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日本だと重婚できないので、幼なじみハーレムを作るために異世界に行きました。 作者:うえき
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やばい、幼なじみを巻き込んでしまった…

気がつくと堅い地面の感覚がある…

本当に異世界転移してしまったのだろうか?


しかし、元気はこわくて目を開けることができない。

本当にあの女神の言う通りなら、令子と和佳も一緒に来ていることになる…


勝手にふたりを巻き込んでしまった…

なんて言われるのだろう?


おそるおそる目を開けていく…


よかった!!

誰もいない。


そう安心したのも束の間、後ろから悲鳴が聞こえる。


???

「キャーーーーー!!

どこよここ。

どうなってんの!?」


振り向くと令子が叫んでいる。


その隣には和佳もいる。

和佳のほうはびっくりして言葉を失っているようだ。


令子

「元気に和佳もいるの!?

どうなってるのこれ?

学校で部活をしてたはずなのに。」


まずい…

どうしよう…


しらばっくれようか?

でも謝るなら早いほうがいいし…


和佳

「びっくりした~。

どうなってるんだろうね?

まあよくわからないけど、二人がいて安心したよ。」


そう言って和佳が無邪気そうに笑う。


よし…

謝ろう。


元気

「ごめん、実は俺のせいなんだ。

道端でアンケートをやっていて…」


かいつまんでふたりに状況を説明する。

3つ持って行ける物の下りは、誰と行きたいかに変えておいた。


令子

「つまり、あんたが勝手に私たちを巻き込んだってこと?

大事な試合の途中だったんだけど!?

っていうかこれ、元の世界に帰れるの!!?」


やばい…

元の世界の帰り方なんて聞いていない。


大体、こういうののお約束だと元の世界に帰ることはできない。

素直に答えてしまったら、なおさらおこりそうだ…


和佳

「まあまあ落ち着いてよ令子ちゃん。

元気くんだって、その女神様の話を本気で信じてなかったから安請け合いしちゃったんだし。

とりあえず、みんなで状況を確認してみよう?」


和佳が令子に”落ち着くように”と言ってくれる。

元気も一度、深呼吸をする。


先ほどから気がついていたのだが、令子と和佳がごわごわした布の服を着ているようだ。

ふと自分の体も見てみる。


元気

「なんか、服が変わってるな。

それに靴も。

右肩にリュックもかかってるし…」


令子

「そうね、服と靴が変わってるわね。

リュックをかけてるのは元気だけみたいだけど。」


和佳

「場所は、草原みたいなところだね。

前には森があるし。


太陽の位置からすると、時間は日本と変わらないのかな?


後ろは…

遠くに見えるのは街かな?」


確かに遠くに街と思しきものが見える。

とりあえずそっちを目指せばいいのだろうか?


その前に右肩のリュックの中身を確認する。


元気

「はみ出してるのは長い木の棒か。

結構太くて丈夫そうだな。


中は…

木刀に木の盾、小刀と木の杖?


それに…

金属板?が3枚に、これはメモみたいだな。」


メモを手に取り読み上げる。


「とりあえず初心者セットと小刀、ギルド証を入れておいたよ。

まずは今いる場所から見える街を目指すといいんじゃないかな?


元気くんにはお望み通り、ふたりを守れるようなスキルをつけといたよ。

令子ちゃんと和佳ちゃんもスキルなしじゃかわいそうだったから…

もともとの能力を参考にいくつか見繕っといたからね!!

ちなみに読み書きの能力はデフォだよ。


あと、日本の家族とかクラスメイトとかのことは心配しないでいいよー。

3人とも急遽、海外留学に行ったことにするね。

記憶のほうをちょちょちょいっていじっとくから。


どうしてもお金が必要になったら小刀を売るといいよ。

美人で優しい女神様より。」


令子

「家族が心配しないで済むようにしてくれたのはありがたいけど…

記憶をいじれるなんては恐ろしい女神様ね。


それより、女神さま美人だったの?

