小池知事「円滑」発言の裏で豊洲市場エレベーター事故続出
エレベーター以外にも問題はある。建物内外を遮断する自動開閉式の扉「シートシャッター」だ。建物内の低温管理を売りにした豊洲市場では、外気が室内に入り込むのを防ぐための必須の設備だが、シャッターが閉まる際、ターレや人が激突する事故が多発しているのだ。
移転前の築地市場(2016年)の事故状況を見ると、年間計357件発生。
こうした状況を踏まえ、都は「築地は古い、汚い、危ない」として、豊洲移転を決めたはずだが、状況はまったく変わっていないのだ。
「平面構造で外気にさらされていた築地市場に比べ、立体構造で密閉された豊洲市場では、エレベーターが増え、シートシャッターが新設されることは分かっていたはずです。ターレなどの車両がどの程度の速度で、どのように走るのか、都は事前に検証できていたのでしょうか。しっかりと検証できていれば、ここまで事故が起きることはなかった可能性があります」(建築エコノミストの森山高至氏)
もはや豊洲市場はいつ、大惨事が起きても不思議じゃない。一度立ち止まって再考するべきじゃないのか。