのように、いきなり会社から「TOEIC600点以上を取らないとクビ」と言われた人は多い。TOEICスコアを異動や昇進の条件に設定する企業は年々増えている。 英語が業務に直結するならいいが、海外市場に拡大するなんて差し迫った事情もないのに、「TOEICを受験してこい」と言われても戸惑ってしまう。しかし、会社の命令を無視するわけにもいかないあなたには、ある英語の学習法をお勧めしたい。 Atlasマンツーマン英会話に通うAさんがはじめて挑んだTOEICテストが355点。それから1年勉強して735点、さらに1年勉強して990点(満点)を取ることができた、と言うと「元々英語が得意だったんだろう」といわれそうだが、それは違う。別にもう勉強もしてない。 仕事で英語を使うこともなく、英語圏への留学経験もなく、むしろ学校の英語の授業は嫌いだったほうだ。それでもTOEICに挑戦したのは通勤時間を利用したかったからで、英語の勉強は会社に通う月曜日から金曜日の往復1時間半ほど、試験前は昼休みと土日にも少し勉強して週10時間程度だった。 そんないい話があるか、と思われるかもしれないが、もちろん話にはウラがある。990点満点は取ったが、未だに英語が特に会話が苦手だと言う。 TOEICには英語の四技能と呼ばれる「聞く」「読む」を試されるが、「話す」「書く」は試されない。つまり、TOEIC対策だけをしたのであって、英語力全般を上げたわけではないと言う。でもそれでもいいので、「とにかく短期間で一定のスコアをとらなきゃいけないんだ」という人もきっと多いはずだ。 その方法は、まず中学英語レベルの英文法をサラっとおさらいして、単語本と付属のリスニングCDを使い、語彙を増やす。これは頻出語句を例文と共に覚えられる教材を使い、文法や読解問題だけでなくCDでリスニング力も強化できるもの。 試験の1ヵ月前からTOEICテスト新公式問題集で、実践形式の問題も解いていく。あるいは1年も時間をかけられない場合は、最初にこの問題集をやってもいいと思う。まずは、どのくらい時間が足りないのかを体感して、本番で適当に解答するところと、確実にスコアを撮れるところを決める。インターバルの間に設問文を先読みするなどのテクニックもある。そういうのを知ってテストに臨むのと知らないで臨むのとでは結果が大きく変わってくるのだ。 こうして見ると、これは英語の勉強というよりはテスト対策になるのだが、短期間にスコア達成を迫られた人は最短距離を通るべきで、例文ごと丸ごと暗記して語彙力と構文力をつけるのは基礎固めとしては王道なのだ。 TOEICのために英語の勉強をするなんておかしいと思われるかもしれないが、客観的な目標があるほうがモチベーションの維持がしやすいし、自分ではスピーキング力も上がった実感がある。会話はリスニング力と語彙力に左右される部分が大きいからだろう。TOEICのようなテスト対策でも、やって無駄になることは何一つない。 TOEICとはどんなテストなのか。 アメリカの非営利団体ETSが開発・運営を行い、日本では国際ビジネスコミュニケーション協会が実施している英語テスト。一般のTOEICテストは「聞く・読む」の二技能判断で「話す・聞く」がない。満点は990点。その時々の全受験者の問題ごとに正答率を算出し、標準偏差値により配分調整しますので全問正解をしなくても満点になることがある。公開テストは年10回全国80都市以上で実施されている。 |