ゼロワン ~資本金1万円でスタートし、自己資本で1年2か月経営して、単月黒字化を達成し、シードで4000万円調達するまでの話~

独立してから、2年近い月日が経った。正社員はもうすぐ15人になり、業務委託の方や学生インターンを合わせると30人近くなる。サービスの知名度も徐々に上がってきた。副業を希望される方の新規登録者は順調に増えていて、その半分は広告経由ではなくオーガニックらしい。

しかし依然として、会社は油断すればいつ潰れてもおかしくない状態にあるのも確かだ。成長し続けなければ、生き残ることはできない。

課題は山積みだ。特に、組織の課題が目立つ。人員増加にともなって役割・業務が縦割りになった結果、社内間コミュニケーションが数も種類も倍に増える。それぞれの部署にフラストレーションがたまり現場同士でぶつかり合う。組織は、かつてないほどカオス状態だ。

ただ、メンバー全員にサービスを良くしたいという思いがある。目指すビジョンも同じだ。良い状態なのか、悪い状態なのか、たぶんこれがスタートアップの成長痛なのだろうか。成長痛だよね?え、違う?

ほぼ全員が壁にぶつかっている(僕含め)。そしてつい他責にしてしまうシーンも見る。これが良くない状態であることは、さすがにわかる。そんな今だからこそ、今いるメンバーのために、そして未来のメンバー(そう!今この記事を読んでるキミのことさ!)に向けて、この会社の創業時のことを書き起こしたいと思う。

あの時も壁にぶつかっていた。来月の自分の給料を稼ぐために今日を生きる。やれることはなんだってした。他責にする余裕なんてなかった。サービスは誰も知らないし、もちろん登録者もほぼゼロに近い。油断すれば会社が潰れるというか、そもそも会社として成り立っているかどうかという状態だったと思う。

そんな中どうやって、今のシューマツワーカーができてきたのか。


2017年1月に前職を辞めて、この会社を始めた。独立当時、資本金1万円、個人貯金20万円、個人借金120万円の状態だった。(なんでそんなにお金がなかったのかは過去記事「突然ですが、僕今日から200万円の借金を抱えることになりました」をお読みください!)。

銀行やベンチャーキャピタルからの出資の目途も立っていなかった。まさに自転車操業状態である。そして自転車の性能(僕の能力)は、前職で培った5年弱のソシャゲディレクタースキルで、且つそれは無名ブランドだ。もちろん、その状態になることは想定内だった。お金はなかったが馬鹿ではない。

独立から少しさかのぼること2016年11月。僕はシューマツワーカーのビジネスアイディアを創出する。しかしシューマツワーカーは、ただリリースするだけではダメだった。企画時から必要条件が4つあった。


条件①:1月に絶対にサイトリリースできること

条件②:2月には僕の給料(当時30万円)以上の売上を出すこと

条件③:運用はエンジニアやマーケターはなし、僕1人で完結できるビジネスモデルであること

条件④:広告費はかけないで顧客を集められること


なかなかのミッションだ。でも、やるしかなかった。

まず企画書を1時間で作った。ワードファイル上にテキストだけの企画書だ。当時のそれを、Googleドキュメントに貼ったものが以下リンクだ。興味ある人は見てみてほしい。このレベルの企画書でもサービスは作れる。(このあとデザイナー用とかメンバー用にもうちょっとちゃんとした企画書資料を作ったけど)


シューマツワーカー初期の企画書

https://docs.google.com/document/d/1g4VfpdcZL0fboLn6qPIxdWPo0cIQLzhT-UZNHZ7DCSE/edit


企画書を作ったことによって、事業整理ができた。狙うターゲット層と彼らの課題も仮設した。この時点で、何社か知り合いのスタートアップ経営者やエンジニアにヒアリングを実行している(でも2~3社とかだった気が)。なんとなく、行けそうな感じがする。じゃあ次はサイトだ。1ページサイトのワイヤーフレームを作った。


