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【競馬・ボート・競輪】

[競馬]桜花賞 型破り桜冠アレグリア 衝撃度はアーモンドアイ以上

2019年4月8日 紙面から

4コーナーで先頭に並びかけるグランアレグリア(中)=阪神競馬場で

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 「第79回桜花賞」(GI・芝1600メートル)は7日、阪神競馬場で行われ、2番人気のグランアレグリアが1分32秒7のレースレコードでGI初勝利。3歳牝馬三冠レースの第1戦を制した。2馬身1/2差の2着は7番人気のシゲルピンクダイヤ、首差の3着は3番人気のクロノジェネシス。1番人気のダノンファンタジーは4着だった。C・ルメール騎手(39)=栗東・フリー=は昨年のアーモンドアイに続く2勝目、藤沢和雄調教師(67)=美浦=は04年のダンスインザムードに続く2勝目。

 中111日の休み明けもノープロブレム。グランアレグリアが、絶対的なスピードと能力の違いを見せつけ、3歳牝馬最初の三冠レースで圧勝劇を演じた。

 前走の朝日杯FSは、直線に向きトップギアに入る前に勝ち馬に馬体を寄せられ、スピードに乗れず3着。「前走で勉強した」と振り返るルメールは、今回は4番手追走から4コーナー手前で早めに動いた。逃げたプールヴィルに外から早々に並びかけると直線に向いて一気にトップギアへ。「他の馬のポジションが分からなかったからゴールまでステッキを使った」と振るったこん身のムチに応え、上がり3F33秒3の瞬発力を発揮。後続の追い上げを封じた。

 1分32秒7は昨年アーモンドアイが記録した1分33秒1を上回る圧巻の桜花賞レコード。前半3F35秒4は過去10年で2番目に遅いが、その分、レース全体の上がり3F33秒3は最速。直線入り口で先頭に立ったグランアレグリアにこの脚を使われては、後続馬はなす術がない。

 昨年のアーモンドアイに続く優勝にルメールは「平成最後の桜花賞。クラシックはいつも特別なのでうれしい」と破顔。この日は、父パトリスさん(65)、母マリさん(64)も観戦。「両親の前でGIを勝つのは初めて」と特別な1日の喜びに浸った。

 2004年ダンスインザムード以来の桜花賞制覇となった藤沢和師は「デビュー戦の内容が強かったので、もしかしたらと思っていた」とすぐに大舞台での優勝を予期していたことを明かし、年明け初戦での挑戦には「前走の疲れが抜けきれなくて、冬毛が出てぶっつけの方が牧場で調整しやすいということだった。乗り込んでいたので、美浦では調整程度でした」と不安なく迎えた1戦であることを強調した。

 スピード能力に優れた馬だけに今後の路線が気になる。オークスかNHKマイルCかどちらが良いと思うか尋ねられたルメールは「NHKマイルC」と即答。藤沢和師は「うちには1頭オークス向きの馬(コントラチェック)がいるので、オーナーと相談してマイルCになるかもしれません」と話した。

 仁川のスタンドにぎっしりと詰めかけたファンの前でルメールは「またGIを絶対勝てる馬」と断言。今後も、そのスピードで魅了してくれそうだ。 (高橋知子)

 

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