ミキハウスの入社式が3日、大阪・八尾市内で行われ、新人アスリートの女子柔道・佐藤史織と池絵梨菜(いずれも22)が、同社スポーツ部門GMでアトランタ、シドニー、アテネと五輪男子柔道3大会連続金メダルの野村忠宏氏(44)の“金言”に発奮した。野村氏は壇上あいさつで、体が小さかったため中学時代に女子選手に負けた悔しい思い出などを披露。「いつか輝きたいと思い、背負い投げを磨き続けた。努力するけど結果が出ない時も、1、2年後の自分をイメージしてほしい。短期と長期のビジョンをもって最高の準備を」と新入社員たちにエールを送った。
佐藤は大阪出身で山梨学院大4年時の昨年、学生体重別選手権63キロ級優勝。野村氏の話を聞き「自分はセンスがある方ではないけど、あきらめずに上を目指そうと思った。東京五輪に出て活躍できるよう、背負い投げをもっと磨きたい」。全日本選抜柔道体重別選手権(4月6、7日・福岡国際センター)で社会人初戦に臨む。
池は高知出身で国士舘大4年時の昨年、講道館杯で左人さし指の靱帯、けんを断裂し、手術を受けた。「今は治療中だけど、しっかり目標を見失わず頑張りたい。感謝の気持ちを忘れず取り組みたい」と今秋の公式戦復帰からの東京五輪出場を目指す。
野村氏が大方の予想を覆してアトランタ五輪60キロ級で自身初の金メダルを獲得したのが、天理大4年時の1996年。偶然にもその年に生まれた佐藤と池が、野村氏に励まされて東京五輪への一歩を踏み出した。両選手は今後、都内を拠点に大舞台を目指す。
このほか、卓球の塩見真希、アーティスティックスイミングの沢田真夏(まこ)、同リオ五輪代表の小俣夏乃、スケートボードの伊佐風椰(いさ・かや)が今春、スポーツ部門でミキハウス入りした。