美人のアンケートだったからほいほい釣られたの!?」


元気

「そんなことないって…

美人っていうか幼女だったし。」


確かに美人のお姉さんのアンケートだったからほいほい釣られたわけだが…

女神さまは幼女だったので嘘は言ってない。


もっとも、お姉さんと女神さまが同一人物の可能性もありそうだが。


和佳

「まあまあ落ち着いて令子ちゃん。

ところで、メモに書いてあるふたりを守れるようなスキルってどういうこと?」


元気

「実は、こっぱずがしくて言わなかったんだけど…

無人島に誰と行きたいかじゃなくて、”みっつ持って行けるなら何?”って聞かれたんだ。

それで…令子と和佳と、ふたりを守る力って答えたんだよ。」


和佳

「そうなんだ~!!

なんかうれしいな~。

見直しちゃった~。」


そういって和佳が笑いかけてくる。


よし、これはいける!!

あとはいつもの仲直りのパターンにもっていけば令子も許してくれるだろう。


元気

「勝手に巻き込んで本当にごめん!!

でも令子と和佳のことを本当に大事に思ってるし…


それにふたりのことを命がけで守っていくから。

迷惑かけちゃったけど、仲直りできないかな?」


そういって手を広げ、まずは和佳のほうを見る。

和佳が嬉しそうに胸に飛び込んでくる。


和佳

「もちろんいいよ~。

ちゃんと、私と令子ちゃんのことを守ってね~。」


腕を和佳の体の後ろに回す。

女性らしい柔らかい体つきだ。


そして、元気の体にあたっている和佳の大きな胸を堪能すべく強く抱きしめる。

ふかふかで気持ちがいい。


「もうっ!!」とちょっと怒った顔をした後に和佳が笑ってくる。

最高だ!!

仲直りの口実づくりのために悪いことをしたくなる…


そんなことを考えていると後ろから咳払いが聞こえてくる。


令子

「いつまでやってるつもりなの?

まったく。」


和佳

「ごめんごめん。

はい、次は令子ちゃんの番だよ。」


令子

「別に私はしなくていいわよ。」


令子がハグを拒否してくる。

ダメ押しが必要なようだ…


元気

「そうか、令子は仲直りしてくれないのか。

残念だな…」


令子

「そんなこと言ってないでしょ!!

わかったわよ。

すればいいんでしょ!!」


そういって遠慮がちに抱き着いてくる。


令子を強く抱きしめる。

運動をしていて多少筋肉質ではあるが、やはり女の子というものはやわらかい。

和佳ほどではないが、令子の胸も決して小さくはない。


ふたりの幼なじみを抱きしめたため、息子が少し「元気」になってしまっている。

ばれないように少しだけ腰を引く。


そんな「元気」のしぐさに気づいたのか令子が腕を離してくる。

心なしか目が少し冷たい…


何はともあれ、ふたりと仲直りをすることができた。

小さいころからこの仲直りの儀式を続けてきた自分をほめてあげたい。

思春期に入ったころに令子が少し嫌がり始めて大変だった時期もあるのだ…


令子

「仲直りをしたところで、メモにあったギルド証とスキルについて確認してみましょう。

スキルのほうはギルド証に書いてあるのかしら?」


元気

「ギルド証のほうは…

名前と年齢、リーン神殿所属?としか書いてないな。」


和佳

「リーン神殿ってなに~?

元気くんいつの間に神殿所属になったの~?」


元気

「神殿所属になったつもりはないけど…

ひょっとすると、異世界転移させてきた女神様の名前がリーンなのかもな。

それだと女神さまがくれたギルド証の所属が神殿なのも納得がいくし。」


街について落ち着いたら、リーン神殿とやらを訪ねてみよう。

もしかすると、もう一度女神さまに会えるかもしれないし…

そうじゃなくても何か事情を知っている人に会える可能性はある。


元気

「スキルのほうは、自分のステータスを見る方法があるのかもしれないな。

もし見れない場合は”もともとの能力”ってのから類推して使ってみるしかないだろう。

とりあえず、みんなで「ステータス」とでも唱えてみるか。」


ひとりで「ステータス」と唱えて何の反応もないと恥ずかしいので、みんなで一斉に唱えるように提案する。


元気・令子・和佳

「「「ステータス!!」」」


何の反応もない。


よかった!!