シューマツワーカー初期のワイヤー ※本当はパワポ3枚におこしてる

https://docs.google.com/presentation/d/1PDNMf_nCpZ-j4GNMaaetCdD0GsTfU536AFZLmelVIFg/edit#slide=id.p


ワイヤーができたら、知り合いのデザイナー高瀬さんにLP制作を依頼する。確か友達価格で8万円くらいで作ってもらった(高瀬さん、いつも本当にありがとうございます!!!)。当時、サービスロゴについて高瀬さんから電話あったのを覚えている。


高瀬 「ロゴなんやけどさ、どうする?できればめっちゃ話し合って、コンセプトとかサービスにかける思いとかヒアリングした上で、それを抽象化してロゴ化していきたい。どこかで時間とれへん?」

松村 「あ、それよりすぐリリースしたいんで、ロゴは高瀬さんに全任せしますww」

高瀬 「まじでかwww」


そうやってできたのが、今のロゴだ。 「なんで “U” が3つあるんですか?」と、たまに聞かれる。なんでなんだろうか。高瀬さんに聞いてほしい。

そうしてデザインがFIXしたので、また別の知り合いのリョウくんにワードプレスに組み込んでもらう。友達価格で10万円くらい払ったような気がする(リョウくんも、本当にありがとうううう!!!)。あ、ちなみにこれらは独立する前に払ったものだ。これらを払った後に貯金20万円になった。

そうして2017年1月末に、シューマツワーカーβ版を公開した。18万円で作った2ページのサイトだ。「とうとう…とうとうサービスが出来た!!!!!!!」みたいな感動は特になかった。よし次、って感じ。サービスに登録すると、ぼくのGmailに登録情報が届く。仕様は、それだけだ。

早速、法人向けの営業資料を作る。それを、3晩かけてWantedlyの掲載情報から作った企業リストとそのinfo@のメアド300社に一斉メールを送った。そして、6~7社返ってきた。

余談だが、当時の作業は基本的に三軒茶屋のマックで行っていた。コンセントがあるし、24時間だし、イスのいい感じの座りごごちの悪さがいい具合に眠気を損なう。また、深夜の三茶マックには本当にいろんな人がいて面白かった。食べチョク(https://www.tabechoku.com/)の代表の秋元さんも当時よくそこで作業していた。


そして2017年2月を迎える。

恵比寿にある前職オフィスに毎朝出社する日常が終わった。とうとう僕は完全に独立したのだ。朝起きて、行く場所がない。これは本当に不思議な感覚だった。不安・恐怖の感情に近い。少しづつ実感がわき、覚悟ができてくる。そうか、僕はもう僕ひとりの力で生きていかなければならないのか。

営業メールに返信があった企業に訪問する。もともと営業経験は皆無で不安だったが、学生時代にバイトした居酒屋キャッチのノリでいけるものだ。 意識したのは『地元の友達力』だ。10代を共に過ごした地元の友達って最高だと思う。お願いされたら無条件でそいつの力になりたくなる。営業感を出さないで(てか出せなかった)、1時間の訪問で、いかに相手に地元の友達っぽく思わせるかを意識した。(もちろん敬語&謙虚ではあるし、相手にスタイルは合わせました!)

初期は、事業のテストも兼ねてたので、「紹介して成約したら15万円ください!」というモデルにしていた。ただ当初から、ゆくゆくはサブスクリプション型のビジネスモデルに変えるつもりではいた。

初めてのお客さんは、西新宿にあるWEBメディアを運営しているスタートアップだった。Railsエンジニアが1人退職し、代わりを探していたらしい。ただプロダクト自体はできていて、直近で大きな新規機能開発はなかったので、副業くらいのコミット量がちょうどよいとのことだった。

「登録者けっこう増えてきてるんで、すぐ見つかると思います!」と言った。もちろん、登録者なんていない。すぐに、知人のRailsエンジニアに 「副業しようぜ!こんなめっちゃいい会社で、こんな魅力的な経営者がいて、こんないい条件!絶対やった方がいい!」と言いまくる。「あ、うん。いいよ、時間あるし」くらいの温度感だった。しかし結局彼はその後、1年近くその会社で副業した。

