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2019-04-07

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・あなたは、たとえば、
 大量のさんまを焼く機会があったとして、
 それだけさんまを焼くと、着ていた服なんかもう、
 いくら洗濯しても匂いがとれないぞ、
 というような場合、そこに着ていく服を持っていますか。

 雨が降りそうな野外の催し物があって、
 地面がぬかるんだり泥んこになったりするかもしれない。
 そういうところに向かうとき、
 どういう服を着てどういう靴を履いていきますか。

 海外のロケ仕事があるのだけれど、
 どうやらそうとうに厳しい場所に行くことになりそうだ。
 こんな場合に、服や靴はどうしますか。

 ぼくは、ダメになってもいい服や靴を、
 けっこう持っています。
 ほんとうは捨ててもいいのですが、
 上記のような事情のある外出に備えて、
 捨てないでとっておいてあるのです。
 しかも、そういう汚れたり濡れたりするような機会は、
 一回だけではないと思われるので、
 何着も、何足も、捨てても惜しくない服と靴を
 用意できるように、大事にしまってあります。

 だから、ぼくの持っている服や靴のほとんどが、
 捨てても惜しくなくて、ふだんはほとんど不要な
 服や靴なのであります。
 すごいでしょう、ぼくの準備のよさは。

 「要らないがゆえに役に立つかもしれない」
 というものを、ぼくはたっぷり所有しているのです。
 主に、服と靴のことを言っているつもりでしたが、
 もしかしたら、他のいろんな領域のことについても、
 「ほんとは不要であるがゆえに、捨て駒にするもの」
 というやつを、溜め込んでいるような気もします。
 それでいいのではないか、という気持ちも残っています。
 と同時に、いらないものでいっぱいの頭のなかについて、
 それは整理すべきじゃないかと思ったりもしてます。
 じぶんという密林は、わけわからない謎のままです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「それはおまえ自身のことか?」とも、ちょっと思います。


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