【迫真】消えた野村・三菱「統合構想」の現実味

2019/4/4
ガリバー野村證券が苦境に陥っている。
2018年4〜12月期決算で1000億円を超える最終赤字を計上。優良顧客の高齢化で資産流出が加速し、国内最強のリテール(個人営業)基盤がぐらついている。
顧客、株主、社員、監督官庁といったステークホルダーからはことごとく「ノー」を突きつけられ、それでも抜本的改革に動けない。
名社長とうたわれた田淵節也を抜いて、8年目の長期政権に入った永井浩二社長への不満、懸念は募る一方だ。
野村が直面する経営環境の劇的変化、それに対応できない永井体制の問題点を浮き彫りにする。
*前編
【完全解説】いまさら聞けない、野村證券「ガリバーの軌跡」
「野村は絶対に許さない」
長門正貢・日本郵政社長がこう言い放ち、野村證券の関係者を「出入り禁止」にしたことは、一般にはほとんど知られていない。永井浩二・野村ホールディングス社長ですら、長門への面会はかなわないという。