この調子で知人中心に5人紹介し成約させ、目標だった自分の給料の2倍以上の売上を初月から立てた。なんだったら、前職の給料よりも全然稼げている。当初は、「起業って楽勝やんwww」とか言ってたような気がする。でも、3月からは本当に大変だった。


夜な夜な三茶のマックに通う。当時まだ会社員だった現COOの星を呼び出して、「今夜中に1人200社メアドあつめよ!」と営業リストを作り続ける。

ある日、深夜1時ごろ、食べチョクの秋元さんがいつになく眉間に皺をよせイヤホンをしながらPCと向き合ってるのに遭遇した。かなりの集中力だ、彼女は僕たちにまったく気付かないし、僕らもその様子から話しかけることはできない。ただ一応帰り際に声をかけると、僕らに驚いた秋元さんは 「あぁ、すいません!バチェラー見てて気づかなかったです!」と答えた。彼女はAmazonプライム・ビデオで『バチェラー』を見てたのだ! でも、そういうところも、みんなが秋元さんを好きになって応援する要素なんだな、と思った。家で見ろよ、とも思った。

案件は月に3~5件はもらえた。メール営業もそうだが、『yenta』というビジネスマッチングアプリで、スタートアップ経営者に会いまくって、そこで案件をもらったりもした。『yenta』は僕の知る最高のサービスの1つだと思う。

ただ、3月時点で既に紹介する友達がいなくなっていた。しかも初月売上で調子にのってた僕は、週2日稼働する業務委託の方を採用していた。 「このままじゃやべえぇぇ。起業なめてたああぁぁ!!」

そこからは、あらゆる手段を使ってエンジニアに会いまくった。会ってヒアリングして、会ってヒアリングしてを繰り返した。

エンジニアが多く集まる勉強会や交流会によく参加した。僕は技術の深い話はなかなかできないが、WEBサービスやスタートアップのことならわかる。あとはだいたいノリと勢いで乗り切る。ここでも、居酒屋のキャッチバイトで培った口八丁が活きた。キャッチは、「どーも!初めまして~!」から、30秒後には相手に好印象を持ってもらわなければならない。テンションは謎に高く、でもしゃべりすぎてもダメだし、謙虚な姿勢はくずさず、とにかく「なんとなくこの人のこと好き」という印象を与えないといけない。要は、『地元の友達力』だ。

根本さんというエンジニアが、月に2回主催するエンジニア・デザイナー飲み会にも、毎回顔を出した。“APIあるある”で盛り上がるエンジニアたち、僕にはさっぱりわからないが、なんとか会話の中心に入り込んで、最終的には下世話なネタで盛り上げる。APIあるあるならぬ、OPI(おっぱい)あるあるだ。 最後には仲良くなったエンジニアたちとハイタッチして、「良い副業案件あったら提案させてください!」と約束しFaceBook申請して去る。とにかくそれを繰り返した。

あと良くやったのはFaceBookの友人の友人に当たることだ。「あの会社ってReactNative使えるエンジニアがいるらしいよ」と聞いたら、必死にFBでそれっぽい人を探し、共通の友人につないでもらって、案件を提案した。

たくさんのエンジニア達と出会いヒアリングを重ねる中で、ある “手法” を知る。それは、とにかく時間さえかけて地道に頑張ったら、スキル言語毎にエンジニアのメールアドレスを、ほぼ無限に取得できる手法だった(もちろん正規ルートの手法だ。今はもうそれできなくなったけど)。星と一緒に深夜のマックで、一晩かけてメアドを集める。4時間かければ、Railsが書けそうなエンジニアのメールアドレス50個は集められた。