ひとりで唱えてたら目も当てられない状況になっている。


元気

「なんの反応もないな。」


令子

「そうね。

何も見えないわね。」


和佳

「うそ~!?

私は見えるよ~!!」


なんだって!?

なんで和佳だけステータスを見ることができるんだ?


和佳

「そっか~。

私、鑑定・レベル2っていうスキルを持ってるんだ。

だから自分のステータスを見ることができるみたい。」


なるほど。

鑑定スキルを持っている人にしかステータスは見えないのか。


スキルはもともとの能力を参考につけてもらっていたな。

家がお金持ちで、鑑定眼の肥えた和佳にぴったりのスキルだ。


令子

「それで和佳のステータスはどういう風になっているの?」


和佳

「ちょっと待ってね~…」


神田和佳(かんだわか) レベル1


スキル

水魔法・レベル3 鑑定・レベル2 料理・レベル2 回復魔法・レベル1 解体・レベル1


和佳

「これっていいのかな~?

もともとの能力を参考にしてるって言ってたけど…

水魔法と回復魔法、解体って何を参考にしてるんだろう?」


令子

「さあ?

回復魔法は保健委員だからで…

解体は、料理が得意で魚を下ろしたりするからじゃないかしら?」


魚を下ろしただけで解体って。

マグロじゃあるまいに…


回復魔法なのは癒し系キャラなのも関係あるのだろうか?

水魔法は…

胸が大きいから?


元気

「とにかく和佳のステータスが見れてよかったな。

和佳、俺と令子のステータスも見れるか試してくれないか?」


和佳

「わかった。

やってみるね~。」


そういって和佳が元気のほうを見る。


和佳

「あっ!!

見えた。


「ステータス」って唱えなくても見れるみたい。

元気くんのステータスはね~…」


東郷元気(とうごうげんき) レベル1


スキル

剣術・レベル3 盾術・レベル3 挑発・レベル2

体力UP・レベル2 火魔法・レベル1 解体・レベル1


令子

「レベル3のスキルが2つもあってよさそうじゃない。

でも、もともとの能力とは全然関係なさそうね?」


和佳

「元気くんの場合はもともとの能力は関係ないのかな?

私たちを守ってくれる力にふさわしいスキルってことなのかも?

それはそうと一気に令子ちゃんのほうも見てみるね…」


進藤令子(しんどうれいこ) レベル1


槍術・レベル3 体術・レベル2 裁縫・レベル2 風魔法・レベル1 解体・レベル1


元気

「槍術と体術があるのが令子っぽいな。

部活でなぎなたやってるし。


解体はみんなについてるみたいだな。

裁縫がついてるってことは…

いまだにぬいぐるみを大事にしているようだな!!」


令子

「別にいいでしょ!!

そんなことより、属性魔法もみんなひとつは持ってるみたいね。」


確かにみんな属性魔法をひとつは持っている。

これはきっと、もともとの能力とは関係なくつけてもらったスキルということなんだろう。


和佳の水魔法だけレベル3なのも、和佳の攻撃力不足を補うためと考えると合点がいく。

にしてもスキルレベルは3もあるのに、「キャラレベル?」はみんな1か…


元気

「そういえば体力UPとか魔法はあるのに、体力値とか魔力値は見れないのか?」


和佳

「う~ん?

そうみたい。


鑑定のレベルが2しかないせいなのかな~?

ステータスに、もやみたいなのがかかってて全部見れないみたい。

スキルも全部見れてるかわからないや~。」


元気

「まあ和佳が鑑定を持っていたおかげで助かったよ。

それじゃあ、ステータス確認も済んだことだし街を目指そうか。


リュックの中に入ってる武器のほうは…

令子が槍代わりの長い木の棒に、和佳が杖っぽい木かな?


俺は木刀と木の盾で…

小刀は解体用だろう。」


令子と和佳に武器をそれぞれ手渡す。

元気の両手には木刀と木の盾を装備する。


元気

「それじゃあ街まで行きますか!!」


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