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2019-04-08

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・いまの季節、いまの時期に、
 日本を観光で訪れている外国の人たちは運がいい。
 だって、どこに行こうが、どこに泊まろうが、
 あのピンクの花がこんもりとたっぷり豊かに
 咲き誇っているのだもの。

 川があればその畔に、山があればその麓に奥に、
 公園にも、学校にも、どなたかの庭にも、
 桜の花が咲いているのである。
 新しい芽がふいて小さなつぼみが見えたころも、
 満開になるまでの艶やかな花の移ろいも、
 散りはじめて風や光と遊んでいる花びらの舞も、
 ソメイヨシノが終わってからだって
 ここから本番だとばかりに花を開く昔ながらの桜たちも、
 すべてたのしんだら、三月、四月、五月と、
 けっこう長丁場の舞台を堪能することができる。

 この細長い緑の島国のあちこちが、桜の色に染まるのだ。
 世界中の景色を、ぼくは知ってるわけではないけれど、
 この季節の桜の舞台は、
 どこのだれにでも自慢できる盛大な催しだと思う。

 春に日本にいらっしゃい。
 他の用事がある人も、別のたのしみがある人も、
 ついででいいので、桜をたのしんでいってください。
 外国のともだちがいたら、そう伝えてあげたい。
 桜、さくら、SAKURAが、
 日本のひとつの象徴のようにも語られているけれど、
 絵画や写真やデザインではなく、
 実際の桜の下を歩く体験をしたら、
 いつまでも思い出に残るだろう。
 だって、毎年桜を観ているぼくらだって、
 新しい春になるたびに、桜の花をよろこんでいるのだ。
 国際会議とか、スポーツの国際大会とか、
 ほんとうは、この季節に合わせて開くほうがよかったね。

 桜は木に咲くから、遠くから見ることもできる。
 その下に立ち止まって見上げることもできる。
 桜が、ちょっとだけ得意でないことといえば、
 犬といっしょに写真を撮られることぐらいかな。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
他にも、桜茶や桜あんぱんとかで香りもたのしめるしね。


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