次に、『竹田あやな』という架空の人物を作り、メールアドレスを発行した。そして、集めたエンジニア達のリストにメールを一斉に送る。

「初めまして!!突然すいません!わたし、竹田あやなと申します(^^)」

返信率7%だった。副業したいニーズは一定あると確信した。試しに『星耀介』の名前でメールをしてみる。返信率3%だった。女の子ってすごいわ。

当然、竹田あやなは会いにいけなく、「あ、その日ちょうどさっきアポが入っちゃって、、代わりに代表の松村がいきます><」と返信する。あの時お会いした方々にはよく「竹田さんは実在しますか?」と質問されて、「はい、います!」と答えていた。本当にすいませんでした。この場を借りて謝ります。でも厳密には、知り合いに『旧姓が竹田あやな』という子が実在してて、その子がメールしてくれる予定だったけど、急遽できなくなったので、仕方なく僕が『竹田あやな』になってたわけで、まったく本当に存在しないわけではないんです。すいません。本当にすいません…。

2017年4月頃、西村創一朗さんの主催イベントに参加したとき、首からロボホンを下げた僕と同い年の女性、流郷さんに出会う。広報PRのコンサルしてるとのことで、さっそくお願いすることにした。

僕としては、シューマツワーカーの事業と広報PRは相性がいいと企画時から考えていた。広報コンサルは本当にちょうどその時探していたのだ。決して流郷さんが、顔が可愛かったから依頼したとかではない。うん、決して違う。


余談だが、最近の流郷さんはムスカ(https://musca.info/)というハエのスタートアップで暫定CEOをやってる。大人たちを巻き込み、自身のステージをどんどん上げていくのが得意な子だった。キープレイヤーズ高野さんも彼女に紹介してもらった。余談の余談だが、流郷さんと渋谷のVRバーに行ったとき、たまたまシリアル・アントレプレナーの家入一真さんと居合わせた。2人で思い切って「はじめまして!家入さんですよね!?」と話しかけ、FaceBook申請をした。現在、彼女は家入さんに『あやのちゃん』と下の名前で呼ばれるほど仲良くなっている。ちなみに僕はいまだにFB申請を承認されてない。いつか僕がもっと有名になって家入さんと話す機会があったら、この話をしてやろうと思っている。

でも、そんな彼女は、僕の知る限りトップクラスの壮絶な過去を持っている人だ。まじで自伝出せると思う。そんな過去があるからこそ、彼女には魅力があり、大人たちを巻き込む力があるのだろう。


2017年6月頃(5月だったかな) 、神泉駅前に家賃9万円の部屋を借り、そこをオフィスとした。そして星は6年住んだ駒沢大学のアパートの契約を切り、そのオフィスに引っ越してくる。オフィス兼星の家 誕生である。それ以降は拠点を神泉とし、三茶のマックは卒業した。(ちなみに星くんは今でもそこに住んでる)

この時に隣の部屋に住んでたのが、アスポール(https://aspole.jp/)というスタートアップのCEO中西君だ。よく深夜に酔っぱらって遊びに来ていた。中西君、お互いがんばろう!!!

事業はそこそこ順調で、毎月3~5人は成約していた。この時期、2月に成約したエンジニア達に改めてヒアリングを行う。まだ継続してる人もいれば継続していない人もいた。ただ継続してない人も、うちがちゃんとフォローすれば十分に継続できたであろうフィードバックだった。成約後のフォロー体制をしっかり整え、そこを価値として、サブスクリプションで売上が立つモデルに変えることをこの時決める。

このタイミングをもってβ版テストは終わりとし、サイトをリニューアルし正式版としてリリースする。改めて高瀬さんにデザイン、リョウくんにワードプレス組み込みをお願いした。たしか全部で30万円くらいだった気がする。実は昨日の2018年12月9日時点まで、まだそのサイトを使っていた。4000人以上登録者がいるシューマツワーカーは、ワードプレスでできていたのだ。

