欧州委がネット規制提案へ、テロ扇動排除で FT報道

2018/8/20 18:06
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【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)の欧州委員会がテロ行為をあおるような画像や文書、音声をインターネット上から排除するため、ネット関連企業への制裁金などを柱とする新規制を検討していることが分かった。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が19日報じた。EUはこれまで企業による自主的な対応を求めてきたが、テロ防止には不十分として法的な対応に踏み出す。

FTによると、新規制ではフェイスブックやツイッター、グーグル傘下のユーチューブなどのネット関連大手が主な対象となる見通し。警察や法執行機関がテロを扇動する内容だと判断すれば、1時間以内に削除するよう義務づけ、違反すれば罰金を科す可能性がある。欧州委は9月に加盟国と欧州議会に新規制案を提案する方針だ。

EUは欧州で相次ぐテロへの対応策の一環として、過激派組織のプロパガンダ動画などインターネット上でテロ行為を扇動するようなコンテンツの早期の発見、削除を企業側に求めてきた。

3月には欧州刑事警察機構(ユーロポール)からテロを扇動する内容だと通知されてから1時間以内に削除するよう企業に求める包括的指針を公表。必要ならば法制化も辞さないとしていた。

FTによると、EUでテロ対策を担うキング欧州委員は企業側の対応は「不十分」と指摘。「EU市民の保護を強化するため、より強力な措置をとる」と語った。

一方、ヘイトスピーチやフェイクニュースの削除は企業側の自主的な協力に基づく対応を継続する方向だ。問題のある画像や文書のネットからの削除を巡っては、公権力による検閲を正当化し、表現の自由を阻害しかねないとの批判もくすぶっている。

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