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【野球】

東邦ガス氷見、センバツ4強バッテリー復活 豊川高捕手が今春帰郷

2019年4月5日 紙面から

社会人野球で活躍を誓う東邦ガスの氷見泰介=名古屋市港区の東邦ガス空見グラウンドで(堤誠人撮影)

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 今年も東海地区の社会人野球チームに、中部圏内外の大学や高校から有望選手が入社した。愛知・豊川高から明大を経て東邦ガスに入社した氷見泰介捕手(22)は、高校時代に甲子園初出場だったチームをセンバツ4強へ導いた実績の持ち主。当時のエースだった田中空良(そら)投手と5年ぶりに同じチームとなり、挫折を味わった大学野球での悔しさを晴らそうとしている。

 東邦ガスでプレーすることを決めた理由は、センバツ4強バッテリーを復活させるため。心機一転を期す氷見にとって、これ以上の環境はないだろう。「(故郷の)愛知県で社会人野球をやりたいと考えた時、『もう一度、空良とバッテリーを組めたら』と考えた」

 2014年のセンバツでは主将として初陣チームをけん引。準々決勝の沖縄尚学戦で先制打を放つなど、4強進出の立役者となった。明大でも2年春にはベンチ入り。試合には出られなかったものの、リーグ戦優勝を決めた瞬間をユニホーム姿で経験した。

 3年生になって正捕手を期待されたが、ここで壁にぶつかった。「変に結果を気にしてしまい、(二塁へ)投げられなくなったし、打撃でも思うように振れなくなった。できるはずなのに、できない。全てがおかしい感覚だった。歯がゆい思いしかない」

 下級生に先発マスクを譲ることも多く、先発出場しながら1イニングで代えられたこともあった。攻守とも本来の力を発揮できないまま、4年間の大学野球生活を終えた。

 社会人球界では、一からの再スタートとなる。自信があるのは捕球してからの素早い送球と、巧みなバットコントロール。「5月の都市対抗2次予選にレギュラーで出られるように、チームからの信頼を勝ち取りたい」と正捕手奪取を目標に掲げる。

 もちろん、最大の目標はチームの勝利だ。明大では、捕手出身の善波達也監督(56)から「勝てる捕手になれ」と教えられた。「社会人野球は結果が全て。個人の数字よりも、勝利に貢献できる捕手になりたい」。都市対抗大会では1大会で2勝以上を挙げたことがないチームを、何としても上位に導く覚悟だ。まだ、公式戦で田中とはバッテリーを組んでいない。それでも、3月の東京大会と東海地区春季大会では1試合ずつ先発マスクをかぶり、ともにチームの白星に貢献した。甲子園を沸かせた黄金バッテリーを復活させ、再び輝きを取り戻す。 (堤誠人)

 ▼氷見泰介(ひみ・たいすけ) 1996(平成8)年6月26日生まれ、名古屋市出身の22歳。173センチ、74キロ、右投げ左打ち。捕手。名古屋北シニア時代に全国大会出場。愛知・豊川高では主将だった3年春の2014年センバツに「3番・捕手」で打率4割3分8厘と活躍し、4強進出に貢献。同年夏は愛知大会5回戦敗退。明大では通算19試合に出場し、通算打率1割6分2厘。今春、東邦ガスに入社。

 

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