5年ぶりに味わった真っさらなマウンドは苦い結末に終わった。2014年9月28日以来の先発となった巨人の沢村は3イニング0/3を3安打4失点。チームの連勝を6で止める結果に「全体的に、自分の意図するボールを投げ切れる確率が少なかった」と悔しそうに総括した。
「緊張はしなかった。試合にはすんなり入れた」。先頭の神里にいきなり右中間二塁打を打たれ、内野ゴロ2つで失点したが、傷口は広げず。2、3回も走者を出したが、落ち着いて後続を断った。
4回に落とし穴が待っていた。先頭から筒香、宮崎に連続四球。ロペスに左翼への適時二塁打を許し、62球で降板した。春季キャンプ終盤に先発再転向を命じた原監督は「先発投手の一番の壁、あの辺を越えていかないと。もう少し時間が必要だね」とスタミナ面の課題を指摘した。ただ、約1カ月半の突貫工事でモデルチェンジに成功。リリーフの時ほど力まず、変化球の精度も上がった。再びの2軍調整が決まり「最低でも6、7イニングは投げないとチームに迷惑がかかる。課題を一つ一つ、つぶしていけたら」と再スタートへの意欲をにじませた。 (小林孝一郎)