政府広報オンライン公式ホームページより
政府は2日、女子高生を利用した接客サービス「JKビジネス」やアダルトビデオの出演強要などの被害防止の啓発キャンペーンに、HKT48の指原莉乃を起用することを発表した。指原莉乃はイメージキャラクターとして、内閣府が作成する同キャンペーンのウェブ動画やポスター、新聞広告などに登場し、注意を呼びかける。
近年、未成年や若年層を中心に被害の広まっている問題だけに、被害者と年齢が近しく親しみやすいである指原莉乃の起用は納得がいく。しかし一方、ネットでは「AKBがJKビジネスじゃなかったらなんなんだ?」「デタラメすぎる」「ブラックジョークかよ」という批判の声も多く上がっており、それもまた納得なのだ。
指原は4月28日をもってアイドルを卒業するが、その出自は秋元康が総合プロデュースをつとめるAKB48グループだ。AKBグループには女子中学生や女子高生を含む400名近くのメンバーが所属しており、メンバーは毎週末のように開催される握手会にかり出され、何時間もかけて何千、何万のファンと握手をする。握手券を封入したCDは100万枚どころか200万枚売れ、レコード会社に莫大な恩恵をもたらす。
こうしたビジネスモデルは「AKB商法」と呼ばれる。秋元康が率いるは、アイドルを“テレビの中の手が届かないカリスマ”という存在ではなく、“距離が近く触れ合える女の子”へと転換させ、そのシステムの根幹をなす握手会を介して成功した。そこに擬似恋愛の要素がないとは言いきれない。そして48グループや後発の坂道グループには、未成年メンバーも多く含まれている。
「AKB商法」は、若いアイドル(JK)とファン(客)を接触させ、利益を生む。その利益を貪るのは、彼女らの労働を管理する層だ。若い女性を消費するという構造においては、「JKビジネス」となんら変わりないのではないか。
アイドルとファンの「つながり」さえ利用するAKBグループの接触商法
今年の年明けに発覚したNGT48の暴行事件は、いまだ収束の目処も見えないほどの大騒動となっているが、これはアイドルとファンの“異常な”距離の近さが招いた事件だ。
3月22日には、NGT48暴行事件に関する第三者委員会の報告書が出たことを受けて、AKSの運営責任者である松村匠取締役、NGT48早川麻依子劇場支配人、岡田剛同副支配人の3人が会見を開いた。調査報告書では、NGT48のメンバー42人中12人がファンと「つながり(私的領域での接触)」を持っていたことが明かされている。
「つながり」が生まれた原因には、新潟という地方都市の狭さが上げられたが、AKBグループの大前提として存在する「握手会」について触れられていなかったことには違和感が強い。事実、犯人グループには握手会を含む現場イベントでの目撃情報がネットで拡散され、騒動を大きくしていた。そればかりか、運営側との犯人グループの「つながり」についても疑われていたのだ。
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