また2017年6月いっぱいで星が前職を退社し、7月よりシューマツワーカーにフルコミットすることになる。「最後にボーナスもらってからシューマツワーカーに入るんで、給料とかキツかったら、しばらくなしでもいいっすよ」と言ってくれた星。なんて良い奴なんだ、こいつを誘って本当に良かったと思った。まさか最後のボーナス支給額が2万円で、「松村さん、今月末に絶対に給料振り込んでください!!」と言われることになるとは思っていなかった。

高瀬さんリョウくんに頼んでいた、リニューアル版が完成する。そして、シューマツワーカーにとって大事なキーポイントが訪れる。PRTIMES上でのプレスリリースだ。流郷さんと一緒に、完璧なプレスリリース文章を作成する。

実は、シューマツワーカーがプレスリリースを出す約1か月前に、三茶マック友達だった食べチョク秋元さんがPRTIMESからプレスリリースを出し、大きくバズっていた。その日、FaceBookのフィードが秋元さんで埋め尽くされたのを覚えている。「秋元さん、一気にめっちゃ有名人やんけ!!!」

僕は深夜、秋元さんを三茶のマックに呼び出した。「シューマツワーカーもプレスリリースをバズらせたい。どうやってバズらせたか教えてほしい」とお願いする。秋元さんは突然の依頼に戸惑いつつも、すこし緊張した面持ちで答える。

「あのね、みんながシェアしてくれただけだから、わからないの」

全然再現性ねえ……と呆然とする。 「いや、待てよ…」 要は、たくさんの人が秋元さんのリリースをFaceBookでシェアしたから、PRTIMESの『いま話題ランキング』『今日のランキング』で上位に上がって露出が増え、さらにシェアされたってことだよな? つまり秋元さんが自然に起こしたバズり現象を、強制的に起こせばいいのか…。

プレスリリースを出す前日、当時の僕の知人の中でスタートアップ界隈に発信力がある人皆に連絡した。

「明日12時にシューマツワーカーのリリースを出すので、どうしても、『いいね』と『シェア』をしてください…!大変お手数ですが、どうか何卒宜しくお願い致します!」

そしてプレスリリースを出した直後、FaceBook友人リストから300人くらいに「『いいね』と『シェア』をしてください!」と頼みまくった。地元の友達にもLINEして、とりあえず『いいね』と『シェア』をしてくれとお願いした。

結果、『いま話題ランキング』『今日のランキング』で1位を獲得し、シューマツワーカーのプレスリリースはそれなりにバズる。そしてそのリリースを見た人が、300人ほど登録してくれた。それまでは知名度ゼロで、夜な夜な必死にエンジニアリストを作っていたので、嬉しかった。登録者には順番に会った。竹田あやなは、この時をもって卒業した。

しかし、300人では足りなかった(登録者全員にマッチする副業があるわけではない)。もっと登録数が必要だ。でも広告を出すお金はない。よし、改めてプレスリリースだ! そうして流郷さんと星くんと話し合った結果、『副業サービスカオスマップ』を作ることになる。

TechCrunchの方をFBメッセンジャー上で繋いでもらい、載せて載せて載せて載せて載せて載せて載せて載せてと、無限アプローチし続けた結果、なんとか記事にしてくれることに。そしてその記事は3000以上シェアされた。そこ記事からまた300人の新規登録があった。


当時の記事

https://jp.techcrunch.com/2017/08/18/side-business-caos-map/


このカオスマップはその後、経産省や大手人材系会社の内部資料にも使われたらしい。僕が一晩で作ったってことは、ここだけの話にしてほしい。(2018年版は時間かけてちゃんと作りました!!)

余談だが(余談多くてすいません。。)、この直後、しばらく各業界のカオスマップブームが起きた。あれば副業カオスマップがきっかけだったとTechCrunchの方が言っていた。僕ら以前にカオスマップを作っていたのはトレタさんだけだったような。忘れたけど。


広報PRは本当におもしろいし、可能性を秘めている。最初から流郷さんにコンサルを頼み、広報PRに注力したからこそ今のシューマツワーカーはある。広報PRは、バズったらラッキーではなく、バズらせる戦略がある。スタートアップこそ、広報にもっと注力すべきだと思う。

※ちなみにシューマツワーカーでは副業広報人材も紹介してます!!!


