提督の憂鬱 作:sognathus
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そんな様子をその日の秘書艦の望月は、不可解そうに見ています。
何があったんでしょう......とは言いません。
加賀達の様子がおかしい。
早朝から望月はそう感じていた。
金剛はともかく、加賀が朝から笑っていたからだ。
望月(あの加賀さんがいつものポーカーフェイスを崩して、僅かだけど始終笑みを......)
金剛「~♪」
望月(金剛さんはいつも通りに見えるけど、加賀さんとと目が合うたびに凄く嬉しそう顔をして笑ってる......。一体、何が......?)
望月「大佐」
提督「......なんだ?」
そんな二人に対して提督はいつも以上に疲れているように見えた。
明らかに何か悩んでいるようだった。
望月「あ、いや......どうかした? 元気ないね」
提督「まぁな。ちょっと資材が、な」
提督(朝から起きて早々、加賀の欲求に応じてしまったからな。予測通りだが、金剛の相手も一緒にしたから体力が......マズイ)
提督(更に自分の淫乱さに嫌気がさしているところにこの資材の状況......キツイな。本当に)
望月「ん? あー、弾薬がまた3桁だね」
提督「金剛達が強くなったのは良い事だが、改めて資材の残量を確認してみると弾薬が本当にマズくてな......」
望月「なるほどねー。あ」
提督「ん? どうした?」
望月「大佐、落ち込んでるところ悪いんだけどさ、もう直ぐ第二艦隊が長期遠征から戻って来るよ?」
提督「無事に戻ってくるのは良いことじゃないのか? 資材も手に入るし」
望月「まぁ、そうなんだけどね。だけどさ......」
タタタッ......コンコン
羽黒「大佐っ、羽黒です! 入っていいですか?」
提督「羽黒? 今しがた遠征から帰ってきたばかりか。入れ」
望月「あーあ、来ちゃったかぁ」
ガチャ
羽黒「失礼しますっ」
提督「遠征ご苦労。どうした? そんなに急いで」
望月「......」
羽黒「大佐、私、さっきの遠征で上位改造が可能な練度に到達しました!」
提督「なに」
望月「やっぱり」
羽黒「お願いです。羽黒をもっと強くして下さい!」
提督「......」
羽黒「? 大佐?」クビカシゲ
望月(上位改造だもんね。資材使うよねー)
提督「ああ、悪い。急だったから少し驚いてな。そうか、よく頑張ったな。偉いぞ」
羽黒「えへへ。ありがとうございます。あの......頭を......」
提督「ん? ああ」ナデナデ
羽黒「ふぁ......ありがとうございます♪」
提督「改造だったな。勿論許可しよう。許可証を認めるから暫く......夕方くらいにまた来い」
羽黒「はいっ、分かりました! お願いしますね! 失礼しました」
バタン
提督「......」
望月「ま、断われないよねぇ」
提督「望月、試算......を」
望月「もうできてるよ。はい」
『改造後の資材残量試算結果:燃料・鋼材・ボーキ/6桁 弾薬/2桁』
チーン
望月(大佐の頭の中で何かが鳴った気がする)
提督「......マズイな」
望月「そうだね。これじゃ、出撃どころか、演習も遠征も無理だね」
望月「また、あそこの提督に交換を頼む?」
提督「そう頻繁に頼むわけにもいかないだろ。こちらの体裁もある」
望月「じゃぁ、どうするの?」
提督「望月......」
望月「ごめんごめん。ちょっと意地悪しちゃったね。睦月達集めてもらえる? ちょっとひとっ走り稼いでくるよ」
提督「すまんな」
望月「やるときはやるからね。もっと褒めてもいいよ?」
提督「......何がいい?」
望月「......わたしを大佐の膝に乗せて抱きしめて、さらに頭を撫でる、とか?」
提督「容易いことだ」スッ
望月「ん......睦月達が来るまで、暫くお願いね」
望月(わ、本当にやってくれた。しかも迷いなく。こりゃ相当参ってるね。睦月達にも事情を話していっちょ頑張るか)
望月「ん、もういいよ。睦月達がもうすぐ来るから。ありがとね」トテ
提督「俺としてはこれくらいじゃ礼として申し訳ないくらいだ」
望月「まだ、実際に集めてもないのに。何言ってるのさ。そんなんじゃ、遠征から帰って来た時にもっとご褒美要求しちゃうよ?」
提督「寧ろ遠慮するな。可能な範囲で希望に応えよう」
望月「マジ......?......考えとく」
望月(......よしっ)
コンコン
睦月「睦月型駆逐艦一同参りました!」
提督「入れ。......望月、頼むぞ」
望月「任しといて」b
この後無事、弾薬はある程度補充が出来たそうです。
望月はやるときはやる子、頼りになる子です!