電力会社を辞めた理由⑦

どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由⑦についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由⑥の続編です。)



三交代の懸念

電力会社の配電部門では、宿直や日直と呼ばれる当直業務が避けられません。

電力会社を辞めた理由②でも多少紹介しましたが、その拘束時間は異常です。

(木曜日の宿直は、金曜日に午後半休が取得できるため、比較的マシでした。)

文字通り、社畜とはこのことを言います。

電力社員はこの働き方が当たり前であると錯覚させられていますが、明らかに人間扱いされていません。

あくまでも私の想像ですが、発電部門同様、今後は配電部門も三交代勤務が基本になると予想しています。

(当直の手当てや夜間の時間外割増が多いため、三交代の採用によって大幅に人件費を圧縮。)

2020年の発送電分離(送配電部門の分社化)に伴い、送配電部門は電力会社(ホールディングス、親会社)所属の事業会社(子会社)となります。

これによって、序列は現在の電力系電工と同列まで下がります。

給与体系については、三交代勤務を飲むのであれば、現行と同水準。

現行と同水準の日常勤務を望むのであれば、電力系電工と同水準。

このように、人件費を圧縮される可能性が、非常に高いと感じています。

もう一つ考えられる可能性としては、電力系電工による三交代勤務の開始です。

電力会社の高い人件費では、現在のような保守・保安のサービス体勢を維持することは困難です。

その解決方法としては、人件費の安い子会社に仕事を投げて、扱き使うことです。

働き手がいない場合、送配電会社からの出向(片道切符)となる可能性があります。

その気になれば、道路工事や電車線工事と同様、移動照明車を配備して夜間工事も始まるかも知れません。

電柱の建柱位置の都合上、道路上での工事が主になります。

よって、夜間であれば道路事情・交通状況も良いため、これからは夜間工事が当たり前となるでしょう。

(他のインフラができているのに、電力会社だけできない理由がありません。)



少な過ぎる当直体制

当直業務の人員については、事業所の規模にもよりますが、大きな事業所であれば5人体制。

指令直と呼ばれる副課長が1名、A直と呼ばれる中堅社員が2名、B直と呼ばれる若年社員が2名です。

小さな事業所であれば3人体勢で、A直とB直が一人ずつ減ります。

これはこれで問題があり、B直は中型自動車免許を持っていません。

2007年に大きな法改正があり、それ以前に普通自動車免許を取得していたおじさん達は、中型自動車免許(8トン未満に限る)と言う既得権が得られました。

しかしながら、2008年入社以降の高卒新入社員は、高所作業車(車両総重量が5トン以上8トン未満)が運転できなくなりました。

作業に必須であるにも、関わらずです。

(その後、2017年に再度法改正があり、準中型自動車免許が新設され、もう理解不能に。特に、消防車両のポンプ車が影響大のようです。)

更に言うと、運送業界では大型自動車免許の取得が当たり前です。

(中型自動車免許程度では、何の潰しも効かない無駄な資格です。)

デメリットとしては、免許更新の際に深視力検査と呼ばれる高難易度の検査が付加され、免許剥奪の恐れがあります。

更に、20歳で中型自動車免許を取得したと仮定すると、免許更新のタイミングが2年ずれます。

このことにより、本来は最短24歳(18歳+3年+3年)でゴールド免許となるはずのところ、新規免許を取得しない場合は26歳(20歳+3年+3年)となります。

ブルー免許であるが故に、本来受けられるはずの自動車保険のゴールド免許割引が、2年間享受できません。

(当然、自費負担です。そもそも、免許取得時に等級を寄越さなかった実父のことを、生涯に亘って許さない。)

よって、普通自動二輪の免許を取得することを考えましたが、実際に乗る機会は少ないと考え、やめました。

強いてメリットを挙げるならば、免許取得の費用は会社負担であったことと、29人乗りのマイクロバスが運転できるようになった程度です。

(14人乗りのトヨタ:ハイエース コミューターまでなら運転しても良いかな。)

話が逸れました。

よって、現場で高所作業車が必要となった際に、A直を呼び出す必要があります。

私の場合、外灯不点と呼ばれる自動点滅器の故障があった際、かなりの無茶をしたことがあります。

電柱付きの外灯なら良いのですが、現場は低圧引込線で配電されている、自立の外灯。

(イメージ写真は、こちら。)

A直の先輩を呼び出すと、現場への到着は1時間以上。

他の現場での不点保修や供給停止解除を考えると、たかだか外灯不点ぐらいでは当然来てくれません。

(故障停電の申入をお客さまよりいただくと、即日復旧が基本。)

結果としては、CP昇降器とポールスターを複数個使用して自立の外灯に昇柱し、命がけで取替したことがあります。

(その姿、まさに現代の忍者。良い子は絶対にマネしないでね!)

成人男性としては比較的、体重の軽い私だからこそできたことだとは思いますが、地際からポッキリいってもおかしくはない状況でした。

こんなものは、武勇伝でも何でもありません。

その様な無茶な作業を、若手社員の判断で強硬せざるを得ない異常な現場環境こそが、電力会社の異常なポイントです。

盗難に遭う

このような、過酷な当直業務に従事する電力社員。

悲しいことに、当直業務の際は、夜間には最大でも5人しか社内に人がいません。

暗闇が故に魔がさすのか、しばしば盗難に遭うことがあります。

中には、個人の所有物を漁るだけでなく、会社の備品(古くは、PCやカメラ等)を奪う輩もいました。

そしてあろうことか、盗んだカメラを我が物顔で同僚に自慢。

(あだ名はもちろん、ルパン。厄介ごとが嫌いな電力社員は、誰も真相には追求しませんが、明らかな犯罪です。)

事業所には防犯カメラがありませんので、決定的瞬間を記録することができません。

(証拠がなければ、現行犯以外での逮捕は不可能です。)

ちなみに、寮や社宅においても、盗難は稀にあります。

勝手に寮生の部屋に侵入、盗品を転売し、結果的に逮捕された先輩も知っています。

ごく僅かではありますが、高卒入社の多い配電部門には、このような常識が欠けた社員が一部混じってきます。

スポーツ馬鹿でなく、本当の馬鹿。

本人の素質もありますが、将来性を見抜けなかった、本店人事労務部門の体たらくと言えます。

 

以上、電力会社を辞めた理由⑦についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由⑧にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。