2017年9月、この月も大きな変革の月だった。

やっと公庫と銀行から借入審査が通り、合計600万円が会社の口座に着金した。来月の給料を今月なんとかしなければならない状態から、初めて解放された。そして一気にとれる戦略の選択肢が増えた。

まず、広告を開始した。FaceBook広告だ。実運用は、元エウレカでPairs(ペアーズ)の広告運用をしていた知人に副業で手伝ってもらった(今も手伝ってもらっている)。

実は、初期の頃のバナーはほとんど僕が作ってた。圧倒的にコンバージョン率が高かったのは、副業もエンジニアも関係ない女子高生のバナーだった。流郷さんは最後までそれに納得いってなかったのを覚えている。

そして、もう1つの選択肢が思い浮かぶ。


「社員を雇おう!」


その数日後、1号社員の “木村くらら” を採用する。きっかけは、たまたま呼ばれた飲み会。彼女はスタートアップという言葉も知らない、普通の23歳の女の子だった。


「4日前に新卒で入った会社を辞めたんですぅ!入社5か月間で辞めちゃいました!」

「えー!じゃあうちでバイトしようよ!」

「やったー!仕事決まったー!」


だいたいこんな感じだ。

まず、名前が良かった。逸材だ。僕たちは『竹田あやな』の強さを知っている。『くらら』とか、もはやアレやん、もう最強やん、もう。で、採用した。後日聞いたのだが、彼女の両親は、初めての給料が振り込まれるまでずっと僕らのことを信用してなかったらしい。

そしてさらにその数日後、『yenta』(最高のサービスです!!!)で “高橋慶一郎” と出会い、採用にいたる。


「起業しようとしたけど、なかなかうまくいかず、今マジで金やばいっす」

「とりあえず25万円振り込むからうちで働きなよ」

「やったー!生活できる!」


だいたいこんな感じだったと思う。


2人とも今も活躍してくれている。かなりラッキーな採用だったと思う。あえて言うならば、飲み会や交流会に多くいくようにしていたし、行ったからには何かしら絶対に得てやるという気構えは常に持つようにしていた。そしてサボらず続けた『yenta』(マジで最高のサービスです!!!)。当時僕は、たぶん普通の人よりも多く、新しい人に会い続けたと思う。


そうして、シューマツワーカーは4人体制になった。 Wantedlyなど採用媒体から企業リストを作って営業メールを送りアポを取る。そして広告から入った登録者とマッチングしていく。その副業エンジニアをサポートする。ひたすらそれを続ける。

2017年12月に、とうとう単月黒字化を達成した。

「単月黒字化、来たああああああ!!!!」 みたいな感動はそんなになかった。よし次、って感じ。この時、残キャッシュは420万円くらいだったと思う。


全然話変わるけど、以前採用面接した元体育会系の方に、「僕は仕事で泣きたいんです!!!あの時の野球部の時のように!!!」と言われたことがある。僕もサッカー部だったので、シュート決めた瞬間とか、今まで勝てなかった相手に勝利した瞬間とかの “その種の感動” については経験がある。ただ、仕事でそれを得たことはなかった。確かにスタートアップだしハードシングスを幾度か乗り越えてきたけど、それでも仕事で泣いたことはなかった。彼にはそのまま伝えた。「僕は仕事で泣いたことないし、うちの会社であなたが泣けるかわからない」と。ていうか、そんな会社あるのだろうか?

