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【千葉】<大人って… 統一地方選>政治は「自分事」選択を 学生が議員インターンシップ
「政治を『自分事』と捉え、ちゃんと候補者を選ぼう」。七日投開票の県議選と千葉市議選。議員インターンシップを通じ、それまでは人ごとだった政治と向き合うようになった大学生たちを取材し、若者が一票を投じる意義を考えた。 (黒籔香織) 「おはようございます。よろしくおねがいします」。県議選告示前の先月二十八日早朝、柏市内の駅前で敬愛大(千葉市)経済学科三年高橋海斗さん(20)=茨城県取手市=は、県議選立候補者と、議員としての実績を記したチラシを通勤客に配った。三十分でチラシを受け取った人はわずか二人。高橋さんは「残念。普段の議員の活動に興味がないのかな」とこぼした。 高橋さんは昨年二~三月、立候補者の事務所でインターンシップ(研修)をした。期間中は議員と一緒に県議会の傍聴や支持者の家を秘書と訪ね、道路補修の要望や統一地方選に向けた助言に耳を傾けた。 研修を経て高橋さんは「金もうけしか考えず、選挙のない期間は仕事していないと思っていた」という議員の印象が変わり、「あいさつ回りで一人も雑に扱わない。まちを良くしたいと活動していると分かった」と語る。 候補者を選ぶ視点も変わった。選挙で掲げる政策よりも一~二年前の会員制交流サイト(SNS)の更新頻度や、どのような内容を発信しているかに注目する。「当選後に活動してくれる可能性がある人を選びたい」と話す。 高橋さんは、若者が投票しない原因の一つは議員の活動を知らないことだと考える。六月には、高校生や大学生を対象に疑似投票や将来、総理大臣になってやりたいことを考えるワークショップを計画する。「投票に行かないと、困るのは僕たち若者だから」
千葉市議の事務所で昨年八~九月にインターンシップをした神田外語大(千葉市)英米語学科三年葛城美乃(よしの)さん(20)は、市議選の候補者の選挙をボランティアで手伝い、選挙カーに乗って選挙区内を回った。「投票はこの人『いいね!』と活動を評価する感覚。SNSで候補者がどういう人とつながりがあり、支持されているかも気にするようになった」と言う。 千葉大(千葉市)法政経学部の関谷昇教授(政治思想史)は「若い人が政治に無関心だとひとくくりにできない。社会の諸問題が自分たちに関わっていると実感できるほどの情報を得られていない」と分析する。 その上で、地域で議論する環境を増やし、自分たちの声が形になる経験をすることが大切だと指摘する。「議論や批判から政治はつくられる。投票率が低下し一部の人が主導する政治は、民主主義の形骸化になりかねない」
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