東大・国公立大医学部を目指す浪人生や中高一貫の名門進学校の現役生の大半が、全ての科目を同時進行で勉強している。十分な実力がある人ならいざ知らず、偏差値ギャップが20以上あるような受験生がこんな勉強法をマネしたところで絶対上手くいかない。1ヵ月もしないうちに挫折することは目に見えている。こんなタコ足配線のような勉強をしなければ東大・国公立大医学部には合格できないと本気で考えている受験生もいるようだ。

しかし、東大のように科目数が多い大学を志望するからこそ1つずつ仕上げるという姿勢が重要なのだ。僕の東大理Ⅲ受験術においても当然この方式を採用する。

最初に取り組む科目は、英語と数学の2科目だけ。私立大医学部でさえ英語・数学・物理・化学と勉強する必要がある中、東大理Ⅲ志望でありながら英語・数学しか勉強しない。

更に言えば、英語には読解・作文・リスニング・文法と4分野あるが、最初にやるのはこのうちの読解だけ。作文・リスニング・文法は一切やらない。読解だけに専念する。

こうした一点集中方式は学校や予備校では絶対に採用しない。だから学校や予備校は使えないのだ。英語・数学さえ仕上がれば、後半は理科に集中できる体勢を築ける。英語・数学のアドバンテージを生かし理科を集中攻略し逃げ切りを図る。これこそ「学校無視・偏差値無視の下剋上受験」の特権と言える。