でも実は先日、「うちの会社の人は、みんな泣くよ」という話を聞いた。リンク&モチベーションだ。四半期に1回の表彰会でMVPを取った人は皆泣くのだ。リンモチ社員にとって、MVPの価値をそれほどに高いものだと認識されていて、そのために会社は多くのお金と時間をかけている。僕は猛省した。「仕事で泣けないんじゃない、僕が仕事で泣ける環境を作ってなかったのか」 組織作りは想像以上に自由で、深い。この先5年は、僕の主な課題の1つになるだろう。とりあえずモチベーションクラウド入れようかな。


年が明け2018年1月、星と2人で会社の未来について話し合う。

正直、ずっと自己資本だったので、かなり自由な働き方をしていた(働く絶対量は多かったけど)。みんなで平日休みにして東京ゲームショーのビジネスデーに遊びに行ってみたり、後楽園のスパ・ラクーアで仕事してみたり(全然仕事にならなかった)、本当に自由だった。

2つ選択肢がある。1つは、より自由を求めることだ。このまま4人で売上を積み上げていけば、それぞれが年収1000万円くらいになり、時間や場所の自由だけでなく、経済的な自由も手に入れられるかもしれない。まあわかんないけど。もう1つは、ベンチャーキャピタルから出資してもらうことだ。資金調達したら社員をもっと一気に増やす。そして、かなり先の未来まで必死に働き続けなければならない。その代わり会社はスピード感を持って大きくなり、社会に対して大きな影響力を持つ。その先に富はあるかもだが、その可能性は高いわけではない。

実は僕の中で答えはほぼ決まっていた。じゃあ星、星はどっちがいいと思う?


「どっちでもいいですよ」

「どっちでもいいんかい」

「どっちの方が面白いんですか?」

「面白いのは、確実に後者だね」

「なるほど、じゃあそっちがいいですね」

「うん、同じこと思ってた。もうしばらく死ぬ気でがんばろう」

「余裕ですね」

「余裕だな」


そうして、2018年3月に4000万円の資金調達を実行した。(リリースは6月に出した)

採用も加速させた。35歳の営業正社員と31歳の営業業務委託の方をWantedly経由で同時に採用した。2人とも僕らより年上で経験豊富だ。 「めちゃくちゃ頼れるやんけ!」と、思ってたらさっそく初日にその2人が揉めてるぞ? まじでカオスやん、起業って。カオスで、なお最高におもしろい。

ちなみにこの時期、僕は三茶で6年同棲してた彼女にフラれ帰る家を失う。ホームレス社長の爆誕だ。


そうして、株式会社シューマツワーカーの第2章が始まった。


実は、株式会社シューマツワーカーでは、今クラウドファウンディングやってます!!!


クラウドファウンディングページ

https://kibidango.com/874?fbclid=IwAR24oNYCG1MX7IMFtrYO-cRl4TYv24rmTHiifVNbTcDplIb0w-MojQKw1uY


僕たちは、より自由なハタラクを広めるために、自らもって2次元社員を入社させたいと思います!シューマツワーカーには、副業社員をサポートする副業コンシェルジュという役職があります。チャット、もしくはオンラインMTGで、副業する人たちをサポートします。そしてこの業務は、特に3次元の社員でなければできないことはありません。2次元社員『理本ミライ』は、十分に弊社に社員になりえます!!

なので、みなさま是非是非支援を!!!!!

『ミライちゃんパーカー』もらえます!!!!!!


あと、うちの会社に入ってくださいいぃぃぃい!!!!!!!!!

株式会社シューマツワーカー 's job postings
Anonymous
8dac83a7 04c6 41dc 8375 3fc0765991f8?1551778257
8dac83a7 04c6 41dc 8375 3fc0765991f8?1551778257
Picture?height=40&width=40
23843082 1855994878064479 5853123769977747436 n
0424f9ba fc10 4017 bc59 3d007197fa13?1529502013
87 Likes
Anonymous
8dac83a7 04c6 41dc 8375 3fc0765991f8?1551778257
8dac83a7 04c6 41dc 8375 3fc0765991f8?1551778257
Picture?height=40&width=40
23843082 1855994878064479 5853123769977747436 n
0424f9ba fc10 4017 bc59 3d007197fa13?1529502013
87 Likes

採用

Weekly ranking

Show other rankings
If this story triggered your interest, go ahead and visit them to learn more

Page top icon